ブックマーク / www.ninchi-shou.com (141)

  • Hunt症候群と診断してステロイドを処方した後に、糖尿病が発覚。 - 鹿児島認知症ブログ

    ある30代女性のHunt症候群の治療で経験したことをシェアする。 30代女性 Hunt症候群 2日前から、左顔面の違和感と左上下肢の違和感を感じるようになったとのことで来院されたYSさん。 手足に左右差のある麻痺は認めなかったが、患者さんが同側の顔、手、足の症状を訴える場合、ひとまず脳梗塞の可能性を考える必要があるため頭部CTを施行した。 幸いにも、脳梗塞や脳出血は認めなかった。 微妙な額のしわ寄せの左右差と軽度の左口角下垂、左耳介には水疱などの所見から、Hunt症候群と診断し、 バルトレックス1000mgx3/day プレドニゾロン10mgx3/day メチコバール500㎍x3/day ネキシウム10mg/day を処方した。 1週間後、YSさんの左顔面麻痺はわずかに進行しており、更に初診時にはなかった舌のシビれや味覚異常を訴えた。 診断はHunt症候群でよいとは思ったものの、一度専門的

    Hunt症候群と診断してステロイドを処方した後に、糖尿病が発覚。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/08/17
  • 【症例報告】切れ味良くイクセロンパッチが効いた84歳女性。 - 鹿児島認知症ブログ

    「イクセロンパッチやリバスタッチが効くときは、大体こんな感じだよね」という典型例をご紹介。 「アルツハイマーね、ハイ薬ね」ではなく、じっくりと考えてもらい決断してもらったというプロセスが重要で、そこに人も加わっているというのが更に重要。 初診で認知症と診断され、そのまま「進行を遅らせましょう」と薬が始まるのが通常の認知症外来だと思うが、認知症と診断されることは人生後半戦における一大事件である。衝撃を受けない人は、まずいない。(特にご家族) 「診断即投薬」という、一種"怒濤"とも呼べる流れを冷静に理解して受けとめられる患者さんや家族はどれほどいるだろうか。 患者さんや家族と長く良い関係を維持していくことを目標に据えたとき、重視すべきは投薬までのプロセスであり、抗認知症薬の早期投与ではない。改善例を載せておきながらこういうことを言うのもアレだが、抗認知症薬とはそこまで素晴らしいものではない。

    【症例報告】切れ味良くイクセロンパッチが効いた84歳女性。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/08/10
  • 高齢発症の側頭葉てんかんについて。 - 鹿児島認知症ブログ

    MMさんは84歳の男性である。 当院のもの忘れ外来を受診したが、長谷川式テストはほぼ満点だった。認知症の可能性はほぼなかったのだが、「記憶が飛ぶ」、「ボーッとしている」という訴えから、認知症ではない別の病気の可能性が浮上した。 84歳男性 「記憶が飛ぶ」というご相談で来院 初診時 娘さんと二人で来院。独居。 (既往歴) 特記事項なし (現病歴) 娘さんが電話で外来予約。 特に困っているという程でもないのだが、話をしていて「記憶が飛んでいるのでは?」と感じる事が多くなった。これまで、買い物に行って3回ほど自宅に帰れなくなった事がある。その時はタクシ-で帰ってきた。欲がないのか準備が面倒なのか、最近は一日2しかべない。 また、転倒することがやや増えた。先日も転んで頭部を打撲し、〇〇脳外科を受診した。認知症の可能性について相談したら、「よそに聞いて」と言われた。 (診察所見) HDS-R:

    高齢発症の側頭葉てんかんについて。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/08/06
  • 終わりを迎えた父。 - 鹿児島認知症ブログ

    容態悪化の報を受けて父の入院先に向かって車を走らせる道すがら、幼い頃の記憶を手繰っていた。 亡くなる前日のこと 読書好き、特に歴史経済好きという自分の特徴は、間違いなく父から受け継いだものだった。他には、今では全くすることがなくなったが、将棋や釣りを教えて貰ったことなどを想い出した。 母にガミガミ言われながら、父と兄と自分の3人でセブンスターを猛烈に吹かしていた20数年前のことも、何故だか想い出された。 ふと、後部座席の子供に声をかけた。 「じいちゃんとの楽しい思い出ってある?」 すると、即答で 「ちゃんばらごっこ!!」 と返ってきた。 「もう、ちゃんばらごっこは出来ないね。」とは言えなかった。 当日朝のこと 出勤前に、入院先に寄った。 前日の夜は38度まで熱が上がるも、見舞った時には36度3分まで下がっていた。ただし、下顎呼吸は確実に弱まってきており、排尿もほぼなかった。終わりの刻は近い

