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  • 人はひとつの球しか受けきれない - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    私がやっている仕事って、何の仕事なんだろう。 いや、別に懐疑的になっているとか、そういうわけじゃなく。 簡単に言えば「広告の仕事」とか「コミュニケーションの仕事」とか、そんな話で済んでしまうんだけどね。でもね、じゃあ「広告」とか「コミュニケーション」を仕事にするって、どういうことなの、みたいな、ね、質的に、それはどういうことを意味しているんだろうか、なんてね。 ちょっと角度を変えて、たとえばコピーライターなら、言葉を書く人だし、アートディレクターならアートをつくる人。でもね、言葉を書く人も、アートをつくる人もいっぱいいますよね。だったら、その、コピーライターなり、アートディレクターなりの専門性って何なの、みたいな。 クリエイティブディレクターっていう役職がありますよね。それは、単にクリエイティブチームの責任者とか偉い人とか、そういう意味合いだけでなくてね。 クリエイティブディレクターって

    人はひとつの球しか受けきれない - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2010/10/07
    「人はひとつの球しか受けきれない」という人間の心理的な条件のもとで、そのひとつの球をどうするかを考える仕事であるじつは、引き算にあるんです。
  • 時限爆弾と世代論 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    所謂、「大阪地方検察庁による郵便不正事件に絡む証拠改ざん事件」。 ずいぶん重苦しい事件が起きてしまったものだなあと思います。重苦しい事件は数多くありますが、この事件は、自分にかかわるいろいろな領域と重なる部分もあります。私は、普段、こうした事件に言及しないし、言及するほどの能力も情報も持っていないので、ブログにはあまり書かないでいましたが、今回は、この重苦しさの理由について書いてみようかな、と思いました。 ●    ● この事件、もともとは、広告業界にからむ事件でした。事件のあらましは、こう。Wikipediaの「障害者団体向け割引郵便制度悪用事件」を引用します。 障害者団体とされる「凛の会」(白山会に改称)や「健康フォーラム」が、2006年〜2008年ころ、大手家電量販会社、紳士服販売店、健康品通販会社などのダイレクトメールを障害者団体の発行物と装い、「低料第三種郵便」として低価格で違

    時限爆弾と世代論 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2010/09/24
    ひとつ間違えると表れてしまうグロテスクさでもあるからです
  • 「広告は性格の良い人がやるものではない」について考えてみました。: ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    リファラで気付いたのですが、Googleで「広告は性格の良い人がやるものではない」を検索すると、このブログの「「タイプ別性格判断」というものをやってみたのですが」という記事がトップに表示されるようです。ちなみに、当該エントリにはその答えは書かれていません。 それにしても、どういう事情でこんなワードで検索をしたんでしょうね。何か嫌なことでもあったのでしょうか。 若い広告クリエーターで、上司ができる人かつ性格が悪くて、その上司に自分の企画が通らなくて、そのうえ「君、広告向いてないんじゃないの?辞めれば?」みたいなことを言われて、「あのCDむかつく。性格最悪。だいたい広告なんて性格が悪くないとできないんじゃねえ?きっとそうだ。そうに違いない。」みたいなことなんでしょうかねえ。 ともあれ、「広告は性格の良い人がやるものではない」というフレーズは妙に気になります。どうなんでしょうね。そんな気もします

    「広告は性格の良い人がやるものではない」について考えてみました。: ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2010/06/28
    自分の美や価値観、もっと言えば、普遍的な美よりも、広告というものが上位概念に位置していて、あらゆる美は、広告にめいっぱい利用するものとしてありますたまたま広告に利用されるメリットが勝っていたというだけ
  • 「街」を考える。「街」として考える。 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    あじさいがいよいよ満開になってきました。あいかわらずへたくそな写真で失礼。Willcom03のカメラには「接写モード」がありましたので、思い出したように使ってみた次第です。ちなみに、このあじさいは私のものではありません。近所のおうちの駐車場に咲いているものです。わりと見事なあじさいなので、通る人が足を止めて眺めていきます。 ●    ● 考えてみると、街というものは不思議なもので、よく街並と言いますが、街並を構成するひとつひとつは、誰かの家だったりビルだっりして、その「誰かのもの」が集まって、互いにゆるやかに関係することで、ひとつの「街」という像をつくっているんですよね。 きっと、この「誰かのもの」が大事なんだと思います。「街」というものの、活気だったり、安らぎだったり、そんなこんなの「街」的ななんだかんだは、この「誰かのもの」が集まることでできている。そんな気がします。 逆に言えば、ぜん

