日立製作所など日米英チェコの共同チームは、電流を流さなくても情報を処理できる新原理のトランジスタを試作した。エネルギー損失が激減し、超省エネ電子機器の開発へ道を開く。小さな電池でいつまでも使えるパソコンや携帯電話、ほとんど電力を消費しないテレビなどにつながる可能性がある。成果は24日付の米科学誌サイエンスに掲載される。日立ケンブリッジ研究所、チェコの科学アカデミー、英ケンブリッジ大学、英ノッテ
日立製作所など日米英チェコの共同チームは、電流を流さなくても情報を処理できる新原理のトランジスタを試作した。エネルギー損失が激減し、超省エネ電子機器の開発へ道を開く。小さな電池でいつまでも使えるパソコンや携帯電話、ほとんど電力を消費しないテレビなどにつながる可能性がある。成果は24日付の米科学誌サイエンスに掲載される。日立ケンブリッジ研究所、チェコの科学アカデミー、英ケンブリッジ大学、英ノッテ
【動画】光る舗装暗くなると発光する舗装や案内板=兵庫県朝来市、小林写す舗装材は蛍光灯でも光を蓄える=兵庫県朝来市、小林写す 電気がなくても太陽光などを蓄積して光る舗装技術を、門扉や敷石などのエクステリア資材を扱う「ラベックス」(兵庫県朝来市)が開発した。夜間の歩道や階段の安全対策、災害時の誘導にと、自治体などから問い合わせが入っている。 使用済みのブラウン管などの廃ガラスに、蓄光顔料と樹脂を混ぜ合わせた。舗装や建物の外壁などに使うと、3時間ほど光を当てただけで、暗くなってからも6時間以上も発光する。電源がいらないことに加え、太陽光だけでなく蛍光灯の光でも発光する。 同社のショールームには、新技術を利用した舗装材や案内板が陳列され、蛍光灯を消すと、瞬時に発光する様子が見られる。色は青、青緑、黄緑の3色。価格は工賃を含めて1平方メートルあたり、約4万5千円。(小林裕幸)
小型人工衛星「まいど1号」を開発したものづくりの街・大阪府東大阪市で、深刻な雇用情勢を受けて始まった職業訓練の一環として小型ロケットの打ち上げに挑むグループがある。再就職に直接は結びつかないように思えるロケット開発だが、メンバーたちは明確な目標を持ったことで失った自信を取り戻し、大きな夢を抱き始めた。 中小企業に不足しがちなシステムエンジニアを養成するために平成19年に設立された人材育成会社「創機システムズ」(荻本健二社長)。地域の人材育成を目的にした大阪府の緊急雇用創出基金の適用を受けて職業訓練生を募集。20〜40代の12人が集まり、企業への就職を目指して今年10月から5カ月の予定でシステム開発の基礎を学んでいる。 訓練の最終工程は高さ1メートル、高度200メートルまで飛ぶ小型ロケットの製作で、来年2〜3月に和歌山県内で打ち上げられる予定だ。とはいえ、メンバーはフリーターや派遣切りにあっ
京大でデモ走行する電気自動車として復活した和製スーパーカーの「トミーカイラZZ」=2日午後、京都市左京区、高橋一徳撮影 公道を走れる国産レーシングカーとして注目を集めながら、約200台で生産中止となった幻の名車「トミーカイラZZ(ジー・ジー)」が、京都大発のベンチャーの手で電気自動車(EV)として生まれ変わり、2日、お披露目された。重さは軽自動車より数十キロ軽い640キロ。かつての名車の売りだった軽快な走りを再現した。 京大の支援で今春発足したEV開発会社「グリーンロードモータース」が、トミーカイラを開発した富田義一さん(65)を招き、残っていた試作車を改造。今後は年100台を目標に受注生産する。 価格は680万円。最高時速150キロ、4時間の充電で約100キロの距離を走れる。 トミーカイラは1997年に売り出され、業界雑誌の年間人気投票で2位になるなど注目された。だが、法規制の強
研究に当たった桑田さん。手前左側の茶わんには無数の凸加工がされていて、通常の茶わん(右)との洗浄対比試験では、ご飯のでんぷんの付き具合が4分の1まで下がっていた=県窯業技術センター普通の茶わん(右)にはでんぷん質の反応で紫色の斑点が浮かぶが、凸を打ち込んだ茶わん(左)には反応がほとんど見られなかった=県窯業技術センター 磁器の茶わんの内側に小さな「凸(でこ)」をつけてご飯が付着する面積を減らすことで、食器洗いに必要な水などの使用量を節約する「エコな茶わん」を佐賀県窯業技術センター(同県有田町)が開発した。実験では、凸のない食器よりも洗い残しが4分の1減ったという。今後も実験を重ねたうえで食器メーカーに技術を提供し、商品化を目指す。 技術開発は、窯業技術センター・ファインセラミック部の研究員桑田和文さん(45)を中心に、磁器類の洗浄性を良くしようと始められた。 研究では、磁器の表面
