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ブックマーク / satoshi.blogs.com (36)

  • 日本のケータイが「ガラパゴス化」した本当の理由

    「ガラパゴス」という言葉が今年の流行語大賞の候補に選ばれたということを聞いていたので、密かに受賞しないかと期待していたのだが、残念ながら大賞は逃したようだ(もし大賞に選ばれていたら、私が受賞することになったのかどうかの疑問はこれで解けずに終わってしまった)。しかし、この言葉をずいぶん前から使っている私としては、この言葉が一人歩きしているようでなんとも言えない気持ちなのでひと言。 まず最初に断っておくと、私が2001年のCTIA(米国の携帯電話業界で一番大きなカンファレンス)のスピーチでこの言葉を使った時は、単に日という「単一民族で、国民の大半の生活レベルが同じで、家電とか携帯電話のようなガジェットに流れるお金が比較的多い」という特殊な環境で、iモードを中心に「ケータイ・ライフスタイル」が異常なスピードで進化をとげていることを表して、「ガラパゴス現象」と呼んだだけのこと。決してネガティブな

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    jusei 2016/02/20
  • Life is beautiful: Web2.0を活用する10の方法、その5と6

    「Web2.0を活用する10の方法」その5は、"Make Your Site Offers Its Content as Feeds and/or Web services"。「サイトのコンテンツをRSSフィードなり、ウェブサービスの形でアクセス可能にしましょう」ということである。補足する必要もないかも知れないが、特にRSSフィードに関しては、HTMLが「人間が読むもの(view)」をやりとりするデファクトスタンダードになったのと同じように、RSSが「ソフトウェアが読むもの(data)」をやりとりするデファクトスタンダードになった、ということをしっかりと認識してウェブ・サービスの設計をすべきである。これは決して「いかにもWeb2.0的なサービス」に限った話ではなく、もっと単純な「企業のニュースリリース」などにも応用すべき考え方である。先日少ししらべてみたのだが、自社のニュースリリースをRS

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    jusei 2016/02/18
  • 「ウェブ進化論」はなぜ「書籍」として出版されなければならなかったのか

    梅田望夫氏の「ウェブ進化論」は、「次に日に出張した時に読む」としてアマゾンのウィッシュリストに入れておいたのだが、昨日になって梅田氏人からが贈られて来た(感謝、感謝)。ついこの前もSixApartの「ブログオンビジネス」でほとんど同じようなことを経験したので、妙なデジャブ感覚を味わいながらの一気読みである。 梅田氏とは一度だけ事を一緒にしたことがあるのだが、その時に一番印象に残った言葉は、「コンサルタントという商売は並大抵の忍耐力ではできない商売ですよ」という言葉。このを読んでも伝わってくるが、「今ウェブの世界で何が起こっているか、何が起ころうとしているか、なぜGoogleがあれほどの株価総額を持つのか」というごく単純なことを理解できない、理解しようともしない人がこの世の中にはたくさんいて、そういった人たちに当の意味で有意義なコンサルタントサービスを提供したり、説得したりする

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    jusei 2016/02/15
  • Web2.0を活用する10の方法、その4

    「Web2.0を活用する10の方法」その4は、"Provide Continuous, Interactive User Experiences"。AJAXやFlashなどを使って、ウェブ・アプリケーションをインタラクティブなものにして使いやすくしようという話である。 このウェブ・アプリケーションを使いやすくする、という方向性には私自身も大賛成なのだが、注意すべき点が幾つかあるので補足しておく。 まずあたりまえのことだが、懲りすぎて逆に使い勝手を悪くしない様に気をつけること。メニューなどにFlashを過剰に使ったために逆にイライラさせられるサイトが未だに沢山あるのは嘆かわしいことだが、それがJavascriptを使ったサイトでも繰り返される可能性は高い。まずは、「ページ遷移させると明らかにユーザーにとって不便な部分だけを非同期通信を使ってページ遷移を避ける」、ぐらいの気持ちでAJAXを使う

