現在、その減少が懸念されているウナギ。海で生まれ、川で育ち、再び海へと向かって深海で産卵するとその一生終える、今も生態に多くの謎を秘めたこの魚は、日本人とその食文化にとって身近で親しみのある食材でもあり続けてきました。日本人とウナギは、これまでどのような付き合いをしてきたのか。そして、この先の未来に向け、人はウナギにどう向き合い、接してゆくべきなのか。シリーズ「ウナギをめぐって」の第二回は、日本人がウナギをどのように利用してきたのか、その歴史と現在の消費に目を向けます。 日本の食文化にかかせないといわれる食材、ウナギ。その消費が始まったのは、いつの時代だったのでしょうか。 ウナギといえば、「土用の丑の日」。 土用とは、昔の暦で定められた、立春、立夏、立秋、立冬の直前、約18日間を示す期間で、特に夏の時期にあたる立秋前の土用がよく知られています。 この夏の土用の期間中に1度もしくは2度、巡っ