船男問題は、他人の気持ちを慮れなかった妻が悪い。妻がもし本当に夫を愛していたなら、夫の気持ちを慮れることができたはずだ。そしてもし夫の気持ちを慮ることができていたら、不貞をはたらくことは、例え夫の命を救うためであっても、夫を大きく傷つけ、絶望させることが分かっていたはずだ。それが分かっていれば、妻は不貞をはたらく必要はなかった。また、それによって夫も傷つかなかったのである。 それとは別に、妻を許せなかった夫も、度量が狭い。男たるもの、もっと広い心で、妻の不貞も、他人の気持ちを慮れなかったことも、許すことが必要だ。そういう寛容の心でしか、状況は前進させられない。そこで妻を許さなければ、状況は何も改善されない。夫はむしろ、このエピソードを自分を成長させる機会としてとらえるべきだった。人間は、逆境からしか学ばない。苦境の中でしか成長しない。だから、そういう機会を与えてくれた妻には、むしろ感謝して