“ピケティにつぐ欧州の知性”ルトガー・ブレグマンと、“芸人であり教養人”パックンが世界の諸問題に対する解決策を語る異色対談。過去二回では貧困削減のための「ベーシックインカム」、長時間労働解消のための「週15時間労働」について議論した。最終回となる今回のテーマは「国境開放」。「貧困問題に最良の方法」としながらも、リアリティある方策なのだろうか。さらに、ブレグマンが著書『隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働』で一番伝えたかったこととは?(2回目「“週15時間労働”を実現するために」より続く) ユートピア的思考を取り戻せ パックン 今回、この本で最も伝えたかったことは何ですか。 ブレグマン ユートピア的思考を取り戻すことの重要性です。私は1988年に生まれ、幼少期からユートピア的な思考や考えに否定的な環境で育ちました。とにかくファシズムや共産主義といった過去の失敗から