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ブックマーク / medt00lz.s59.xrea.com (18)

  • 平均と累積との隔たりが主流派の場所を見失わせる - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 累積するランダムウォーク 飲み屋さんから酔っ払いが出て来て歩きだす 酔っているからどちらにむかって歩くか分からないし、いきなり Uターンをはじめることもある 酔っ払いは疲れを知らないから、朝になるまで無限に歩き続ける 100万人の酔っ払いを道路に放して、たとえば朝になったときのみんなの位置を平均すると、 たぶん飲み屋さんの位置からほとんど動かない。酔っ払い一人一人の位置はバラバラだけれど、 その数が増えれば増えるほど、平均の位置は原点に近くなる。 ところが、一人の酔っ払いに100万人分歩いてもらうと、その酔っ払いが最後に立っている位置は、 元の飲み屋さんとはかけ離れた場所になってしまう。 プラスとマイナス。平均すると「ゼロ」に収束する変化であ

    j708
    j708 2007/01/25
  • 皮下注射を用いた維持輸液 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 点滴ラインがとれない高齢者とか、認知症がひどくてすぐにラインを抜いてしまう患者さんなどに 輸液を行う、もうひとつのやりかた。 歴史 皮下に大量の輸液を行うことは100年来行われているらしい。 1950年代、高張液を輸液したり、あるいは大量の低張液を輸液した際に血圧低下などの トラブルが報告されてから下火になったが、最近になってみなおされるようになった。 急速輸液はできず、また使える輸液性剤は限られるものの、皮下注射は穿刺部位を選ばず、 簡便で、低コストな輸液方法として、緩和ケアやナーシングホームの現場で広まっているという。 利点と欠点 利点 安価 末梢静脈輸液に比べておおむね快適 肺水腫や輸液過剰を起こしにくい 穿刺が簡単で、静脈輸液に比べて

  • よいものと残るもの - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 引越しをきっかけに、部屋を占領していた書類やの山を半分近く処分したときに 考えたこと。 ネット以前 学生の頃に愛用していたのは、袋ファイルと製機。 パソコンはまだ普及してなくて、部屋の壁は全部棚。 机2つと、業務用のコピー機と製機が家財道具の全て。 いちいちを開くのは非効率。調べ物をしたり、何かを書いたりするときは、 必要な部分だけをコピーする。角をホチキスで止めただけの紙の束と、 背表紙をつけて製した資料とでは、生産性が全然ちがう。 大事な資料は製して保管して、そうでもないのは袋ファイルにインデックスをつけて保管して。 就職してから何回も引越しを重ねたけれど、資料の山はずっと一緒についてきた。 ダイアルアップ時代 インターネッ

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    j708 2006/12/27
  • 老人医療の話題とか - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 老人医療というのは、乾いたぞうきんを絞る世界になっていて、 一230円の費を何とかして220円に絞れるよう、 栄養士さんが頭を抱えて苦しむ状況。 介護保険の範囲で医療行為をやろうものならすぐ赤字。 まともなケアなんかできない。 元気の無い高齢者は、手間ばかりかかって利益がでない。 元気があって、ついでにお金を持っている人相手にはいくらでも 豪華な施設が覇を競っているけれど、そういうところに入れる人はごく一部。 そうでない人を相手にしようと思ったら、人員を限界まで削って、 ケアの質を「死なない程度」まで限界まで落として、少ない予算で やりくりする。民間の力を導入するというのは、 要するにそういうこと。 老健では、点滴一でも施設の持ち出し。

  • 経済と心理 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります トラックバックをいただいた記事について。 経済学畑の人というのは、心理というものの影響をどのぐらいに査定しているんだろうか? 過去に起きた出来事の説明なら、たぶん心理はおり込み済み。 その時の人間がどう考えようと、その結果は全て経済活動に現れてくるから、 数字だけを追っかける経済学の結論の中には、きっと人間の心理が考慮に入ってる。 ところが、起きてしまったことを説明するには経済学の手法は有効であっても、 それを用いて未来を説明しきることはできるんだろうか? 「見た目」はけっこう大事 人間の心理というものは、刻一刻と変化する。 時代の要請があって、何かすばらしい経済政策が出来上がったとして、 それを発表する役人の見た目が「悪役」だったとしたら、

  • 「話が見える」ためには記憶の想起が必要な件 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 話が見えない理由 「先生、403号室の○○さんの検査のことなんですが…」 病棟からのPHS が鳴って、その「○○さん」の件が全く分からなくて、 「話が見えません」と聞き返すことしばしば。 その患者さんの主治医は自分。検査をオーダーしたのは、もちろん主治医。でも「見えない」。 なんでなんだろうと思っていたら、「記憶の想起」のしかたというのが、 職種ごとに違うためなんだと気がついた。 医師は、患者さんを経過で記憶するから、「病名」と「今までの出来事」で想起する 看護師さんは病棟の住人だから、患者さんを「名前」と「部屋番号」で想起する 医師は人につくけれど、看護職の人は場所につく。 時間軸を重んじる歴史的な理解のしかたと、属性や部屋番号のような地理