自転車製造が伝統産業の堺市で、長時間乗ってもお尻が痛くならない自転車のサドルを同市中区の無職大浦昇次郎さん(74)が発明した。 バネの取り付け位置を縦から横にするなど工夫をこらし、走行中の衝撃を和らげた。「乗り心地が良く、高齢者や自転車によく乗る人に最適」と大浦さん。何度も申請して念願の特許も取得し、実用化を夢見ている。 大浦さんは2006年夏、自転車で買い物に行った際、10分もするとお尻に痛みを感じたことから、「サドルを改良すれば……」と思案。以前、工事現場でレッカー車のオペレーターとして働いていた頃、ワイヤ同士がからみ合わないような仕組みを考えたことがあり、“発明好き”の虫が騒ぎ出した。ホームセンターで木材やバネを買い、模型を作ってアイデアを巡らせた。 サドルには通常、垂直方向にらせん状のバネが二つ付いている。「地面から伝わる振動がお尻を押し上げるように伝わるのが痛みの原因では」と考え
北島町在住のチタンアーティスト・与吉(本名=山口義仁)さん(53)が、人気アニメ「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」に登場する謎の武器「ロンギヌスの槍(やり)」の制作に挑んでいる。チタンを溶かして少しずつ造形し、白銀に輝く長さ3・2メートルもの二またの槍の原型ができた。ここから、水が滴るような青色のグラデーションを付けるのが独自の技法。劇場版の著作権管理会社(東京都)からも歓迎され、完成した槍をイベントでファンに披露する案も出ている。 ロンギヌスの槍はアニメシリーズにも登場し、ファンなら知らない人はいないほど注目度が高い武器。与吉さんはエヴァの大ファンだったことから今年5月、槍を作る許可を制作会社(同)に求めた。 本来は著作権を守るため、複製はなかなか認められないが、著作権管理会社が「与吉さんの作風は見たことがなく、作品作りのモチーフにしてもらって光栄」と評価、劇場版のPRになるとして、制作を快諾
京都・三条大橋にゴールしたロボット「エボルタ」と、エボルタを持つ設計・開発の高橋智隆さん(中央)。脇はエボルタを先導してきたエボルタシスターズ 繰り返し充電して使えるパナソニックの単3形充電式電池「エボルタ」の動力だけで「東海道五十三次」走破にチャレンジしていたロボット「エボルタ」が22日午後3時半ごろ、ゴールの京都・三条大橋に到着した。9月23日に東京・日本橋をスタートし、約2カ月で東海道五十三次約500キロを走破した。 エボルタはロボットクリエーターの高橋智隆さんが設計・開発。大八車を引いた旅人姿で、計12本「充電式エボルタ」を装着している。充電は1日1回で、走行は日中だけ。女性4人組「エボルタシスターズ」が赤外線機器を持ち、センサーを持つエボルタ号を誘導してきた。また、この挑戦の様子は、動画中継サービス「ユーストリーム」で生中継され、多くの応援コメントも寄せられた。 10月6日の道中
報道陣に公開されたH2Bロケットの2号機=4日午後、愛知県飛島村、恵原弘太郎撮影報道陣に公開されたH2Bロケットの2号機=4日午後、愛知県飛島村、恵原弘太郎撮影 来年初めに打ち上げ予定の国産ロケット「H2B」2号機の機体が4日、三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所飛島工場(愛知県飛島村)で報道陣に公開された。食料や衣料品などを国際宇宙ステーションに届ける補給機「HTV2」を軌道に乗せるためのロケットだ。 機体は全長約57メートルだが、燃料とエンジンなどを積む部分約40メートルが公開された。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の委託で作られ、1号機と比べ、余分な耐熱処理を減らして軽量化した。機体は8日、鹿児島県の種子島宇宙センターに向け、船で運び出される予定だ。(田嶋慶彦)