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    jusei 2016/02/11
  • 日本が取るべき「ガラパゴス戦略」

    Techcrunchに「ComScore Says You Don’t Got Mail: Web Email Usage Declines, 59% Among Teens!」という記事が出ている。要約すれば、「若い人たちほど旧来型のメールは使わなくなっており、SMS(携帯メール)やIM(メッセンジャー)やFacebookなどの新しい形のコミュニケーションを使う」という話。 日の「ケータイ文化」やmixiの(初期の)成功を見て来た私としては「何をいまさら」という感じ。日には「パソコンのメールなんて使ったことがない」「最初にインターネットに触れたのはケータイから」というユーザーが沢山いるわけで、「パソコンのメールよりもより軽くて即時性のあるコミュニケーションの方が今の人たちのモバイル・ライフスタイルには適している」ことは数年前から周知の事実。 この例が示す様に、日はまだまだ「モバイル

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    jusei 2016/02/09
  • Web2.0を活用する10の方法、その2

    「Web2.0を活用する10の方法」その2は、"Make Content Editable Whenever Possible"。「可能なかぎりコンテンツをユーザーに開放して好き勝手に変更や追加ができるようにするべき」、という話である。筆者は、Wiki をその極端な例として挙げているが、キーとなる言葉は "Wisdom of crowd"(集団の知恵)。"我々の誰一人として、我々全体を会わせたよりも賢くはない(none of us is as smart as all of us)" という言葉もこの「ユーザーにコンテンツを作らせる」サービスのポテンシャルを良く表している。 私自身は、今のWiKi という形は来あるべき姿からはまだまだほど遠いと感じている。一般ユーザーにまで安心して使ってもらえる様になるためには、まだやることは沢山あるように思えるのだ。しかし、そういったツールだとか、ビジ

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    jusei 2016/02/04
  • Web2.0を活用する10の方法、その3

    「Web2.0を活用する10の方法」その3は、"Encourage Unintended Uses" (想定外の使い方を奨励しろ)。筆者は幾つかの意見をまぜこぜにして述べているので少し分かりにくいが、コアとなる意見は「『このサービスはこう使うべき』と決め付けて作らずに、ユーザーが自分なりに工夫して使えるようにした方が良い」ということである(ちなみに、筆者はこれに加えて、mash-up や remix しやすいようにサービスAPIを用意した方が良いとここで言っているが、その点に関しては「その5」でも触れているので、ここではスルー)。 「ウェブ・サービスを作るときは、あまりきっちりと型にはめずに、少しルーズに作っておいた方が、ユーザーがクリエイティビティを発揮できる」という話は、前回のWeb2.0カンファレンスでも話題になっていたが、「もの作り」に慣れた人の方が逆に見落としやすいコンセプトなの

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    jusei 2016/02/04
  • Life is beautiful: ライブドア事件の怒涛の中心で愛をさけぶ

    「ライブドア株に売り殺到 他のネット関連企業にも波及(朝日新聞)」などという記事の見出しを見るたびに、「『ネット関連企業』という十把ひとからげ的なくくり方で、投資家のパニックを煽っているのはマスコミだろう」とツッコミを入れたくなるのは私だけではないはずだ。 冷静な投資家であれば、ライブドアを単純に GoogleYahooAmazon、などの企業などと比べるのは全くの間違いであることは十分承知なはずだ。Google などの「ウェブ・サービス」を業にする企業は、技術力・企画力の強さで大きくなった企業であり、彼らの目的は「世の中のために役に立つウェブ・サービスを作り、その結果として株価を上げて株主・社員に恩恵をもたらす」ことにある。その意味では、「ソフトウェア」を業とするマイクロソフト、「半導体」を業とするインテルも、「世の中のために役に立つ○○を作り、その結果として株価を上げて株主・

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    jusei 2016/01/26
  • ブログを書くこと=未来を自ら創造すること

