教育・子育て 「ゆとり教育」は間違いではなかった / 記事一覧 もし、分数ができない大学生がいたとしたら、それはゆとり教育の問題ではない。分数はゆとり教育でもやっていたから。問題はその根底に横たわる、「問題を解くことができる」という学習内容の「習熟」を拒否した(と現場の教師たちに受け取られかねない)「新学力観」である。この「新学力観」は、「習熟」よりも「興味・感心・意欲」に重きをおき、やる気があればいいんだ、という価値観を教育業界に持ち込んだ。それ以上に問題だったのが、漢字や計算等の習熟はつめこみだからいけないという風潮を蔓延させたことである。 「社会の急速な変化が既習内容をすぐに古いものにしてしまう」という問題意識から出発した「新学力観」ではあったが、九九を「発見」することに地道を上げ、九九を「習得」するということを軽く扱ってしまってよかったのだろうか。九九など基本的な算術が使えないこと