最近ずっと太宰治を読んでおりまして、今さらながら大変ハマっております。 で、そこで思ったのが、「美しいものを言葉で表現する」って本当にすごいことなんだなあということ。 なんていったらいいんですかね、それって美しさの翻訳というか再構築というか、それはものすごい台風の夜の後の、翌朝早い時間に窓を開けたときにかいだ空気であったり、日差しにあたためられた柔らかい猫の肉球の匂いだったり、「あっ、いま、この瞬間がすごくきれいだ!」というものを、写真みたいに切り取って、言葉として定着させて、読み返せば何度でもその瞬間が目の前に立ち上がってくるような、目の前にいない人にもその美しさが伝わるように保存する、ものすごい技術だと思いました。 言葉はただ言葉として並ぶだけでは、そこまで重い意味をもたないと思うのですが、小説や演劇のように、時系列を追った物語として並べられ、積み上げられた最後に飾られた言葉の、強さと