    昨日の私のエントリーに、Makiさんという方から寄せられたコメントに対して、私なりの返答をしたのだが、コメント欄に眠らせておくのはもったいない会話なので、ここに独立したエントリーとして貼り付けておく。 Maki: Satoshiさん、今回のテーマはとても興味があります。個人的には、大きな社会概念・通念自体が変化しつつあるのではないかと思われます。つまり、Thomas L. Friedmanが「The World is Flat」で述べた『Globalization 3.0』によって、単に、世界が水平的にネットワークで接続されただけではなく、『PullからPushへ』すべてのものが転換していると・・・。これまで企業も個人も、大抵の場合、受け手でありました。その背景には、情報を伝達するツールやインフラは放送局や新聞社、雑誌社などのメディアが主な役割を果たしてきました。しかし、現在、われわれの日

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    jusei 2016/01/18
  • 「50%の完成度でサービスを出す」という言葉を誤解してはいけない

    はてなの近藤社長の、「50%完成度でサービスを出す」という指摘は、まさに「ソフトウェアはサービス」の時代を反映する、ものすごく意味のある言葉だが、万が一勘違いする人がいると困るので、自戒も含めて補足しておく。 ここで言う「50%の完成度」とは、「サービスとして『完成品』と呼ぶにはまだ機能が十分揃っていない」という意味の完成度を指し、決して「アーキテクチャーや不完全だったり、明らかなバグがあるのにサービスインしてかまわない」という意味ではないので注意が必要だ。 少し前に、私の会社で外部のエンジニアを使ってあるウェブ・サービスを作ったことがあるのだが、慣れていない人にプロジェクトのマネージメントをさせてしまったために(これは私のミス)、一応外見上は動いているものが出来てきたものの、スケーラビリティに明らかな問題があり、ユーザーの数が増えたときに破綻するようなものが出来てきてしまったのだ。 担当

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    jusei 2016/01/08
  • 今年の抱負(BHAG):Swipe Vision

    年頭に「今年成し遂げたいこと」を考えるのは、頭を整理して人生のプライオリティを決める上で、とても良いことです。 私にとっての今年の目標は、「(去年の末にオープン化した)Swipe を、モバイル向けのコンテンツ配信のデファクト・スタンダードにすること」に尽きます。 簡単ではないことは知っていますが、せっかく目標を立てるのであれば BHAG (Big Hairy Audacious Goal = 困難で思いっきり大胆な目標) でなければならないと、日頃からメルマガなどで起業を目指す人たちに語りかけている私としては、自分にだけ簡単なゴールを設定するにはいかないのです(笑)。 とりあえず去年は、iOS 向けの Swipe Engine をオープンソース化しましたが、Android 版も必要だし、オーサリング環境(Swipe Studio)の開発も急ピッチで進めなければなりません。 当然、コンテンツ

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    jusei 2016/01/02
  • 2016年、Virtual Reality はキャズムを超える

    この業界で働いていると、新しい技術がでてくるたびに「今年は〜〜元年だ」という言葉を見ます。スマフォ元年、IPTV元年、VR元年、自動運転車元年、などです。 新しい技術を使った商品やサービスが初めて市場に導入された年を指す言葉ですが、導入されたばかりの技術が、市場や私たちのライフスタイルに大きなインパクトを持つことはほぼありません。 ほとんどの場合、初期に投入された製品やサービスは、値段が高い、使い勝手が悪い、価値が理解されないなどの理由で、ごく一部のアーリーアダプターと呼ばれる人たちだけに使われる、ニッチな成功しか収められないのが普通です。 アーリーアダプターにしか受け入れられなかったものが、一般の人にまで普及するまでの間の「生みの苦しみ」の期間のことを「キャズム」と呼びますが、数多くの商品やサービスがキャズムを超えられずに消えてしまうし、多くの場合「キャズム越え」をするのは一番手ではなく

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    jusei 2015/12/24
  • StarOffice/OpenOfficeがMicrosoft Officeに勝てない理由

