意中の相手を射止めるためには、ライバルを蹴落とすことも必要です。 しかし私たちは「同性なら全員ライバルだ」とみなすのではなく、自分にとって脅威になりそうな存在をピックアップして敵視しています。 では女性は何をもって同性を敵視するのでしょうか? 米テキサスA&M国際大学(TAMIU)が新たに調査をした結果、女性は「胸の大きな同性」に対して特に攻撃的になることが明らかになりました。 研究の詳細は2024年6月26日付で学術誌『Sexes』に掲載されています。
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痛みの男女差の根本が明らかになりました。 アメリカのアリゾナ大学(UA)で行われた研究によって、男女では痛みを感じる痛覚受容体そのものが異なっており、男性痛覚受容体と女性痛覚受容体が存在することが示されました。 男性と女性の痛みの感じ方が違うことは経験的に知られていましたが、受容体レベルの差がみつかったのは大きな発見と言えるでしょう。 研究内容の詳細は2024年6月3日に『Brain』にて「痛覚受容器は機能的に男性か女性か:マウスからサル、そして人間まで(Nociceptors are functionally male or female: from mouse to monkey to man)」とのタイトルで発表されました。
1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故により、周辺地域には放射性物質がまき散らされました。 そして、現在のウクライナとベラルーシにまたがる原発から半径30kmの区域が「チェルノブイリ立入禁止区域」となりました。 今もなお、人間の立ち入りは制限されていますが、この区域を徘徊するオオカミたちにはある特別な変化が生じているようです。 アメリカのプリンストン大学(Princeton University)に所属する進化生物学者のカーラ・ラブ氏によると、チェルノブイリ立入禁止区域のオオカミたちには、がんに関連した遺伝子的変異が生じているというのです。 オオカミたちは毎日、人間における法的安全限界の6倍に当たる放射線を受け続けているにも関わらず、その影響に対して驚異的な回復力を示していたのです。 この新しい研究は、2024年1月にワシントン州で開かれた生物学に関する年次総会「Society for
この夏、海水浴を楽しんだり、プールで泳いだりしたかもしれません。 もしくは仕事でたまった疲れを癒すために、温泉に浸かったでしょうか。 いずれにしても、長時間水の中にいたのであれば、自分の指がシワシワになったのを目にしたはずです。 これは私たちにとって当たり前の現象ですが、どうしてシワがよるのか知っている人は多くありません。 アメリカ・ニューヨーク州立大学ビンガムトン校(Binghamton University)の生物医工学者であるガイ・ジャーマン氏は、長時間水に浸かると指がシワシワになる理由を解説しています。 Why do fingers get wrinkly after a long bath or swim? A biomedical engineer explains https://theconversation.com/why-do-fingers-get-wrinkly-a
重い毛布に快眠を促す効果があることはすでに知られています。 そんな中、スウェーデン・ハルムスタード大学(Halmstad University)の研究で、ADHD(注意欠如・多動症)の子供は重い毛布で寝ることで睡眠の質を改善できることが明らかになりました。 ADHDでは入眠までの時間が長かったり、夜中に何度も目覚めることで、睡眠の質が低下しやすくなります。 それによって、うつ病や不安症を併発するケースも少なくありません。 本研究は子供を対象としたものですが、以前には大人でも同様の報告がなされているため、ADHD傾向のある人は重い毛布を使うと熟睡できるかもしれません。 研究の詳細は、2023年7月15日付で学術誌『Journal of Sleep Research』に掲載されています。 The efficacy of weighted blankets for sleep in childr
淡水生のサワガニはかつて、海流にのって新天地に移動する大冒険をしていたようです。 信州大学は新たな研究で、日本固有種であるサワガニの祖先が琉球列島などの南西地域に起源し、そこから陸を伝って北方へ拡散した証拠を発見。 その中で陸路分散だけでは説明できないグループを発見し、それらが「黒潮」にのって海を渡った可能性が支持されました。 しかし、サワガニといえば一生を淡水で過ごす生き物です。 この説が正しいとして、海水に耐えられる能力はあるのでしょうか? 研究の詳細は、2023年9月6日付で科学雑誌『Zoology』に掲載されています。 生涯を渓流で過ごすサワガニなのに,「海流分散」の歴史あり! 陸・海の2つのルートで分布拡大,そして新天地での2次的接触 複数の未記載種(新種)を新たに発見! https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/science/research/r
