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「日本の刑事裁判において有罪率が高いのは、無罪になりそうなものを検察が最初からふるいにかけているからだ」という一種の神話は日本国内においてだいぶ流布されていますが、これはある種のトートロジーが含まれています。「どの程度の証拠がそろえば有罪としてくれるか」「どの程度処罰範囲を拡張する方向に法解釈をしてくれるか」ということに関する日本の刑事裁判官の傾向についての認識なくして、「無罪になりそうなものを検察が最初からふるいにかけ」ることは不可能だからです。 で、日本の刑事裁判においては、「どの程度の証拠がそろえば有罪としてくれるか」についてのハードルは極めて低いと言わざるを得ません。そのことがわかりやすい形で現れたのが、「痴漢冤罪」です。なにしろ、ほとんど唯一の証拠である「被害者」の証言が重要な部分で二転三転しても、被害者証言に信用性を認めて、有罪にしてしまう例など珍しくないのですから。そういう意
はてブをさまよってましたら、池田信夫blogというブログで「「有罪率99%」の謎」という記事が書かれているのを見つけました。 全くそのとおり、と思うところもそうでないところもありますので、元下っ端検事の目でちょこっとコメントしてみます。 (「99%有罪は、非合法黙認の温床」404 Blog Not Foundに対する反論も追記しました。) 最初に統計数字の意味をきちんと解説しておられますが、そのあたりはとても大事なことだと思います。 この違いの原因は、大陸法と英米法の違いにある。英米法では陪審員がおり、彼らは職業裁判官に比べて無罪の評決を出す確率が高く、検察官にとって予測がむずかしい。 英米法系の実務に詳しくありませんが、たぶんそうだろうな、と思います。 日本でも裁判員制度が施行された後の数字の変化が興味深いです。 これに対して、日本では裁判官と検察官の間に有罪となるかどうかについてのコン
2007年01月20日23:00 カテゴリMedia 裁判官は冤罪でも晒されない この事件で、摩訶不思議なことがもう一つ存在する。 livedoor ニュース - [誤認逮捕]服役の男性は無実 無職男を再逮捕 富山県警 富山県警は19日、県内で02年1〜3月に発生した強姦(ごうかん)、同未遂の二つの事件で誤認逮捕していた、と発表した。 佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン:裁判所は冤罪でも叩かれない NHKニュースでもやっていたが、富山県警と富山地検の釈明会見はあっても、肝心の富山地裁の釈明会見がないというのは、冷静に考えると摩訶不思議だ。 本事件を担当した判事の名前が、記事のどこにもないのだ。 裁判官が日本を滅ぼす 門田 隆将 レジデント初期研修用資料: メディアの読みかた報道された事件をみるときには、「報道された事実」を検証する作業とは別に、 「報道されていない事実」が何なのかを調
強姦などで服役の男性無実 別の男が容疑認め逮捕 富山(朝日) NHKニュースでもやっていたが、富山県警と富山地検の釈明会見はあっても、肝心の富山地裁の釈明会見がないというのは、冷静に考えると摩訶不思議だ。 富山県警は19日、02年に起きた強姦(ごうかん)事件などで懲役3年の実刑判決を受けて服役した富山県の男性(39)が無実だったと明らかにした。県警は同日、この事件の容疑を認めた松江市西川津町、無職大津英一容疑者(51)=別の強姦罪などで公判中=を強姦容疑などで再逮捕。富山地検高岡支部は男性の裁判のやり直しのため、富山地裁高岡支部に再審請求する。(朝日) こっちでも見出しは「富山県警が大失態」で、決して「富山地裁が大失態」とは絶対ならない。別に富山県警の捜査が誤っても、地検が誤って起訴してもしょうがない。誤認逮捕、誤認起訴は有り得る事だ。で、最後の砦の裁判所が検察側と弁護側の言い分を聞いたう
村上容疑者の裁判を傍聴してきました 少し古い話で恐縮ですが、昨年の12月中旬のある日、インサイダー取引容疑事件で公判中の村上世彰被告は僕の携帯に電話をかけてきました。 「宋さん、今度僕(村上容疑者)の裁判が始まります。ぜひ法廷に傍聴に来てほしい。ご自分の目で確かめてほしい」と。 僕は既に講演の予定があり日程調整に苦労しましたが、裁判のある12月19日の午前中をなんとか空けて、生まれて初めて裁判所に行ってきました。 傍聴券を求める行列はよくテレビでご覧になると思いますが、東京地裁の内部の様子をご存じのない読者は多いかもしれませんので、簡単に紹介します。法廷に入る前には、空港と同様に安全検査を受けます。空港と違うのは、男性の場合、検査を受けてもカバンを法廷内に持ち込んではいけないことです。不思議なことに、女性はハンドバッグを持ち込んでもよいようです。ご存じかもしれませんが、録音装置やカメラは一
