一国の豊かさを表す指標は「GDP」ではない。法政大学教授の小峰隆夫氏も指摘するように、「一人あたりGDP」だ(日経BPオンライン記事)。 その際、「一人あたりGDP」はその国の「生活水準」を示す指標として利用されているが、経済学者が「一人あたり名目GDP」と「一人あたり実質GDP」のどちらを重視するかというと、通常は「一人あたり実質GDP」である。 「名目」よりも「実質」を重視するのは、名目賃金が2倍になっても、その間に物価も2倍になってしまうと、購入・消費できる財・サービスの量、つまり生活水準は何も変わらないためである。むしろ、物価が4倍になった場合、購入・消費できる財・サービスの量は半分になってしまう。これは生活水準の低下を意味する。 このため、「一人あたり名目GDP」を物価で割った「一人あたり実質GDP」を、生活水準の指標とみなす。そして、「成長」という場合、この一人あたり実質GDP