東日本大震災以降、福島の放射能汚染問題について調査研究と情報発信をしてきた早野龍五氏(理学系研究科教授=当時)。早野氏が宮崎真氏(福島県立医科大学助手=当時)と共同執筆した、福島県伊達市の市民の外部被ばく線量に関する2本の論文について、放射線量の過小評価や伊達市民の個人情報の不正利用などの疑惑が浮上している。論文の不審な点を指摘し続けている黒川眞一氏(高エネルギー加速器研究機構名誉教授)の話を基に疑惑を概観するとともに、伊達市や福島県立医科大へ情報開示請求をしてきた伊達市民の声を紹介する。(取材・小田泰成 構成・山口岳大) 放射線量はいかにして過小評価されたか 問題となっているのは、2016年の12月に発表された「第1論文」と17年の7月に発表された「第2論文」。第1論文は国の放射線審議会で政策決定の参考資料として使われたが、19年1月に参考資料から削除された。 (図1)線量計の一種である
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