このサイトは、東京の「現在」から「歴史」=「過去」を読み解くことによって、「現在」に生きる私たちが「歴史」=「過去」とどのようにかかわっているのかということを考えることを目的とする。 ここで、また、福島の原発問題に話を戻しておこう。原発立地と引き換えに地域が「恩恵」を得たといわれるが、それがどのようなものだったかは、地域外にはそれほど理解されていない。確かに、用地などの補償金が出て、固定資産税など増収となり、電源立地促進対策交付金なども入ってくる。ただ、これらを含めた「恩恵」が、どのように地域に受け止められたのか、それを見ていきたい。 それをみる格好な資料として、『富岡町史』続編・追記編(1989年)をみてみよう。富岡町には、南側の楢葉町との境界線上に、両町にまたがって、東京電力の福島第二原子力発電所が立地している。福島第一原発から半径20キロ圏内であり、今は、全町が避難指示区域である。な