    このことは以前から書こうと思っていたのだが、誤解を招かずに説明するのが難しいので、しばらく棚にしまっておいた。しかし、今回「Blue Ocean Strategy」(日語訳:ブルーオーシャン戦略)を読み始めて、なかなか良い表現を見つけたので、それを利用して説明する。 詳しくは、このの第二章、「Analytical Tools and Frameworks(分析のためのツールとフレームワーク)」を読んでいただくのが一番良いが、あるマーケットを見たときに、既存の商品の「主要な要素(principal factors)」を抽出して、そこで真っ向から血みどろの戦いを挑むのが「red oceanの戦い」であり、逆にその要素から幾つかの項目を思い切って切り捨て、それとは別に新しい価値を生み出す要素を追加して、真っ向からの戦いを避けるのが「blue oceanの戦い」なのである。 この観点から St

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    jusei 2015/12/18
  • Life is beautiful: Aクラスの人はAクラスの人を採用したがるが、Bクラスの人はCクラスの人を採用したがる

    連休のしめくくりは、DVD「The Incredibles」(日での題名 Mr.インクレディブル)の鑑賞。Pixar の映画は全て見たと思いこんでいたのだが、これだけを見ていなかったことに「スティーブ・ジョブズ・偶像復活」を読んでいて気が付いて以来、見たくて仕方がなかったのだ。 既に知っている人も多いかも知れないが、「The Incredibles」以前の Pixar の作品、「Toy Story」、「A Bug's Life」などは全て John Lasseter 自らが監督した作品。それを、あえて外部から Brad Bird を招き入れて作らせたのが 「The Incredibles」である。他の Pixar 作品と少し毛色が異なるのも納得できる。 「スティーブ・ジョブズ・偶像復活」を読んでいて、この映画を見たくなった理由は、Brad Bird をこの映画のために Pixar に招き

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    jusei 2015/11/29
  • Life is beautiful: Web2.0時代のリミックス文化は「21世紀のルネッサンス」

    最近リミックス(Remix)という言葉を目にする機会が増えている。はてなダイアリーの辞書に、「楽曲制作で、完成された曲の録音素材をもとに、編集したり、新たに素材を加えたりして、別のアプローチからその曲を再構築すること。または再構築されたその曲のこと。」と書かれている通り(参照)、一般には曲にのみ適用される場合が多いようだ。 しかし、リミックスという概念を、音楽に限らず、画像、映像、文章、ソフトウェア、なども含めた人間の創作活動全てに適用してみると、色々と面白いことが見えてくる。 1)既存の曲に画像や字幕をリミックスしたFlashアート(「恋のマイアヒ」、「もすかう」など) 2)他人のブログエントリーやニュースの記事を引用しつつ自分の意見をリミックスするブログエントリー 3)複数のプログラマーがそれぞれの変更・改良をコミュニティに還元するという形のリミックスで進化するオープンソース・プロジェ

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    jusei 2015/11/24
  • Life is beautiful: 図解、イノベーションのジレンマ

    私がマイクロソフトをやめるキッカケを作ったのが、「イノベーションのジレンマ」というだということは、以前にも書いた。IT業界でビジネスをしている限り、大きな会社にいようと、小さなベンチャー企業にいようと、このに書いてあることを日々意識しながら仕事をするかどうかは大きな違いを生むはずだ。 このブログでも何度も引用しながら、一度もちゃんと解説を書いたことがなかったことに気が付いたので、今日のエントリーは、このに書かれているコンセプトの解説。 そう思っていつもの様に書き始めたのだが、文字だけではとても伝えにくいコンセプトだ。しかし、図解と言えばパワポ、というのもありきたりすぎるので、会社の廊下にあるホワイトボードに手書きで描いた図を、携帯電話で撮影したものを使うことにした。通りがかった社員にも見てもらえるので、一石二鳥である。 上の図は、このに書かれたコンセプトを一般化したもの。ブルーのラ

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    jusei 2015/11/17