さて、次回は、同人音楽を含むもっと大きく「音楽」の問題について、ポピュラー音楽研究の日高良祐さんにバトンタッチしてうかがいます。新世紀の音楽たちへ 第5回「ゲーム音楽が、同人音楽と民族音楽を繋いだ」 前回の記事で安倉儀たたたさんからバトンタッチした日高良祐です。 ここまで連載「新世紀の音楽たちへ」では、同人音楽について考えることの意義や、同人音楽に際立ってみられるいくつかの特徴(DTM、アレンジ、民族音楽、ゲーム音楽)について、豊富な事例とともに安倉儀たたたさんから紹介してもらいました。 少しずつ各論に焦点を絞っていったこれまでの流れとはちょっと毛色を変えて、今回はぼくなりの興味関心から、あらためて同人音楽全体のカタチについて考えてみたいと思います。 ぼくは日本のメディア文化について研究しているのですが、とくにネット上での音楽の「流通」に関心を向けてきました。たとえば2010年頃からのネッ
同人音楽の中の民族音楽 同人音楽を様々な観点からめぐる連載「新世紀の音楽たちへ」。 https://premium.kai-you.net/article/254 今回は「民族音… ゲーム音楽について触れていきます。待ってました! という声も聞こえそうだし、なんじゃそりゃ、の声も聞こえそうな気がします。みなさまはどちらでしょうか。というかいままでですます体でしたでしょうか。ごきげんようお姉さま。 さて、同人音楽サークルの中には「民族音楽系」を名乗りつつ、ゲーム音楽からも影響を受けたことを公言しているサークルさんも少なくありません。 「ゲーム音楽」と「民族音楽」と「同人音楽」。ここにはいろいろなつながりがありそうです。今回はそこらへんを少しだけ掘り返してみようかなと思っております。 「ゲーム音楽とはなにか」というテーマは以前から多くの議論が様々な人たちによって繰り広げられています。でも今回は
アレンジカルチャーの可能性、群れとしての同人音楽 今回から、同人音楽の「音楽」について書いていこう。 同人音楽の「同人」部分、文化としての同人音楽やその根幹を成す「DTM… 今回は「民族音楽」について。実は、同人音楽と民族音楽には少しユニークなつながりがある。 ニコニコ動画やYouTubeの音楽関連のタグで、よく「民族音楽」という言葉を見かける。音楽系即売会・M3のカタログにも毎回一定の数、民族音楽のサークルが登場する。 でも、これってよくよく考えてみると不思議なことじゃないだろうか。 民族音楽。 別に特殊な言葉じゃない。ニコニコ動画で「民族音楽」というタグを検索して見ればたくさんの動画がでてくる。2ちゃんねるのスレッドなどでもよく使われているようだ。 それどころか、「民族音楽+電子音楽の楽曲を教えろください!」なんていうような質問も見かけたりする。 同人音楽即売会や、音楽サークルのホーム
夏冬のコミックマーケット、ボカロ音楽を専門に扱う「THE VOC@LOiD M@STER」、つい先日の10月26日に開催された「M3」など、昨今では音楽クリエイターがCDを手売りできるイベントが定期的に開催されている。そんな流れの中で11月28〜30日、今度はインターネット上を会場にした音楽即売会の「APOLLO」という新しい試みが実施される。 イラスト投稿サイトの雄「pixiv」と、コミケやM3などのイベントごとに全参加サークルの試聴動画をまとめてきたサイト「同人音楽超まとめ」がコラボ。pixivのネットショップ作成サービス「BOOTH」を利用し、さまざまなバーチャルブースを巡って視聴しながら好みの曲を探して、CDやデジタルデータを買えるという内容になる。 どういった経緯で、このサービスの企画が始まったのか? オンラインでの同人イベントに勝機はあるのか? 同人音楽超まとめのAnitaSu
今回から、同人音楽の「音楽」について書いていこう。 同人音楽の「同人」部分、文化としての同人音楽やその根幹を成す「DTM」(デスクトップ・ミュージック)についてはこれまでに述べてきた。 DTMが同人にもたらした変化 電子音楽の“思想“を紐解く 同人音楽文化を花開かせた立役者「DTM(デスクトップ・ミュージック)」が、「同人音楽」の何を変えたのか。 https://premiu… 普通のCDショップなどで容易に手に入れられない同人音楽の「音楽」に手を伸ばすために、今回は「アレンジ楽曲」にフォーカスをあててみることにする。 そもそも「アレンジ楽曲」って何を指すのだろうか。 いろんな人が言うように(この連載でも何度か紹介した井手口さんの本でも言及されている)同人音楽における「アレンジ楽曲」の数の多さや幅の広さは他の音楽文化にはそうそう見られない現象で、まさに特筆に値する。 商業における様々なトリ
BOOTH(ブース)とは、pixivと連携した、創作物の総合マーケットです。無料で簡単にショップを作成でき、商品の保管・発送代行サービスも提供しています!