    終わりを迎えた父。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/08/03
    お疲れ様でした。。。私も涙がにじみます。。。
  • 製薬会社が主催する講演会で発表するスライドは、事前検閲を受けるという話。 - 鹿児島認知症ブログ

    「検閲」という言葉をご存じだろうか。 検閲(けんえつ)は、狭義には国家等の公権力が、表現物(出版物等)や言論を検査し、国家が不都合と判断したものを取り締まる行為をいう。(Wikipediaより引用) 日歴史上では、敗戦後の日でGHQが行った検閲が有名である。 閉された言語空間―占領軍の検閲と戦後日 (文春文庫) posted with amazlet at 18.06.07 江藤 淳 文藝春秋 売り上げランキング: 15,067 Amazon.co.jpで詳細を見る 「国家」から検閲を受けたことは勿論ないが、「製薬会社」から検閲を受けたことなら複数回ある。これは自分だけではなく、製薬会社から依頼されて講演を行ったことのある医師ならば、みな経験していると思われる。 講演会発表資料受付事務局という名の、検閲係 5年ほど前に、とある製薬会社(以下A社)の依頼で認知症に関する講演を行った。

    製薬会社が主催する講演会で発表するスライドは、事前検閲を受けるという話。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/07/30
  • じりじりと経過していく時間。 - 鹿児島認知症ブログ

    頭部打撲を切っ掛けにお付き合いが始まった87歳独居の女性。初診時数分のやり取りで、認知機能低下をきたしていることはすぐに分かった。 既にかかりつけ医があり、かつ残薬が家に溢れているという状況だったため、当院が濃厚に介入することで混乱を招くことを恐れて、不意の来院の度に少しずつニーズに応える形で関わりを続けてきた。 既に介護保険の認定は受けていたが、要支援2は実態を反映した評価とは思えなかった。ただ、猜疑心が強いためヘルパーの介入が難しく、人付き合いを拒むため通所サービス導入も出来ず、介護度うんぬんの前にサービス利用が全く出来ていなかった。 このような方は珍しくない。 かかりつけ病院を一に絞り必要最小限の投薬とし、しばらく通院間隔を短めに設定して関係構築を図るなどすれば、安定する可能性はある。何かしらのサービスに繋げることにさえ成功すれば、そこから好循環の歯車が回り出すこともある。 しかし

    じりじりと経過していく時間。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/07/16
  • 顔面神経麻痺について。 - 鹿児島認知症ブログ

    年配の患者さん達が「私は昔、顔面神経痛をやったことがあってね~」と外来で言うことがあるのだが、顔面神経痛という病名(医学用語)は存在しない。 患者さん達の言う顔面神経痛とは、恐らく顔面神経麻痺のことを指していると思われる。 その証拠に、「顔面神経痛を~」という患者さん達は顔面の動きの左右差を認めることが多い。これは、麻痺が後遺症として遺っているということだ。 顔の左右差がなければ「顔が痛かったのなら、三叉神経痛だったのかな?」と考えたくなるが、三叉神経痛が自然軽快することはあまりない。なので、患者さん達の言う顔面神経痛とは、顔面神経麻痺のことなのだと思っている。 顔面神経麻痺とは 顔面神経麻痺とは、読んで字の如く顔を動かす顔面神経に麻痺が生じる病気のことである。右と左で1ずつあるが、左右同時に麻痺をきたすことは普通ない。なので、顔面神経麻痺のほとんどは「片側性」顔面神経麻痺である。 そし

    顔面神経麻痺について。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/07/09
  • 満たされない想い。 - 鹿児島認知症ブログ

    数年間、外来でお付き合いしている患者さんがいる。 患者さんと言ったが、実は、自分はその方を患者と思ってはいない。 受けとめられない現実 既に日人の平均寿命を越えたAさんが認知症外来に訪れたのは、そもそもご自身の希望ではなかった。 Aさんは、「この人は認知症に違いない」という確信を持った家族(Bさん)に連れて来られた方なのであった。 礼節を保ち、落ち着いた挙措で質問に応じるAさんからは、変性性認知症の要素は欠片も感じられなかった。それどころか、自分の心配をするBさんを労る余裕すら見受けられた。普通なら「なんで自分がこんなところに・・・」という憮然とした態度になってもおかしくはない。 一応は長谷川式テストや視空間認知テスト、頭部CTも行いはしたが、やはり異常は認めなかった。 ここで多くの場合、家族は「心配だったけど、病気ではなかったんだ・・・」とホッと胸をなで下ろす。しかし、Bさんはひと味違

