高度化するユーザーの要求に、従来のITシステムは応えられない――。セールスフォース・ドットコムの宇陀栄次社長はクラウドコンピューティングへの関心の高まり、さらに景気後退も追い風となり「SaaS導入を検討する企業が圧倒的に増えた」と手応えを語る。 ――SaaS/クラウドコンピューティングが企業に与える最も大きな変化とは何でしょうか。 宇陀 一言で言えば、スピードとコスト、そしてクオリティが大きく変わるということです。今までできなかったことが、非常に短期間かつ低コストでできるようになります。 従来のシステムとSaaSとで、なぜスピードが違うのか。それは「簡単に直せる」からです。 今までのITは、いったん作ったものを後で直すにはコストもかかり、非常に大変です。そのため開発も慎重に進めていかざるを得ません。 一方、我々のサービスはすでに百数十万人のお客様に使われており、お客様からの数多くの要求に応