昆虫をおぞましい、とする日本の風潮は、世界的に見るとあまりない部類に入ります。他の国々では、その存在に比較的寛容であり、ゴキブリなどのおぞましい種類でない限りは、家に虫がいることをさほど不思議とは思いません。 虫が住み着く、ということは、その家が「生物全般にとって住みやすい」ことを示すものであり、それゆえに、北欧諸国などでは、虫を家の守護神と見なし、虫がいないときはわざわざゴキブリなどを「プレゼント」することもあるそうです(すべてがそうである、というわけではありません)。 昆虫食についても、日本人よりもずっと抵抗がなく、外国にはいくつもの「ゲテモノ食い」サイトがあり、高い人気を博しています。 虫を毛嫌いする理由に、「不潔であること」を挙げる人は多いですが、伝染病の流行った明治大正までならいざ知らず、今ではその汚れ具合は「洗わない手」とさほど変わるものではないと言えます。 昭和40年