現在開催中のロッテルダム国際映画祭。 ここで、若い監督によりHivosタイガー・アワードコンペティション2016のために選択された8作品のなかで注目されている作品の一つに、映像作家のフィオナ・タンの初の一般映画『HISTORY'S FUTURE』があります。 フィオナ・タンは、2014年日本でも写真美術館で大掛かりな展覧会が開催され、話題になりました。 フィオナ・タンは、しばしば古い記録フィルムや写真を素材とし、ときにドキュメンタリーとフィクションとの間を往還しながら、集団や個人における文化的差異がいかに記録され、また人々の記憶に留められてきたかを繊細に問いかける作品で国際的な評価を得てきました。静止写真、フィルム、ヴィデオ、ディジタルヴィデオといった異なるメディアを用いながら、常にその作品に通底しているのは、見るもの・見られるものが交錯する視線のポリティクス(政治性)や、表象することの不