コンビニでパラパラをダ・ヴィンチを立ち読みしていたら、呉智英さんが山本譲司さんの『累犯障害者』と『獄窓記』を連載「マンガ狂につける薬」で紹介していたので買ってみた。 『累犯障害者』は以前エントリーで紹介させてもらいましたが、 昨年読んだ犯罪関連分野本の中で(私が関わった本ではなくて)、「知らなくてすいませんでした!」「衝撃的!」「目からウロコ!」「いっき」に読んだ本を5つあげろといわれれば以下の5つです。端的にいって(不謹慎な言い方をあえてすれば)「すごーいおもしろかった」本です。 その本のなかで特に忘れられない記述をあわせて5つあげろと言われれば以下をあげます。 1 『刑務所の風景―社会を見つめる刑務所モノグラフ 』 浜井浩一著 受刑者面接風景 (『犯罪不安社会 誰もが「不審者」? 』の第4章にも一部出てきますが) 2 『累犯障害者 』山本譲司著 デフファミリー 3 『獄窓記 』山本譲司
ガンダーラさんからの以下のようなコメントを頂いたので,標記の件について述べたいと思います。 >弁護士の数が一気に増え路頭に迷う弁護士も出てくる時代となりそうですが、 >検事志望、裁判官志望の若者が増えないのは如何なものかと思います。 > >この偏りはなんなのか?やはり収入か? >弁護士ばかりが増えても裁判が進まない気がして心配です。 司法修習生の検事志望,裁判官希望は実際は増えていると思います。 やはり収入が安定してますし(社保完備,社宅あり,退職金あり。これに対して,弁護士は,事務所によりますが,ほとんどが個人経営で,経営は安定してないし,病気したら終わり,ハイリスク・ハイリターン。生涯平均年収も,裁判官が一番多いとも聞いたことがあります。), 優秀な人がなることが多いので,法曹界ではエリートとして扱われることが多いですからね。 それなのに,なぜ実際は裁判官・検察官の年間の採用人数がそれ
うまくいかない日に仕込むラペ 「あぁ、今日のわたしダメダメだ…」 そういう日は何かで取り返したくなる。長々と夜更かしして本を読んだり、刺繍をしたり…日中の自分のミスを取り戻すが如く、意味のあることをしたくなるのです。 うまくいかなかった日のわたしの最近のリベンジ方法。美味しいラペを…
さて、一つ前の記事、「オリコンが個人に対し、名誉棄損だとして5000万円の賠償請求」を読めば分かるように、もはや言論弾圧だとか言っている間にも、いつ訴えられるかわかったものではありません。自分の身を自分で守るためには法律に詳しくなることはもちろんですが、知った法律を正しく運用できないと意味がありません。 また、いくら詳しくても所詮は実戦を伴わない素人……生半可な知識はやけどの元です。必ずどこかの局面で弁護士に頼らざるを得なくなります。 しかし実際には弁護士と言ってもピンからキリまで存在しており、さらに弁護士を頼むような状態に陥ったときには既に遅かりし、余裕を持って選んでいる状態ではありません。一刻も早く自分の味方になって法的アドバイスをしてくれる弁護士を選ぶ必要性に迫られているのですから。 そこで、非常に簡単ではありますが「弁護士を選ぶ方法」「弁護士の選び方」「はずれをひかない方法」につい
Author: JackDaniel | Posted: 06/12/20 08:19 Category: columns | Edit | [B] Prev: “そろそろ今年も終わります” | Next: “Getting Things Done” トラックバックはここ: http://tknr.net/mt/mt-tb.cgi/66 巨大企業から訴えられた場合になどに備え、いい弁護士を選ぶ方法 として,ある有名サイトが解説をしているが,事実誤認も甚だしいので,一言言いたいです。 もちろん,実際にそのような基準で選ぶことのできる具体的な方法はないと思うので単なる冗談だとは思うのですが・・・(最後はホントの弁護士か確かめるとかいって結局日弁連のサイトしか紹介していないし。ネタでしょうか。) 1.司法試験合格までの期間 平均の合格年齢は28~くらいで最近までどんどん高年齢化して