    「街」を考える。「街」として考える。 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2010/06/24
    街並を構成するひとつひとつは、誰かの家だったりビルだっりして、その「誰かのもの」が集まって、互いにゆるやかに関係することで、ひとつの「街」という像をつくっているんですよね。
  • クリエイティブってなんだろう - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    学校を出て社会人になってから、ずっとクリエイティブと呼ばれる仕事をしてきました。私は美大を出ているわけでもないし、学生時代に、写真とか映画とか演劇とか、そんあクリエイティブな活動を続けてきたわけでもないし、見た目もかっこよくもないし、お洒落でもないし、牛丼とかきざみうどんとか好きだし、なじみのバーとかないし、ウィスキーの味もよくわからないし、お酒なんて楽しくしゃべれりゃいいし、魚民とかで平気だし、そんな私にとって、クリエイティブってなんだろう、みたいなことを、つらつらと書いてみようなんて思いました。 なぜ思ったのか、というと、新幹線に乗ってるからなんですよね。鞄を開くと、よりによってがない。でも、パソコンはある。まあ、そんなところです。 クリエイティブって言葉、ほんとはちょっとおこがましいですよね。日語に訳すと「創造的」とか「独創的」。クリエイターになると、一番目に出てくるのが「創造主

    クリエイティブってなんだろう - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2010/05/02
    「残りひとつのピースをピタッとはめて、パズルを完成させること。」
  • 交差点的 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    繁華街の交差点で信号が青になるのを待っている。まわりには様々な人。サラリーマン、学生、おっちゃん、おばちゃん、おじいさん、おばあさん。おしゃべりしている人もいれば、黙っている人もいる。家電量販店の店員さんがメガホンでセールを広告している。ティッシュを配っている人もいる。 私は、天下一品で昼飯をった後。胃に血液が集まって、ぼんやりとした頭の中で、ラーメンについて考える。 「それにしても、最近のラーメンってのは、変わり種ばっかりだよなあ。でも、普通のラーメンでは、今やビジネス的に成り立たないのかもなあ。差別化って何だろ。」 隣にいるサラリーマンの人は黙っている。でも、きっと彼も何かを考えているのだろう。彼から見ると、私もまた、黙っているただの人にすぎない。 「でもまあ、天下一品って、月に1回はべたくなるよなあ。」 そんなくだらないことをぼんやりと考える。隣のサラリーマンが、こっちを向く。少

    交差点的 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2010/04/19
    フォローというユーザーが自由に塩梅できる機能によって、コミュニケーションの場を自分好みに設定できるし、場が違えば、コミュニケーションのモードも当然違ってくるので、つまるところ、その楽しさは人それぞれと
  • ルールとモード - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    1950年代の音源を順を追って聴いていくと、ジャズの音楽理論が複雑化、高度化していく様が手に取るようにわかります。アドリブがより高度になり、スピードも上がっていきます。ハードバップの後期では、それこそ神業みたいな演奏を聴くことができます。 ●    ● ジャズのアドリブは、感性におもむくままに自由に演奏しているように思えてしまいますが、そこにはきちんとしたルールがあります。そのルールの元になったのは、コード進行です。あるコードに対して、使える音はこれこれこうで、その音は、これこれこう展開できる、というような理論があり、その理論に基づいて、自分なりのアドリブをつくっていきます。 ルールがあるから、ジャズは広がり発展していきました。ルールがあるということは、模倣できるということです。模倣できるからこそ、ジャズという音楽は広まり、より高度なルールの応用によって、ジャズは、これまで以上に多様で豊か