    満たされない想い。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/07/06
  • 「医者」としての自分と、「人」としての自分。 - 鹿児島認知症ブログ

    「治るんじゃなかったんですね・・・」 そう仰ったMSさんの奥さんの表情からは、深い諦めが見て取れた。 80代男性 ATD+VaD 初診時 (既往歴) 15年前に胃癌で4/5胃切除 前立腺肥大 数十年サイレース内服 てんかんあり、最終発作は2年前 (現病歴) 現在、奥様と二人暮らし。要介護2。〇〇病院で認知症の薬をもらっている。最近1日に何回もお風呂に入って困る。ヨダレがすごい。ほとんどしゃべらない。話しかけると返事をするくらい。口コミで当院の噂を聞いて来院。 (診察所見) HDS-R:10 遅延再生:0 立方体模写:不可 時計描画:OK IADL:4 改訂クリクトン尺度:24 Zarit:3 GDS:6 保続:なし 取り繕い:なし 病識:あり 迷子:なし レビースコア:ー rigid:なし 幻視:なし ピックスコア:ー FTLDセット:ー 頭部CT所見:DESH 陳旧性梗塞痕多数 IC

    「医者」としての自分と、「人」としての自分。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/07/02
  • 白寿を祝い、外来を卒業。 - 鹿児島認知症ブログ

    先日、お祝い用のちゃんちゃんこを3色購入してみた。 院長室の片隅で出番を待つ、ちゃんちゃんこ達 99歳男性 認知機能低下(病型不明) 喜寿(77歳)・・・紫色 米寿(88歳)・・・黄色 白寿(99歳)・・・白色 喜寿や米寿、白寿以外に、傘寿(80歳)や卒寿(90歳)でも紫色のちゃんちゃんこを着て祝うことがあるらしい。 お祝い用のちゃんちゃんこを購入しようと思ったのは、ある99歳の男性(KTさん)との想い出が作りたかったからだ。*1 当院に歩いて通院される方の中では、KTさんが最高齢である。 97歳のKTさんを92歳の奥さんが支え、息子さんがサポートで付きそうという形の通院が約2年続き、奥さんは94歳に、そしてKTさんは99歳になった。 衰えのスピードは緩やかだったが、流石に排泄の失敗などは増えてくる。そうなると、支える奥さんも94歳と超高齢のため、後始末などの負担が重くのしかかるようになっ

    白寿を祝い、外来を卒業。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/06/29
  • 【症例報告】待ってくれている人がいるから。 - 鹿児島認知症ブログ

    MTさんの奥さんは、突如出現した夫の猛烈な嫉妬妄想と幻視に苛まれていた。 自分のクリニック以外の所であれこれとコトが動いていたので、正直あまり深く関わったわけではない。ただし、数回の介入がその都度奥さんを少しずつ救ったという点では、効率的介入だったとは言えるかもしれない。 先日の診察を終えた後、当院スタッフがぽつりと 「週に何人か、MTさんみたいな人が来てくれるから私たち頑張れますよね」と言っていたのが印象的だった。 上手くいくケースばかりではないが、心が折れそうな家族を前に、こちらが心を折っている暇はない。「認知症と戦う必要はない」という、一種の"諦めの強要"に繋がりかねない言葉を吐いている暇もない。 医療介護関係者から諦めを強要され、「どうせ治らないですもんね・・・」と心が折れた家族を少なからず見てきた。 介護が終わる日はいずれ来るが、家族の人生はその後も続く。家族のその後の人生のこと

    【症例報告】待ってくれている人がいるから。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/06/25
  • パーキンソン病の勉強になる、おすすめ書籍。 - 鹿児島認知症ブログ

    ざっと3冊をご紹介する。 ①パーキンソン病の診かた、治療の進めかた パーキンソン病の診かた,治療の進めかた posted with amazlet at 18.05.18 水野 美邦 中外医学社 売り上げランキング: 85,154 Amazon.co.jpで詳細を見る パーキンソン病の歴史 パーキンソン病の症状と診断について 治療薬の特徴と具体的な治療の工夫 疫学、病理学的生化学的背景 パーキンソン病関連疾患の紹介 などなど、これ1冊でほぼパーキンソン病にまつわる様々なことを網羅的に学ぶことが出来る、医療関係者にお勧めの一冊。患者さんやご家族には、ちょっとハードルが高いかも。 ②パーキンソン病 少しずつ減薬すれば良くなる! パーキンソン病 少しずつ減薬すれば良くなる! posted with amazlet at 18.05.18 中坂 義邦 ブックマン社 (2018-02-16) 売り上

