前 次 hellog〜英語史ブログ #3930. なぜギリシアとローマは続け書きを採用したか? (2)[alphabet][distinctiones][punctuation][reading][writing][latin][greek][literacy][word] 昨日の記事 ([2020-01-29-1]) に引き続き,なぜギリシアとローマが,それ以前の地中海世界で普通に行なわれていた分かち書き (distinctiones) を捨て,代わりに続け書き (scriptura continua) を作用したかという問題について. Saenger によれば,この問題に迫るには,読むという行為に対する現代的な発想を脇に置き,古代の読書習慣とその社会的文脈を理解する必要があるという.端的にいえば,現代人はみな黙読や速読に慣れており,何よりも「読みやすさ」を重視するが,古代ギリシアやロー
暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて: ル=グウィンのエッセイ 作者:アーシュラ・K・ル=グウィン出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2020/01/25メディア: 単行本ル・グインは何をおいても『闇の左手』や『ゲド戦記』の、類まれなSF作家・ファンタジィ作家であるが、僕は彼女が書いたエッセイや評論も大好きだ。詩的でメタファーに満ち、それでいて明快だ。本書に収められているエッセイも、2010年以降の、80代という老境に入ってからの文章にも関わらず相変わらず鋭く、力強い。 本書は2010年から始めていたブログの記事41篇をテーマごとに沿って並び替え、まとめたもので、2018年にこの世を去ったル・グインによる最後のエッセイ集になる。これまでのエッセイ集ではファンタジィやSF、フェミニズムなどテーマがはっきりとしていることが多かったが、本書は元がブログということで、飼っている猫に
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