    ルールとモード - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2009/11/25
    ジャズを発展させたのはルールでした。ジャズの発展を止めたのもルールでした。ジャズの行き詰まりを打開したのは、新しいルールでもなく、ルールの書き換えでもなく、モードという考え方の転換でした。
  • バランス。あるいは、動きつづけるということ。 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    なぜ、いつもバランス論に行き着いてしまうのかな、ということを考えていて、もしかするとものごとを三つの項で考えるからなのかな、なんてことを思いました。三つの項で考える限り、そこには強烈な対立みたいなものは生まれにくく、最終的には、その三つの項のバランスを考えることになります。 例えば、こういう感じです。はじめに、二項の例。 プライベート ソーシャル この2の項は、対立関係にあるので、究極的にはそのどちらかを支持し、残る一方と敵対するということになります。それをバランスということもできるけど、加藤典洋さんの著書に「君と世界の戦いでは、世界に支援せよ」というのがありましたが、つまり、そのバランスには、そんな捻れ感があります。 けれども、ものごとを二項ではなく三項で整理すると、こうなります。用語としては、もしかすると同列にはならないかもしれませんが、ま、そのへんはご愛嬌で。 プライベート コミュニ

    バランス。あるいは、動きつづけるということ。 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2009/11/10
    三つの項で考える限り、そこには強烈な対立みたいなものは生まれにくく、最終的には、その三つの項のバランスを考えることになります。
  • こういう話を読むと、本能的に構えてしまうのはなぜだろう。 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    ネットでコピペされ続けている有名な話。ものすごい数のサイトに引用されていますので、これ読んだことがあるわ、という人も多いのではないでしょうか。ハーバード・ビジネス・スクールというところがミソなんでしょうね。皮肉が効いていますよね。 メキシコの田舎町。 海岸に小さなボートが停泊していた。 メキシコ人の漁師が小さな網に魚をとってきた。 その魚はなんとも生きがいい。 それを見たアメリカ旅行者は、 「すばらしい魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの」 と尋ねた。 すると漁師は 「そんなに長い時間じゃないよ」 と答えた。旅行者が 「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れたんだろうね。 おしいなあ」と言うと、 漁師は、自分と自分の家族がべるには これで十分だと言った。 「それじゃあ、あまった時間でいったい何をするの」 と旅行者が聞くと、漁師は、 「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから漁に出る。

    こういう話を読むと、本能的に構えてしまうのはなぜだろう。 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2009/11/09
    暗示する教訓めいたものに乗るのはちょっとなああらゆる可能性を考えたうえで、幸せな暮らしを維持するにはどうすればいいんだろう、という話が大切。毎度おなじみのバランス論バランスっていうのは、ほんと大事
  • 人間の感覚は逆説的に働くのかもしれない - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    学生の頃、ほんの少しだけ音楽をかじっていただけなので、そのあたりの曖昧さは許していただきたいとは思うのだけれど、和音について、少し思うところを書いてみたいと思います。音楽にあまり詳しくない方でもわかるように書いていますので、しばしおつきあいを。 ●    ● 12の音階を持つ西洋音楽の考え方ですが、和音は、1度、3度、5度の組み合わせである三和音(3つの音が重なる和音)が基ですよね。この三和音は、4つしかありません。長三和音、短三和音、減三和音、増三和音。この4つ。ギターをやっている人は、コードネームで書く方がわかりやすいですよね。Cをルート音として書くと、C、Cm、Cdim、Caug。メジャー、マイナー、ディミニッシュ、オーギュメント。この4つです。それ以外の組み合わせでは、和音にはなりません。 そこにルート音から7度の音を合わせたのが四和音。C7とか、Cm7とか、Cmaj7とか。厳密