    パーキンソン病の勉強になる、おすすめ書籍。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/06/22
  • 終わりに向かって歩む父。 - 鹿児島認知症ブログ

    心不全で入院していた父が先日、リハビリのため転院になった。 医療上必要な転院というよりも、我々家族が「逃がした」という表現の方が適切かもしれない。 入院前は中等度介助で歩行していた父が、3週間の入院で寝たきりになり、事も摂れなくなってしまった。 せん妄は初期対応が重要 高齢者の入院中に頻度高く起きるせん妄。父もご多分に漏れず、入院当日の夜からせん妄を発症した。 そのこと自体は致し方ない。 重要なのは、せん妄の早期発見と早期対応である。 早期対応には薬物療法も非薬物療法も含まれるが、さし当たって重要なのは「離床」である。これは医療関係者にとっては常識であり、いかに早期に離床を進めていくかということは、患者回復のみならず在院日数短縮にも繋がることなので、患者と病院双方にメリットがある。 せん妄に対する初動を誤れば、そのうちにせん妄を起こすエネルギーすら枯れ果てて沈んでいく。その深みから戻って

    終わりに向かって歩む父。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/06/18
  • 【症例報告】抗パーキンソン薬の漸減中止が完了した方。 - 鹿児島認知症ブログ

    以前の記事で紹介した方の、抗パーキンソン薬卒業が完了したので御報告。 www.ninchi-shou.com 元々パーキンソン病ではなかったと自分は考えていたので、物のパーキンソン病の方の減薬の際に経験する「これ以上は減らせないな・・・」という局面に遭遇することなく、スムーズに卒業出来た。 ただしこれは、抗パーキンソン薬への曝露期間が短かったからである。もし年単位で内服を続けていたら・・・。 ひょっとすると、減薬の途中で有害事象が出現し、ある程度の量で維持せざるを得なくなっていたかもしれない。 約3ヶ月で抗パーキンソン薬を卒業した40代女性 減薬開始 〇〇病院から引っ越しとなった。 常に眠いのに、ちゃんと眠れない 目の前の事象が、コマ送りで見える 体幹を細かく揺らすジスキネジア これらは全て抗パ剤の作用(副作用)と考えていいだろう。 ミラペックスLAは2週間おきに0.375mgの減量を図

    【症例報告】抗パーキンソン薬の漸減中止が完了した方。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/06/15
  • 【症例報告】前頭側頭型認知症の方。2年4ヶ月のお付き合いの末、かかりつけ医変更に。 - 鹿児島認知症ブログ

    今回紹介するのは、前頭側頭型認知症のHYさん。 初診時は60代後半。それまでアルツハイマー型認知症の診断でドネペジルが処方されていた。 約2年4ヶ月の経過を、ほぼカルテからの引用で紹介する。ご家族や施設スタッフ、ケアマネさん達と情報をやりとりしながら、皆で陽性症状のコントロールに腐心し続けた様子がわかると思う。 出来ればシャント手術に繋げたかったが、ご家族の手術希望はなかった。 前頭側頭型認知症に正常圧水頭症が合併している場合、マスクされていた易怒性が前面に出てくることがある。これは、対処出来なければなかなか厄介と言える。 しかし、シャント手術には「歩行改善・身体介助量軽減」という、介護する家族にとって大きなメリットもある。 この両者を天秤にかけたとき、大抵の場合で「陽性症状増悪への懸念>歩行改善」となりがちだが、薬剤による陽性症状コントロールにそれなりの自信があれば、tryしてみる価値は

    【症例報告】前頭側頭型認知症の方。2年4ヶ月のお付き合いの末、かかりつけ医変更に。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/06/11
  • 認知症「救急」外来、そして解毒外来という当院の役割。 - 鹿児島認知症ブログ

    今回紹介するKNさんは、飛び込みで来られた方である。 その日は既に予約がかなり入っていたため、受付スタッフは「出来れば、日を改めて予約を取って頂けたら・・・」と、後日の受診をご案内した。しかし、同伴の親戚の方が「どうしても今日じゃないとダメなんです。」と必死の面持ちで訴えていたので、気圧されるような形での診察となった。 結果、途中で最大1時間以上の待ち時間が発生し、他の予約患者に多大な影響が出てしまったのだが、その日にKNさんを診察した甲斐は確かにあった。あのままドネペジル10mgが続いていたら、大げさではなく命に関わっていたと思う。 www.ninchi-shou.com 「他の患者さん達に悪いなぁ」と思いつつ、それでも飛び込み認知症患者さんを極力受け入れるようにしているうちに、当院は「認知症救急外来」、「解毒外来」といった様相を呈するようになった。 開院当初から意図していた訳ではないが