【ワシントン=山田哲朗】世界のスーパーコンピューターの性能を競うランキングで、中国が初めて1位を獲得する見通しとなった。 米紙ニューヨーク・タイムズなどが報じた。来月正式発表される。 このスパコンは、中国の国防科学技術大が開発した「天河1A」。1秒当たり2507兆回の計算能力を誇る。現在トップの米オークリッジ国立研究所のスパコン「ジャガー」の1・4倍の速度となる。 ランキングは米国の大学などが調べ、半年ごとに発表している。日本が2002年にNEC製「地球シミュレータ」で首位を奪い、衝撃を受けた米国はスパコン投資を増強。04年以降は首位を守ってきた。 日本勢では現在、日本原子力研究開発機構のスパコンの22位が最高。昨年の事業仕分けでは、次世代スパコンの開発が削減対象になり、仕分け人だった蓮舫行政刷新相の「2位じゃだめなんですか」の発言に、科学界が猛反発した。
段ボールをリサイクルしてパイプ状にした「紙管」で骨組みを作った折りたたみいす。左が子ども用=三重県鈴鹿市上野町 金属製パイプの代わりにリサイクルした紙を筒状にした「紙管」を使った珍しい折りたたみいすを、三重県鈴鹿市のいすメーカー三惠工業(岡田信春社長)が製作した。「地球にやさしい」が売り文句で、体重120キロの大人が座っても壊れないほど頑丈だ。 紙管は段ボールのリサイクル製品を利用。高さ63センチの子供用と73.5センチの大人用があり、背もたれや腰掛ける座面、脚の四隅は、リサイクルできる樹脂のポリプロピレンを使った。 安田府佐雄(ふさお)・開発部長は「強度負荷試験でも、紙製の強度は金属製に劣りません」。重さは子供用が1脚3.1キロ、大人用5キロで、子供用は金属製より1キロほど軽い。指を挟まないように座る場所とパイプの間に空間を作り、安全性にも配慮した。 このいすは、地球環境にやさし
日本電産の永守重信社長は27日に東京で開いた2010年9月中間期の決算説明会で、レアアース(希土類)を全く使わないで済む次世代モーター「SRモーター」の供給を始めることを明らかにした。12年に重機向け、13年にはトラクター向けで量産に入る。産業用車両が中心だが、機能を改善して電気自動車用の開発もめざすとしている。 SRモーターは、レアアースが材料の永久磁石が不要という。ただ、振動や音が大きいため、まずは建設現場や農業で使われる産業用車両向けで実用化する。同社が8月に買収を発表した電機大手エマソン・エレクトリックのモーター部門の得意技術という。 レアアースは、モーターやエコカー用電池などに幅広く使われる。世界最大の産出国の中国が輸出制限に動いており、価格高騰や調達自体が難しくなるとの予想もある。
植物のタバコに含まれるニコチンの量を制御するマスター遺伝子を発見したと奈良先端科学技術大学院大の橋本隆教授(植物遺伝子機能学)らが26日、発表した。低ニコチンで健康被害が少ない品種の促成や、薬用植物に使って抗がん剤成分の合成など医薬分野への応用も期待できるという。研究成果は20日付の米植物科学雑誌「プラント・セル」(電子版)に掲載された。 ニコチンは虫などの食害を防ぐ化合物で、根で合成され葉に蓄積される。橋本教授によると、今回発見した遺伝子は、タバコの染色体上に並んで複数存在。この複数遺伝子がニコチンの合成に必要な遺伝子を調節するマスター遺伝子の1つであることを突き止め、低ニコチンの品種育成を早める役割を持つこともわかったという。 この遺伝子は、ニチニチソウで合成され抗がん剤に必要な化合物「ビンカアルカロイド」のマスター遺伝子の遺伝子構造とほぼ同じだったことから、「薬用植物にこの遺伝子を使
1996年から段階的に導入された試験車両「MLX01」に続く、営業線での運転を想定した超電導リニアの新型車両。27年開業予定の中央新幹線で営業運転する車両のベースとして、営業運転を想定した試験を進めていく。 「L0」は、リニア(Linear)の営業線仕様の第1世代車両(0系)を表す。先頭は現在の先頭車をベースにより滑らかな形状とし、先頭長はこれまでの試験結果を踏まえて15メートルに縮めた。車体は角形の断面を採用して居住性を高め、新幹線N700系と同様、乗客の頭上の空間と荷棚収納スペースを拡大する。
