長野県須坂市が出品し、100万2千円で落札された油絵。「シャガールの作」とする鑑定書が付いている=官公庁オークションの画面からインターネットの官公庁オークションのページ 自治体が税金滞納者から差し押さえた物件をインターネットで公売する「官公庁オークション」に、真贋(しんがん)があやふやなものや保護動物などモラルが疑われる出品が相次いでいる。財政難を背景に滞納税回収策として積極的に取り組む自治体が増える一方で、担当職員の知識や査定ノウハウは十分でないからだ。こうした事態を受け、官公庁向けの格安査定に乗り出す企業も現れた。 長野県須坂市は1月、官公庁オークションに1枚の油絵を出品した。市の担当者によると、絵の右下に「シャガール」のサインがあり、鑑定書もついていた。真贋鑑定はしていないことを明記し、「せめて額代くらいは」と見積価格を1万円に設定。すると245件の入札があり、100万2千円で落