    認知症「救急」外来、そして解毒外来という当院の役割。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/06/08
  • 脳萎縮の左右差と脳血流の左右差から考えたこと。 - 鹿児島認知症ブログ

    今回紹介するFKさんは、前頭側頭型認知症の方。 前頭側頭葉変性症の分類でいうところの「意味性認知症」から、「前頭側頭型認知症」へ移行していったと思われる方である。 60代男性 前頭側頭型認知症(意味性認知症からの移行) 初診時 (既往歴) TIA(一過性脳虚血発作) (現病歴) 15年ほど前に一過性に左眼が見えなくなったことから〇〇病院で脳血管撮影などが行われ、抗血小板薬が始まった。一時は脳血管バイパスが検討されたとのことだが、手術には至っていない。詳細は不明。 4年ほど前から、〇〇脳神経外科でレミニールが開始となった。初期用量では頭がスッキリしたような印象があったらしい。その後から現在まで、長らく24mgで内服中。 「これ以上のいい薬はないんだから、これを飲み続けなさい。脳血管性認知症の可能性はないでしょう。不満があるなら他のところに行きなさい。」などと言われ、奥さんとしては通いにくさを

    脳萎縮の左右差と脳血流の左右差から考えたこと。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/06/04
  • 「85歳以上の高齢者の17%が抗認知症薬を使用」というニュース。 - 鹿児島認知症ブログ

    このニュースは、世間にどう捉えられるだろうか。 mainichi.jp 抗認知症薬の年間総処方量の47%を85歳以上の高齢者が消費 国のレセプト(診療報酬明細書)情報・特定健診等情報データベースを使用し、2015年4月からの1年間に抗認知症薬が処方された173万3916人分のデータを分析した。その結果、人口当たりの年間処方率は年齢と共に高くなり、85歳以上の高齢者で17%。また、年間総処方量の47%が85歳以上の患者だった。(上記リンク先より引用) 認知症の最大のリスクは「加齢」であるため、年をとればとるほど認知症の有病率は高くなる。 厚生労働省研究班2013年の報告より 上のグラフからは、85歳以上の世代で幾何級数的に認知症患者の占める割合が増えていくことが分かる。 「認知症患者が多い世代に最も抗認知症薬が処方されるのは当然では?」という疑問が沸くかもしれないが、認知症には様々なタイプが

    「85歳以上の高齢者の17%が抗認知症薬を使用」というニュース。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/06/01
  • 父が心不全で入院。 - 鹿児島認知症ブログ

    先日、父が心不全で入院した。 www.ninchi-shou.com 外来での心不全治療では限界があった 前回記事で報告したように、ここ数年は骨折で入退院を繰り返していた。 父の活動性が低下したにも関わらず、母は「水分は大事だから」と、以前にも増して水を飲ませていたようで、あっという間に下腿浮腫をきたし始めた。あとで確認したところ、「2リットル/day以上は飲ませていたかなぁ」とのことだった。 脱水は脳梗塞再発リスクを高めてしまうため、脳梗塞の既往がある父を心配した母の行動は致し方なかったと思う。 短期間で両側大腿まで浮腫が拡がったため、 「入院して点滴で利尿剤を使いながら、オシッコの管を入れて管理したら早く浮腫はとれると思うけど。」 と母に勧めたのだが、 「今度入院したら、お父さんはもう帰って来れないんじゃないの?」 と不安そうに言うので、しばらく外来で経過をみることにした。 この時点で

    父が心不全で入院。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/05/21
  • 認知症患者さんの心不全。 - 鹿児島認知症ブログ

    約3年経過をみてきたMYさんが先日、心不全で入院となった。 89歳女性 DLB+VaD MKさんは3年前にブログで取り上げたことがある。 www.ninchi-shou.com 一旦落ち着いてからは、かなり安定した状態で長期維持出来ていた。ウインタミンはしばらく使って中止し、最近の処方は以下の様になっていた。家族の都合などもあり、全て朝一回の内服である。 クロピドグレル75mg 1T1XM ニコランジル5mg 1T1XM フェロミア50mg1T1XM ビタメジンカプセル50mg 1C1XM 抑肝散2.5g 1P1XM イクセロンパッチ4.5mg 3月に入って部屋のあちこちで排泄した形跡がみられるようになり、4月に入ってからは欲が落ち、デイサービス利用時のSpO2(酸素飽和濃度)の数値が90を下回るようになったため、予約日よりは早かったものの先日受診して頂いた。 語義失語のある認知症患者さ

    認知症患者さんの心不全。 - 鹿児島認知症ブログ
    jflkg4u
    jflkg4u 2018/05/18