朝ドラ「おかえりモネ」を理解するキーワード=当事者。そう教えてくれたのは朝日新聞文化面だった(10月19日)。震災の当事者とは誰なのか。当事者でない者は、当事者とどう向き合えばいいのか。東日本大震災10年の年にそれを問いかけているのが「おかえりモネ」だ、と。 脚本家の安達奈緒子さんがよりどころとしたのは、「人の痛みは、その人にしか絶対にわからない」ということ。そうも紹介していた。なるほどー、だから主人公のモネも妹の未知も暗かったんだ、と少し腑に落ちた。でも、わかりやすくはなかった。問題提起型朝ドラ。そんな言葉も浮かんだ。それにしても、しんどかった。今、そんな気がしている。 そもそも朝ドラといえば、何者かにならんとするヒロインだ。「何者か」の方向はさまざまだが、自分の気持ちに忠実に生きていることは共通する。そのまっすぐさが好きで、長きにわたって朝ドラを見ている。 語らないキャラ、複雑な当事者