  • 風の谷大学付属病院 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 宮崎アニメの台詞いろいろ。 2ちゃんねるプログラマー板「天空のプログラマ」より改変引用。 天空の研修医 読める!私にも部長の文字が読めるぞ! ―――――――――――――――――――――――― パズー(研修医): 「おばさん!」 ドーラ婦長: 「婦長とお呼びっ!」 ―――――――――――――――――――――――― 病院長、見て!療養病棟の底が抜ける・・!! ―――――――――――――――――――――――― パズー「教授、ぼくも医局の仲間に加えてくれ。大学病院を助けたいんだ」 ドーラ教授「いいのかい、二度とカタギの生活には戻れないよ」 ―――――――――――――――――――――――― 機関長:「受け持ち患者さんが燃えちゃうよ!」 ド

  • 社会の自然治癒力 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 万象すべからく数理上に在り 正しい理論を重ねた先には、正しい結果が待っている。 「打ち上げの全ては方程式で導き出せる」 「飛ばなくなる要素を付け加えない限り、絶対に成功する」 漫画「なつのロケット」で、液体燃料ロケットを選択した主人公達は、こんな宣言をした。 これは従来からの科学理論。 物理化学や数学、工学やコンピューター科学あたりまでは、たぶん科学というのは 決定論的な性格を持つ。正しいことをやれば正しい結果にたどりつくし、 間違った要素が入れば、失敗する。 医学も一応科学。でも、「正しい結果」にたどりつくための道筋は、他の分野とは大分異なる。 正しいことを積み重ねても、それが正しい結果にたどりつくとは限らない 適当にやっても、案外正しい

  • 「サイレントマジョリティーの声」の実装案 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 反響をもらえるのはごく一部 いろいろな文章を書いていても、反響をもらえるのは一部。 自分の議論展開というのが、当に賛同を受けているのか、あるいは単なるトンデモとして 笑われているのか? 今はもう開き直っているけれど、こういうものを書きはじめた頃は怖かった。 掲示板を作って、コメント欄を作って、ブックマークへのリンクをはって。 いろいろな筆者-読者間のコミュニケーションチャンネルを作っても、 実際にそれを利用してくれるのはごく一部。 blog の表ページを見に来てくれる読者の人が、だいたい1日 2000人ぐらい。 実際に反響をもらったり、ブックマークを張ってくれる人というのが、そのうち40人ぐらい。 これでもこの1年ぐらいで、「声」は画期的に

  • 陰謀論の怪物 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 怪物不在の陰謀論 「Web2.0が殺すもの」というを読んだ。 最近流行のWeb 2.0 とは、google や梅田某をはじめとする一部の人々の陰謀であり、 みんな彼らに踊らされ、搾取されている こんな内容。陰謀論は昔から大好きだし、作者の論理も分かりやすくて、 ごまかしも少ないような気がしたけれど、陰謀論特有の「やっぱりそうだったのか!!」 という感激はなかった。 国際ジャーナリスト、落合信彦氏のドキュメント「20世紀最後の真実」 を貫く論理もまた、陰謀論。 これは、ナチス残党が今でも潜伏する証拠をつきとめた落合氏が、彼らの姿を求めて 単身アルゼンチンの危険地帯に潜入、ナチス残党との接触に成功して、 南極にあるUFO の秘密基地の存在を明ら

  • レジデント初期研修用資料: 自由のためのパターン化

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 同じ動作を繰り返して、自分がだんだんと頭を使わなく なってきているという危機感を感じたならば、たぶんその「学び」というのはうまくいっている。 パターン化した動作は、動作が意識に上ることがなくなるから、頭を使わない。 頭を使わないことは、決して悪いことではない。 エチオピアのマラソンランナー、「裸足の英雄」アベベは、 土人だから裸足で走ったわけではなく、 ローマオリンピックの競技コースを下見して、それを踏破するのに 最適なのが裸足であると見抜けたからこそ、裸足で走ることを選択したのだそうだ。 東京オリンピックの時は、アベベもを履いて走ったらしい。 アベベは走るということに熟練していて、戦略を変化させることを恐れなかったから、 裸足で走るとい

  • お受験 2.0 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 前提条件として以下のことを想定した場合の、新しい入学試験形態の提案。 格差社会という現象が今後も続く 「勝ち組み」といわれた人も、先のことが全然読めない状態は続く 少子化は進み、大手学校法人でも、生徒を集めるのに苦労するようになる こんな前提が続くのならば、「入学希望者を試験で選抜する」という従来の制度を止めて、 「受験を人にやらせるのではなく、その子供の推薦人を試験で選抜する」という 試験制度を提案する大手私学が出てくるんじゃないか、という話。 高校生のころ 通っていたのは結構有名な私学。総生徒数 8000名を数える、マンモス校なんて言葉を通り越した、 ひとつの町みたいな学校。 朝夕の国旗掲揚なんていう習慣があって、世間からは保守的な学長