量子の世界では時間も自由になるようです。 米国のニューヨーク市立大学(CUNY)で行われた研究では、時間を操作することで光子を正面衝突させることに成功しました。 質量をもたない光子(電磁波)は通常ならば衝突せずお互いに通り抜けてしまいます。 しかし新たな研究では時間的界面を人工的に生成する時間反射技術が使われており、時間反射した光子を別の光子と正面衝突させて、くっつけたり反発して逆方向に弾き飛ばすことにも成功しました。 研究者たちは、ボール同士の衝突が空間的に起こる一方で、光子と光子の衝突は時間的な側面で発生すると述べています。 光と光が衝突するとき、いったい何が起こるのでしょうか? 研究内容の詳細は2023年8月14日に『Nature Physics』にて掲載されました。
日本も例外ではないようです。 米国のコロラド大学ボルダー校(CU-Boulder)で行われた研究によって、世界各地に存在する1972個の主要な湖を30年に渡り観測したところ、全体の53%にあたる湖において水量が減少していることが示されました。 また水量が減少した湖は乾燥地帯や人口過密地帯だけでなく雨が多い湿潤な地域や寒冷な高緯度地域でも起きていました。 これまでアラル海やカスピ海、死海などで水量が減少している様子がたびたび報告されていましたが、今回の研究により「湖の水量減少」は全地球レベルで起こっている現象であることが示されました。 このままのペースで乾燥化が続いた場合、地球全域で水を求める争いが激化する可能性があります。 なぜ陸地の水は失われつつあるのでしょうか? 研究内容の詳細は2023年5月18日に『Science』にて公開されました。
広大な海には多種多様な海洋生物が生息していますが、人間のゴミによって汚染されています。 特に、サンゴ礁周辺の生物は水質の変化に敏感なため、深刻な被害を受けています。 そこでドイツのマックスプランク・知能システム研究所(Max Planck Institute for Intelligent Systems)に所属するティアンルー・ワン氏ら研究チームは、海底のゴミを回収できるクラゲロボット「Jellyfish-Bot」を開発しました。 このロボットはエネルギー効率が高く、ほぼ無音で泳げるため、海洋生物を刺激せずに海を浄化できます。 研究の詳細は、2023年4月12日付の科学誌『Science Advances』に掲載されました。 Jellyfish-like robots could one day clean up the world’s oceans https://is.mpg.de/
ある豪華客船が航海の途中に沈没し始めました。 船長は乗客たちを速やかに海に飛び込ませて、船から脱出させなければなりません。 そこで船長はそれぞれの外国人客にこう言いました。 アメリカ人には「飛び込めばあなたは英雄ですよ」 イギリス人には「紳士はこういうとき海に飛び込むものです」 ドイツ人には「船の規則なので飛び込んでください」 イタリア人には「さきほど美女が海に飛び込みましたよ」 フランス人には「決して飛び込まないでください」 そして日本人には「もうみんな海に飛び込みましたよ」 これは国民性の違いをネタにした有名なエスニックジョークです。しかし、これはジョークといえ、けっこう的を射ているなと感じた人は多いでしょう。 千葉大学は今回、このジョークに基づいた日本人の心理研究を発表しました。 それによると、日本人は自然災害時の避難指示に「もうみんな避難していますよ!」という情報を含めることで、避
このほど、中国で1歳の女児の頭蓋内から胎児が摘出されていたことが明らかになりました。 中国・復旦大学病院によると、女児は頭部の肥大症と運動能力の発達に遅れが見られたため、両親に連れられて同病院を訪れたという。 医師チームは当初、頭部に単純な腫瘍があると判断してCT(コンピューター断層撮影)スキャンを行いましたが、驚くことに、女児の脳を圧迫する形で頭蓋内に「未発達の胎児の塊」が発見されたのです。 この胎児は、一卵性双生児として生まれてくるはずだった女児の片割れと見られています。 研究の詳細は、2022年12月12日付で学術誌『Neurology』に掲載されました。 In extremely rare case, doctors remove fetus from brain of 1-year-old https://www.livescience.com/in-extremely-rare
実際の見え方をゲームに反映することで没入度がアップ?コンピューターグラフィックスでは、平面上に3次元空間を表現する際、主に「線遠近法(透視図法)」という手法に頼ります。 線遠近法は、あらゆる遠近法の中で最も科学的に体系化された空間表現法の一つです。 例えば、下の画像のように、遠方の水平線(HL)に向けて真っすぐ延びる一本道の両側の輪郭線(AとA’)を、水平線上の一点(消失点VP)に向けて収束させるように描く手法が線遠近法です。 これはイタリアのルネサンス期に技法が確立されました。 透視図法(線遠近法) / Credit: MAU 造形ファイル「しかし、人間の視覚は実際にはそのように機能していない」と研究主任のロバート・ペペレル(Robert Pepperell)氏は指摘します。 ペペレル氏によると、私たちの両目は湾曲した網膜に光を投射しており、その視野はカメラやコンピューターの画面よりはる
愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。 以前はKAIN名義で記事投稿をしていましたが、現在はナゾロジーのディレクションも担当することに。大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。 Which of these cards would YOU pick? Magic trick study reveals two-thirds of us choose exactly the same card – see if you could foil a magician https://www.dailymail.co.u
おしっこの飛び散りを「50分の1」にする新型小便器が開発!尿の飛び散り問題は永遠に解消されないのか? / Credit:Canva . ナゾロジー編集部小便器を使ったことがある人ならば誰でも1度は、尿の飛び散りを経験したことがあるでしょう。 尿の発射スピードが早かったり命中場所が悪かったりした場合には特に悲劇であり、尿が便器の外に跳ね返って、ズボンや床を汚してしまうことがあります。 この不快な尿の跳ね返り問題は、人類が小便器を使うようになってから延々と続いており、現在に至るまで解決には至っていません。 そこで今回、ウォータールー大学の研究者たちは、人類の宿願となっている尿の跳ね返り防止を実現するために、新型小便器を開発することにしました。 開発にあたってはまず、剛体に液体が衝突した際に生成される飛沫の量を計測し、最も飛沫量が少なくなる衝突角度の探索が行われました。 その鍵となったのは、オス
ドライアイ防止につながる酵素を特定ドライアイ防止につながる酵素を特定 / Credit:北海道大学 . 涙に含まれる長いアルコールがドライアイを防止 ~ドライアイ治療薬開発へ期待~意外かもしれませんが、涙には多くの油分が含まれています。 涙が水分を含んでいるのは間違いありませんが、目の上に張られている涙の最上部は水分の蒸発を防ぐ油分(脂質)で覆われています。 そのためドライアイは水分そのものの不足だけでなく、油分の不足によっても起こるのです。 実際、市販されているドライアイ専用の目薬には涙の水分部分を補うだけでなく「ごま油」など油分を補う脂質成分が含まれています。 涙に含まれる油分は多数に及びますが、多くは内部に「長いアルコール分子」を持っています。 といっても「お酒」とは関係ありません。 少しややこしいのですが、化学では一般に酸素と水素のくっついた「OH基」を含む分子のことを総じてアルコ
現在、メキシコ生まれの10歳の少女に注目が集まっています。 彼女はIQ162の天才少女であり、「アインシュタインやホーキングよりも知能が高い」と言われています。 既に2つの大学で学位を取得しており、将来の活躍が期待されます。 10-Year-Old Girl Has A Higher IQ Than Einstein and Hawking https://interestingengineering.com/10-year-old-girl-has-a-higher-iq-than-einstein-and-hawking Sueña con NASA: Niña genio mexicana visita Tijuana https://www.telemundo20.com/noticias/local/adhara-perez-sanchez-nasa-nina-genio-aut
原子力発電所や火力発電所に頼らず、自然エネルギーを利用した発電所を増やそうという動きが世界中で進められています。 その1つが風力発電施設ですが、鳥が激突する事故が起きるという問題があります。 長期的に考えた場合、野生動物へのリスクはできるかぎり避けたいというのは、多くの人が望むことでしょう。 この問題については、これまで風力発電機の配置を変えてみるとか、紫外線を照射して鳥を追い払うなどの対策が試されてきました。 しかし7月26日付けで科学雑誌「Ecology and Evolution」に掲載された研究は、鳥の衝突事故を非常に簡単な方法で劇的に減らすことができると報告しました。 その方法とは、回転する風力発電機の羽の1枚を黒く塗るだけなのです。
「不治の病」というイメージのあるエイズ(AIDS:後天性免疫不全症候群)を完全に駆逐できる「超免疫」ともいえる体質を持った人間の存在が明らかになりました。 8月26日に学術雑誌「Nature」に掲載された研究によれば、この奇跡の患者はエイズを完全に自力で自然治癒させていたとのこと。 治癒後、患者の体にはまともに動くエイズ遺伝子は存在せず、わずかに残った遺伝的痕跡すらも消えかけていたのです。 エイズはヒトの免疫を低下させますが、この奇跡の患者は、エイズウイルス(HIV:ヒト免疫不全ウイルス)の「人の免疫を低下させる機能」すら、超免疫で撃破していたことになります。 今回の研究ではこの世界初のケースを報告すると共に、奇跡のメカニズムの解明も試みられました。 いったいどんな仕組みがエイズウイルスを完封していたのでしょうか?
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