    人間の感覚は逆説的に働くのかもしれない - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2009/10/31
    限定されてない矛盾が心地いい?
  • 機能と普遍 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    広告の仕事をはじめたときから、すごく悩んでいたこと。今だに悩むことがあって、そのときどきで判断が違ったりもしています。この悩みは、広告やマーケティングにかかわる人なら、それこそ20年30年のキャリアを持つベテランの人でもあるのではないでしょうか。 機能寄りのメッセージにするか。それとも、普遍性のあるメッセージにするか。 今は不況でもあるし、機能対普遍の争いも少なくなりましたが、一頃は、機能を端的に言ってほしい人と、個別の機能ではなく、その機能が提供する価値、つまり、普遍性を持つうれしさ、たのしさなどのエモーショナルな部分を言いたい人の対立がよくありました。 もちろん、そういったことは理論的にも整理されてはいます。まあ、当たり前の話ではありますが、基に立ち返って自分の頭の中をもう一度整理するために、大画面テレビを例にちょっと説明。 Function=機能(画面のサイズが大きい) Funct

    機能と普遍 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2009/10/24
    広告は差別性を際立たせるものであるか、共感を得るためのものであるか。機能美と普遍性。機能を追求すれば肉体的にも楽なものが造れるけれど、それだけじゃ心は満たせない。満たすのが普遍性、心地よさ水戸岡
  • ソフトのアップグレードを重ねるたびに、Googleにしたくなる。 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    というバナー広告がCNET Japanに出稿されていました。白地にキャッチだけのシンプルなデザイン。クリックすると、「世界で200万もの会社が、すでにGoogleにしています。」と書いてあるページに飛びます。Google Appsの広告。 まるで広告の教科書のようです。 際立った商品があって、その価値が新しければ、表現はシンプルになる。だからといって、「これからはクラウドだよね。」みたいなことじゃなくて、きちんと使う人の気持ちの洞察があって、落としどころはイメージではなく事実になっている。きちんとクリエーターが仕事をしている。この広告には、広告の基がすべてありますね。 これを広告理論で言えば、こんな感じになります。 1)Proposition=Google Appsなら管理運用の手間を削減 2)Consumer Insight= ソフトのアップグレードはうんざり 3)Facts=世界20

    ソフトのアップグレードを重ねるたびに、Googleにしたくなる。 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2009/10/21
    1)Proposition=Google Appsなら管理運用の手間を削減  2)Consumer Insight= ソフトのアップグレードはうんざり  3)Facts=世界200万の会社がGoogle Appsを選択
  • ネットよりも新幹線のほうがすごい - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    大阪から帰ってきました。1泊2日。サクッと行って、サクッと帰れるのは、新幹線があるおかげ。会って、顔を見て、いろいろ話せばいろいろ安心できるし、時代が変わっても、このへんはずっと変わらないだろうな、と思います。 タイトルの「ネットよりも新幹線のほうがすごい」という言葉は、アメーバニュース編集長の中川淳一郎さんの新書「ウェブはバカと暇人のもの」にあった言葉です。この、タイトルに少し毒があるけれど、すごくいいです。基、新書は繰り返しは読まないけれど、このは、わりと何度もパラパラと読んでいます。 ウェブ2.0とか、プラットフォームの時代へだとか、コミュニケーション・デザインとか、いろいろ言われていますけど、このにあるようなことがベースになるものだと思います。ネットは便利だし、こうして私のような普通の人が、ブログでものが言えて、ブログを書く人たちや読む人たちとささやかなコミュニケーション

    ネットよりも新幹線のほうがすごい - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2009/10/13
    どんな時代だって主語は人でしょ。
  • 毒饅頭とマニュアル - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    大手納豆メーカーが民事再生法の適用を申請したとのこと。日経ビジネスに記事がでていました。 「最後に“毒饅頭”をべてしまったからね」。くめと取引のある品メーカーの社長は、くめが追い込まれた経緯と理由を解説する。 大豆など原材料の調達コストが年々上昇する一方で、販売価格には転嫁できない。追い込まれたくめは、数年前から、大手小売りチェーンの要請を受け、PB(プライベートブランド)商品の下請け製造を始める。 下請け製造は、自社ブランドを持つ品メーカーとしては苦渋の選択だが、大量注文を受ける「数」はくめにとって魅力だった。工場稼働率を上げるためにはやむを得ないと判断した。ところがこれが、くめにとっては、先の社長いわく“毒饅頭”となる。 スーパーマーケットを見ていると、例えば、カップヌードルの横にPBのカップヌードルもどきが置いてあるものなあ。価格は40円くらい安くて、中身が少し貧弱だけど、まあ

