もう絵を描く機会などあるまい。 全くそういう気持ちになれないし、根本的に自分の生み出したものが好きになれない、とぼんやり思い、その話題から目を逸らし続けてかれこれ6年が経っていた。 決して短い期間ではないと思う。これだけ離れていたのだから、私が再びまっさらな支持体(紙やキャンバスをこう呼ぶ)に向き合う瞬間など訪れない、という予感が真実だと「錯覚」する程度には長い。ある子供が小学校に入学してから、卒業して学舎を去るまでに等しい年数……。 けれど今、私はああでもないこうでもないと言いながら鉛筆や筆を持ち、思い描いた像が画面上に実現しないと四苦八苦している。実のところ半年ほど前から。早朝や、会社から帰った後の余暇や、深夜や、休日の昼間などに。 つまりはまた、絵を描き始めたということだ。 長らく使っていなかった筋肉をもう一度動かすように、かつて学んだが錆びついた言語を思い出しながらたどたどしく用い
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