  • 病状説明のやりかた - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 夜間によく来るめまい発作の患者さんで、プラセボに依存している人がいる。 気分が悪い、動けないといいながら、スタスタ歩いて外来に来る。 生理塩水を筋注すると、症状はすぐにおさまる。 時々、眼振を伴った当のめまい発作をおこすことがあって、そういうときには治療の手段を 変える必要があるのだけれど、人は「筋注してほしい」の一点張り。 他の治療薬とか、内服薬などを勧めても、「それは効かないから嫌だ」と拒絶。 生注射したって、治るわけないのに。 この患者さんの当の訴えは、「めまいを治してほしい」ではなくて、 寂しいとか、話を聞いてほしいとか、たぶんそういうもの。 ところが、病院には、薬だけは売るほどあっても、時間は全然ないから、 症状に

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    j708 2006/09/09
  • 物語創造の文法 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 物語だけじゃなくて、たぶん現実も。 何もないところから全く新しい文章を書くのは難しいから、 何かを書くときは、過去に他の人が書いたものを参考にする。 一つの文章というのは、書くきっかけになる「発想」の部分と、 その文章で作者がいいたかった「結論」からなる。 発想も結論も同じ文章というのは、単なるパクりになってしまうから、 そこは工夫して新しく見せる。「工夫」のしかたというのは、 だいたい以下のようなパターンに分類できる。 演繹 :発想を借りてきて、そこから結論を変える 帰納 :結論は同じでも、そこに至る道筋や、書くきっかけになったイベントを変える 補間 :全く別の分野から発想と結論をもらってきて、その間を自分の知識で埋める 生成 :新しいモデ

  • 正直さと即興性 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 料理人や大工仕事、手術や心カテに至るまで、様々な職人仕事には、 「正直さ」に優れた人と、「即興性」に優れた人とが存在する。 菓子職人の正直さ たとえば、同じ料理人であっても、菓子職人の凄さと、出張料理人の凄さとでは 意味あいが異なるんじゃないかと思う。 NHK の番組に出ていた 菓子職人、杉野英実氏がフランスの菓子工房に弟子入りした際、 もっとも驚いたことが「当たり前のことしかしていなかったこと」だったという。 素材を一つ一つ検品すること、お菓子の焼き時間を秒単位で守ること、 お菓子に染み込ませるお酒の量をグラム単位で守ること、 隠し味に使うショウガを2ミリに切りそろえること。言葉にすると、どれもあたり前のこと。 しかし、毎日数百ものお菓子

  • 性善説と性悪説 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 7月から、療養病棟の保険点数算出方法が大幅に変わった。 今までは出来高払いの延長。節約してやりくりすれば、たいていの医療行為は 何とかなった。 7月からは、ルールが大幅に変わった。 やったことを問わず、1ヶ月に国から支給されるお金は同額。検査を乱発するダメ医者は損をするルールになった 患者さんの重症度に応じて、医療区分1から3まで(1が一番軽い)のランクがついた。軽症の患者さんを 長く入院させている悪徳病院は、黒字が減ることになった 厚生省の考えている「勝利プラン」というのは、たぶんこういうことだ。 黒字を増やすには、医療区分で2~3の重症の患者さんを多く入院させて、 より頭のいい検査プランを立てて、 最小限の検査で治療効果を発揮できる医者を

  • 人が最後に帰る場所 - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 日常が失われる恐怖 その人にとっての故郷というのは、たぶん介護士さんの顔と声だった。 老人病棟の患者さんは、毎日叫ぶ。ひたすら怖がって、 何やっても叫ぶ。 その人は、前の施設ではおとなしかったらしい。 会話は全くできないけれど。 誤嚥性肺炎を発症して紹介入院。抗生剤で簡単に軽快。 例によって老健はどこも満床で、一度退所したらそう簡単には入れない。 これもまたお約束で、家族の方は在宅での介護を拒否。 行き場がないから、当院にて長期入院。 元気になったらもう叫ぶ叫ぶ。 事をしようがマッサージをしようが、手足を振り回して全部拒否。 ご家族の「できるだけのことを」の言葉は、ときに人に地獄を見せる。 人にとっては、病院という場所は全くの異世界。

  • レジデント初期研修用資料: 「理想の世界」の像

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 植物園の温室みたいな、木が茂る廊下を抜けて、光にあふれる道を歩いて。 その先の角を右に曲がると、自分が一番くつろげる世界があるということを何故か知っていて、 その角を曲がってみると…南4階病棟の入り口だった。 「やべ、バイトすっぽかした!!」とその日が外勤日に当たっていたことを思い出して焦ったけれど、 考えてみれば今そのバイト先に勤めているんだ…ということを思い出したところで、夢から覚めた。 以前の病棟では、廊下を左に曲がると病棟だった。夢の中では、左右逆。 昔の勤務先がそんなに懐かしかったのか、それともその逆か。 夢の中なのに世界というものは小さくて、たかだか50床も無いような 病棟こそが、自分が志向する黄金郷だったというのはちょっと寂しか

    j708
    j708 2006/05/24
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