小池百合子都知事が、「築地市場」の移転延期を31日に発表したが、そもそも豊洲移転には卸売業者の8割以上が反対している現状がある。土壌汚染の可能性や、そのスペースの狭さから「マグロが切れない」施設の問題等があるからだ。 日本の食文化を支えてきた築地は「最高」というよりも、「唯一」の場所であると指摘するのは料理評論家の山本益博さんだ。 「魚を生で食べる日本の食文化を支えたのが築地です。魚が捕れた場所から、鮮度とクオリティーを保ったまま料理人まで運ぶことが築地の真骨頂です。築地に並ぶ魚は、釣られた時と同じ水温や塩分が保たれており、捕獲されたことを気づかず、じっとしています。 こんな魚市場は世界中どこにもありません。世界の超一流店のシェフの多くが築地の見学を希望して、ぼくは何度もアテンドしました」 築地はいつも活気であふれている。魚という生鮮品を扱うため、できるだけ手早く売らねばならない。『築地の