    毒饅頭とマニュアル - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2009/09/21
    ブランドブックというものは、じつはマニュアルのことなのではないか。理由がわからない規則は、人を疎外していきます。だから、人は本能的にマニュアルを嫌うのだろうと思います。けれども、現場で起こる問題点をす
  • 戦争メタファ - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    10年ほど前に、元電通のCMプランナーである佐藤雅彦さんが、「経済ってそういうことだったのか会議」という竹中平蔵さんとの対談集で、売り上げが倍もあるのに電通マン自らが「電博」なんて呼び方をするのは良くない、みたいなことを言っていました。 これを博報堂の立場に立って考えると、うまいレトリックだったりします。売り上げ規模で倍の差がつけられているのに、2強のイメージを植え付けられるし、企業は、じゃあ電博で競合させてみるか、ということになり、博報堂にとってみれば売り上げ半分なのに同等に扱ってもらってラッキー、電通にとってみれば2倍の差があるのにたまったもんじゃない、ということになります。 売り上げだけが広告会社の価値ではないけれど、「電博」というレトリックには、そんな戦略が含まれています。こういう手法は、いろんなところで昔から使われています。上記の対談では「他人の土俵で相撲を取れ」と表現されていま

    戦争メタファ - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2009/09/12
    戦略から戦術の時代へ
  • おこり方がわからない - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    いがらしみきおさんの「ぼのぼの」という漫画に、こんな話があります。最初のコマが、困っているぼのぼの君、その次のコマがおこっているぼのぼの君。ほとんど違わないんですね。よくよく見ると、肩がちょっとすぼんでいるのですが、みんなにはわからない、そんな話。「ぼのぼの」2巻に入っています。 この話の扉には、ポエムのような言葉が添えられています。 ボクはおこるのがヘタだ ボクはおこるのがヘタだ おこるっていうのは みんなに『自分のモノ』を 教えたがることだって スナドリネコさんが 言ってたけど ボクは『自分のモノ』って なんなのかわからないから ボクはおこるのがヘタなんだと思う ヘタなんだと思うったら 私は、ぼのぼの君ほどピュアでもないし、歳をとることで汚れちゃったなあ、みたいな部分もたくさん持っている大人ですけど、それでも、なんとなくぼのぼの君の気持ちはわかります。おこり方がよくわからないし、おこり

    おこり方がわからない - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2009/07/26
    この人は好きだなあ、と思う人は、ほぼすべて、おこり方がわからない人のような気がします。じつは、おこり方が上手な人よりも、おこり方がわからない人のほうが、私は怖いです。
  • 広告の瞬間 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    今日のお昼の出来事。 東京は、午前中小雨。朝からちょっとバタバタしていて、幸い雨も上がりそうな感じだし、お昼はお弁当に。わりと人気の弁当屋さん。いつもは長い行列ができているんだけど、今日はそうでもなかったんですね。ああ、やっぱり雨が降ってたからなあ、なんて思いながら店の前で待っていると、お店のおばちゃんが出てきて、 「ちょっとごめんね、雨が上がったから看板を外に出しますね。」 で、黒板にチョークでメニューを手書きしている看板をお店の外に出したんですね。すると、その瞬間、どこからともなくお客さんがゾロゾロと。あっというまに、いつもの長蛇の列ができてしまいました。 すごいもんだなあ。看板ひとつで、結構違うもんなんですね。なんか広告の瞬間に立ち会えた感じで、なんだか得した気分になりました。 ちなみに、こんなお弁当。 お魚弁当、お肉弁当などのすべてのお弁当の今日のおかずが全部入った「全部入り」が7