中国・上海と浙江省杭州を結ぶ高速鉄道が開通し、国内最速の時速416・6キロの記録を持つ最新国産高速列車CRH380Aの一番列車が26日午前、上海虹橋駅を出発する。営業運転での最高時速は350キロ、同区間約200キロの距離を約40分で結ぶ。 地元メディアによると、同型の国産列車は2012年の開通を目指す北京−上海(約1320キロ)にも投入される予定。銀色の丸みを帯びた流線形の先頭部分が特徴で、鉄道当局は「新世代車両」と位置付けている。 CRH380Aの座席は、日本のグリーン車に当たる1等車が一列左右2席ずつ、普通車の2等車は一列2席、3席の配置で日本の新幹線と同じ。一部車両には、商談などにも使える6席の個室も設置している。 浙江省の省都杭州は同省最大の経済都市で、日本企業も多数進出している。(共同)
営業運転で世界最高の時速350キロで走る高速鉄道「和諧号」=広州、小林写す 【広州=小林哲】新華社通信によると、中国が時速500キロ以上のスピードで走る超高速列車の研究開発を始めた。実際に乗客を運ぶ列車が実現すれば、営業運転で中国の高速鉄道がもつ世界最高の同350キロを大幅に上回るスーパー列車が登場することになる。 中国鉄道省の何華武・首席エンジニアが18日、湖北省であった国際フォーラムで明らかにした。今年9月、中国が独自開発したとしている次世代高速列車が、上海―杭州(浙江省)間の試運転で時速416.6キロを達成。同氏によると、さらに性能を高めた時速400〜500キロで走る超高速列車の開発がすでに始まっており、500キロ以上で走った際の振動制御の研究などが進んでいる。 中国の高速列車は、もともと日本や欧州の技術移転を受けて開発された。9月末現在で同国内の高速鉄道網は7千キロを超え、2
モヒカン君(左)と開発した関根久教授=帝京大はしごを上る様子は人と同じ=帝京大 人に代わってスズメバチの巣に近づき、殺虫剤をシュッ。宇都宮市の帝京大理工学部教授の関根久さんが、スズメバチの駆除に役立つ人型ロボットの開発を進めている。音声で指示を認識し、急なはしごを上ることもできる。実際の出動はまだ先というが、駆除の専門家は期待を寄せている。 開発されたロボットの名は「モヒカン君」。高さ約170センチの人型。骨格には軽い金属や木が使われ、腕や足の関節には小型モーターが付けられている。コンピューターの制御で腕を動かし、歩行ができる。はしごを上る際には、ひざを高く持ち上げ、体を持ち上げていく。その様子は人と同じように見える。 動き方の指示を受け取るのは音声認識装置。離れた場所から小型マイクで指示を出せる。「スズメバチがいるよ」と声をかけると、「任せて、今やっつけるから」と音声で返す「人らし
近畿大医学部(大阪府大阪狭山市)は7日、DNA鑑定の精度を従来に比べて大幅に向上させることができる「ゲノム定量解析システム」を、国内で初めて、法医学教室(巽信二教授)に導入したと発表した。同システムを使えば、これまでより少量で古い遺留品での鑑定も可能という。 同システムはこれまで、国内ではがんなどの研究に用いられているが、米連邦捜査局(FBI)では犯罪捜査へ活用。近大は従来、捜査当局の依頼を受けて司法解剖などを行っており、「当局と連携し、犯罪捜査にさらに役立てていきたい」としている。 近大によると、従来のDNA鑑定は、短い塩基配列が繰り返される回数を調べ、比較する方法が主流だった。これに対し同システムでは、配列の中の特定の場所にある1つの塩基を対象に分析、比較するため、突然変異による読み間違えがなく、約5兆人に1人という正確さで個人を特定することも可能という。 また、理論上は1ナノグラム(
脳卒中の後遺症で長期間まひした手の機能を改善させる手法を、慶応大の里宇明元(りう・めいげん)教授と牛場潤一講師らのチームが開発した。スポーツのイメージトレーニングのように手を動かすことを想像し、脳に刺激を与える訓練を繰り返すことで、筋肉の働きを誘発させた。チームは、新しいリハビリ法になるとみて、実用化を目指した臨床試験に着手した。【西川拓】 国内の脳卒中患者は約150万人と推定され、まひが残る人が多い。現在のリハビリでは、比較的軽度のまひを電気刺激などで回復させる方法がある。しかし、数年間も動かなくなった完全まひの患者では、まひしていない方の手足を鍛えるしかなく、事実上治療を断念している。 チームは、手を動かす際に出る脳波が現れると、手首に装着した電動装具が動くシステムを構築した。 まひした患者の場合、最初は動かすことのできる人と異なる波形になる。そこで、コンピューター画面を通して違いを確
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