なぜDTMなのか。 それは、DTMが同人音楽の様々な文化、そして多様な楽曲ジャンルを“またいで利用される”システムだからだ。同人音楽ではこうした制度・技術の発展の仕方が、他の音楽文化と大きく異なっていて面白い、ということは前回にちょっと述べたのだが、その片鱗を端的に見てもらえるテーマが「DTM」だ。 例えば、「即売会で音楽を売る」というあり方はちょっと珍しい(ウィーン・フィルハーモニーがコミケで新譜を出したりはしないだろう)。インターネットを使った作品の制作や協働だって、商業ではほとんどあり得ない。これだけとってみても同人音楽はいわゆる伝統的な音楽とは少し異なった文化を歩んでいるらしい、といっていい。 同人音楽において、こうした音楽のあり方を約束してくれたのがDTMなのだ。 DTMの進化はめざましく、現在ではプロユース仕様のスタジオに迫りうるほどの性能があるとされている。ハード・ソフトの改
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この連載では、同人音楽をはじめとする、広くは知られていないけれど、もしかしたらすごく新しいかもしれない音楽実践を紹介していきたい。 ここでは一般に広まっている同人(音楽)に関する「誤解」を解くこともするだろうし、サークルや人の「オススメ」もするだろう。少しむつかしい話もするかもしれない(なるべくしないようにがんばる)し、ちょっとマニアックなことも書くかもしれない。 けれども、同人音楽という実践を通して「音楽とその周辺」について考えていくことや、同人音楽という世界があることを知っていることは、価値がないことではないはずだ。同人音楽には、音楽においてありうる未来が──ほんの少しであっても──示されていると思うし、それを知ってもらい、同人音楽のよいファンになってくれる人がでたら、それはとてもよいことだ、とも信じている。 同人音楽は、経済規模としても作品の流通数においても確かにそれほど大きなカルチ
僕が子供の頃、オリコンは神様だった。 毎週、ランキングの上から下まで、最低でも5位、できれば15位以内までは暗記してから学校にいった。僕はそれほど音楽に興味がない子供だったから「話題づくり」のためだけにCDを買ったり借りたりするのは苦痛でしかなかった(にも関わらず、音楽の話題は華麗に無視されることも多かった)。 いまオリコンの神話は壊れかけている。音楽はいま、ライブへ、iTunes Storeのランキングへ、クラブハウスへ、インターネットへと広がって、どこが最先端でどこが最後尾なのかさっぱりわからない。 かつては、大規模メジャーか、あるいはインディーズのレーベルでも、とにかく「デビュー」しなければ、音楽活動を公的な形で継続し続けることは難しかった(デビューした後も多くのアーティストは生活や活動に苦しんだ)だが、そうしなければリスナーに届かなかったのだ。 でも「ここ」は違う。インディーズでも
同人音楽CD特設サイトを一瞬で作ろう Tokusetsu 2は、同人音楽CDの特設サイトが簡単に作れる無料Tumblrテンプレート(テーマ)です。 HTMLの知識を必要とせず、フォームに情報を入力していくだけで特設サイトが作れます。 一瞬で完成 Tokusetsu 2 は、最速で特設サイトを作る方法です。あなたは画像を2種類用意するだけ。あとはフォームに必要な情報を入力していけば、あっという間に同人音楽CD特設サイトが作れます。 新しいデザイン Tokusetsu 1で好評だった「特設サイトが一瞬で作れる」コンセプトはそのままに、 完全に新しいデザインに作り直しました。同人音楽で活動しているみなさまのために設計した Tumblr テーマです。
Revoがコミケや「とらのあな」のような同人ショップでCDを頒布するようになったのは2001年以降のことだ。90年代末からゼロ年代初頭というこの時代は、従来から知られていたマンガ同人誌だけでなく、かねてよりのITブームで個人でも安価で作れるようになっていたゲームや音楽CDなどの発表場所として、同人シーンが飛躍的に拡大していた。だからこの時期にRevoが同人市場へ足を踏み入れたことは、全く不思議なことではない。 彼がスタートさせた「Sound Horizon」という一人ユニットは、最初期にはファンタジックな世界観、打ち込みを用いた音楽性、ユニット名を囁くサウンドロゴなど、様々な点でゲーム音楽のようだった。架空のロールプレイングゲームのサウンドトラックというコンセプトで作った作品なのだと言われたら、なるほどそうかと思ったかもしれない。だが音楽シーンに沿わせた言い方をすれば、これはたとえばドイツ
このドメインは お名前.com から取得されました。 お名前.com は GMOインターネットグループ(株) が運営する国内シェアNo.1のドメイン登録サービスです。 ※表示価格は、全て税込です。 ※サービス品質維持のため、一時的に対象となる料金へ一定割合の「サービス維持調整費」を加算させていただきます。 ※1 「国内シェア」は、ICANN(インターネットのドメイン名などの資源を管理する非営利団体)の公表数値をもとに集計。gTLDが集計の対象。 日本のドメイン登録業者(レジストラ)(「ICANNがレジストラとして認定した企業」一覧(InterNIC提供)内に「Japan」の記載があるもの)を対象。 レジストラ「GMO Internet Group, Inc. d/b/a Onamae.com」のシェア値を集計。 2023年5月時点の調査。
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