「品質部門が褒められることはない。不良率が下がれば設計開発・製造部門が褒められ、不良率が上がれば品質部門が責められる」─。三菱電機の一連の品質不正に関する調査報告書が2021年10月1日に公開された。社外有識者による調査委員会が実施したヒアリング調査の結果には、品質部門で働く従業員の悲哀がにじんでいた。(中山 力) 2021年、品質不正の発覚が相次いだ三菱電機。7月には社長の杉山武史氏が、10月には会長の柵山正樹氏が引責辞任する異例の事態に陥った(表)。現在も外部の専門家で構成する調査委員会による品質不正の原因究明が続けられている。