東京大学病院(東京都文京区)で、9〜11月に入院患者10人から複数の抗生剤が効かない多剤耐性緑膿菌(りょくのうきん)が検出されていたことが22日、わかった。このうち、40〜70代の男女5人が死亡していた。死亡との因果関係は、現時点ではわからないという。 10人は、重症の血液のがんの治療などで入院していた。死亡した5人のうち、3人の菌の遺伝子は非常に似ているため院内で感染したとみられる。同病院は厚生労働省関東信越厚生局や文京保健所に報告したという。 今後、入院患者の受け入れ制限はしないが、患者の菌への抵抗力を大きく下げるような治療を制限するという。外部専門家でつくる調査委員会を立ち上げて、死亡との因果関係などを調べる予定だ。