    広告の瞬間 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2009/06/14
    黒板にチョークでメニューを手書きしている看板をお店の外に出したんですね。すると、その瞬間、どこからともなくお客さんがゾロゾロと。あっというまに、いつもの長蛇の列ができてしまいました。
  • たまには広告の仕事のうれしさについて語ってみてもいいですか - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    なんか巷では100年に一度の不況とか呼ばれてて、そんなとき真っ先にカットされるのが、交通費、交際費、広告費だなんて言われてて、それよりもなによりも、「いまどきテレビCMとか新聞広告ってさあ、時代の変化についていけてないよね。終わってるよね、広告」とかブログで語られたりしたときには、そのひとつである広告を仕事にしている私なんかは、「そないに言うなや、あんまり言うなや、そなこと前から知ってるわ(by Rikuoさん)」という気分になります。 とは言いつつも、時代が変わっているのは事実だし、その事実から目を背けることはできないわけで、そんなこんなであれこれ広告について、このブログに書きつづってきたわけです。そんなわけなんで、いつもの広告論的なエントリは、この時代にどうしていったらいいでしょ的な憂いがにじんでいて、ま、それも魅力のひとつではあるのでしょうが、今夜は、広告の仕事をするよろこびについて

    たまには広告の仕事のうれしさについて語ってみてもいいですか - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2009/06/14
    否定されたのはやり方、広告ではありません。はじめはパッとしなかったのが、次第に、「あいつ、最近、なんかいいよね。元気あるよね。」みたいになっていくことにかかわれるよろこび。よさを引き出す。認められる。
  • 「新聞折り込みチラシ」の行方 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    新聞を取らない人は増えてきましたが、新聞折り込みチラシは人気です。広告の話題というと、どうしても派手なマスメディアや新しいネットメディアでの広告になりますが、この新聞折り込みチラシという広告メディアは、この不況下でも効果が衰えてきたという話をあまり聞かない希有なメディアです。 広告メディアとして新聞折り込みチラシを分析してみると、その有用性がよくわかるかと思います。 ターゲットセグメントについては、新聞広告の場合、エリア広告の切り替え版を利用して地域セグメントはできることはできますが、その地域はどうしても広域になりますし、切り替えが細かくできる地域も、東京や大阪などの大都市に限られています。しかし、新聞折り込みチラシは、新聞販売店が広告配信の拠点になるので、かなり細かい地域の設定が可能です。だからこそ、スーパーマーケットが特売に利用するんですよね。 広告の信頼性については、新聞広告にはかな

    「新聞折り込みチラシ」の行方 - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2009/04/26
    新聞販売店が広告配信の拠点になるので、かなり細かい地域の設定が可能。ネットで検索は見る人の能動性。広告の本質は「受動性」。中野区は全国ではじめて新聞購読率が5割を切った街。それと、人口密度が日本一の街
  • ネットというものはない - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)

    仕事柄、まだまだマスコミでのコミュニケーション立案が多いものの、ネットでのコミュニケーションを考える機会もそこそこ増えてきました。ネットというものを単一のイメージでとらえると、いろいろ見誤るのではないかと思うようになってきました。 いろんな人と話をしていると、ネットというもののイメージがそれぞれ違います。Yahoo! JAPAN、楽天、発言小町、はてなブックマーク、2ちゃんねる、アメブロ、mixi。それぞれの人がメインで利用するポータルによって、その人のネットの世界観が決定されていて、それぞれのネットの世界観は、それこそ天と地ほどの違いがあります。これは、ほんと驚くほどに違います。 例えば、私にとっては「ほぼ日刊イトイ新聞」や「デイリーポータルZ」は、知らない人はいないんじゃないかというサイトですが、案外知らない人はたくさんいます。ブログなんかも、ある人は「なんかごちゃごちゃリンクがあって

    ネットというものはない - ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)
    jackal0903
    jackal0903 2009/04/24
     ネットというものはない、ネットはいろいろな場の集合だよ場を考えるということは、場に飲み込まれないという意思表明でもあって、それはどこまでいっても場ではなく個が起点であることを、絶えず確認することでも