「市がやっている仕事や予算をこれから地域にどんどん切り分けていきます。楽しみにしてちょうよ」 河村たかし名古屋市長がマイクを握ると、会場内の雰囲気は一変した。緊張ぶりを隠せずにいた各候補の表情も緩み、明るい笑顔が広がっていった。2月21日の午後、中川区豊治コミュ二ティセンターで開かれた地域委員会の立候補者による公開討論会でのことだ。一般席で各候補のアピールに耳を傾けていた河村市長は、会場に詰めかけた住民全員に向かってこう言葉を続けた。 「皆さんが決めることに一番、価値があります。減税分が地域の公益活動に(寄付金として)集まるように仕組みを整備していきます」 市民税10%減税で懐に戻ってくるカネを公共のために寄付してほしいと訴えたのだ。 名古屋全域が今、自治の熱気に包まれつつある。河村市長による「庶民革命」が着々と進行し、りょう原の炎となって広がっている。何やらとてつもない変化が生まれそうだ