マスコミにない情報を独自取材して書いています。タレント性の強い政治家などに関連したものが多いです。初期の記事は田中康夫長野県知事に関したものが主です。 【お願い】この記事が書かれたのは2006年11月06日です。 当時高校生だった、バレー部所属の生徒ら30人が、裁判の場に名を連ねさせられた異常なものです。 高校生だった人も今では30歳をすぎて、子供を持っている人もいるでしょう。 私の「追撃コラム・ブログ」には今でもいじめに関した記事にアクセスがあります。 いじめが話題になった時はとくに増えます。 当時、高校生だった人が昔のことを思い返してアクセスしているのでしょうか? 昔は言えなかったけど、今なら言いたい、ということがあるのではないでしょうか。 当時の真相を語ってスッキリしたい気持ちがあるなら、連絡してほしいものです。 当然ながら個人情報は秘匿します。 Eメール➡ a7k6i5-tuige
2006年10月27日17:15 カテゴリ書評/画評/品評 裁判所が国を滅ぼす センセーショナルなタイトルだが、実は事実の半分しか指摘してない。 裁判官が日本を滅ぼす 門田 隆将 なぜなら、その裁判官たちに日本を滅ぼさせているのは、他でもない我々なのだから。 本書「裁判官が日本を滅ぼす」は、ノンフィクションであるが故に、カフカの「審判」よりも恐ろしい。目次をみるだけでガクガクブルブルである。 目次 小野悦男を解き放った無罪病裁判長の責任 「痴漢はあったのか、なかったのか」―同じ証拠で逆の結論 犯人が消えてなくなった仰天判決 裁判上の真実は「本当の真実」とは無関係 医師も絶句する「医療裁判」の呆れた実態 元検事も激怒した金融裁判のデタラメ 無期懲役の殺人犯がなぜまた無期懲役なのか 遺族を怒鳴り上げる傲慢裁判長 法廷で不正を奨励するエリート裁判官 少年法の守護神となったコンピューター裁判官 光
2006年10月23日11:00 カテゴリ 元刑務官が明かす死刑の全て 率直に言って、本書「元刑務官が明かす死刑の全て」著者坂本氏は、文章が上手な方ではない。何度か読み返さないと、著者が何を言いたいのかわからない。 元刑務官が明かす 死刑の全て 坂本 敏夫 それだけに、本書には読むだけの価値がある。下手な文章は、坂本氏が「中の人」だったことの傍証でもあるのだから。 タイトルどおり、本書は死刑の現場にいた人が、死刑の実態がどのようであるかを書いた本。目次は以下のとおり。 第1章 二〇〇一年死刑執行はかくなされた 第2章 これが現在の処刑だ 第3章 拘置所の日常と死刑囚の生活 第4章 初めて明かされる死刑囚監房の真実 第5章 殺人犯、その裁きの現場 第6章 死刑を執行するということ 本書が下手だと思うのは、死刑の実態を少しでも伝えるべく、光景を劇画化したり、実情に基づいているとはいえドラマを載
2006年10月15日19:55 カテゴリ書評/画評/品評 書評 - 自白の心理学 「99.9%は有罪」という言葉ですぐに思い出したのが、本書「自白の心理学」だ。 自白の心理学 浜田寿美男 日本において取り調べを受ける可能性のある人々、すなわち日本国に住む者は全員目を通しておくべき一冊だと思う。 同工異曲としては、「取調室の心理学」もあり、これはこれで面白いが、強いて傾向を述べると「自白の心理学」はより鳥瞰的、「取調室の心理学」はより虫瞰的なので、こちらの方を本entryでは紹介する。もちろん両方読んでもよい。「取り調べられる前に」本書を読み、「取り調べられることになったら」(拘置所で?)「取調室の心理学」に目を通すという使い分けも出来るか。 目次は以下のとおり。 序 自白と冤罪 冤罪は遠い世界の話ではない 冤罪のひろがり 解くべき謎 第一章 なぜ不利なうそをつくのか 宇和島事件と自白 う
« 文字数、行数、枚数などがわかる文章解析機能エディタ Text Analyzer | Main | このブログ専用の携帯リーダー 「情報考学アプリ登場」By feedAPPLI » 書評:脳・こころ |書評: 企画・発想| 書評:文化・文明|書評:経済・経営 |書評:子 供・教育|書 評:小説・戯曲|書評:ネット活用 |書評: 仕事・管理|書 評:メディア論|書評:その他|書評:思想・哲学 |書評 :文章・表現|書評:認知・心理 |書評:神 話・宗教|書 評:科学・技術|書評:社会・世間 |書評:教養 ・雑学 2006年度 年間オススメ書籍ランキング ノンフィクション部門 2006年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション編 2005年度 書籍売り上げラン キング ベスト20 2005年度 年間オススメ書籍 ランキング ベスト20冊 2004年度 人気記事ベスト10 アクセス数が多か
ある飲食店で嫌な思いをした事をブログに書いてしまいました。 数日ぶりに自分のブログを開いたら「そこって○○市の××(店名)ではないですか?」 というコメントを含め、同様の対応を受けた方から8件ものコメントと、 お店の方から「グーグルで店を検索すると、この記事が上位にヒットする。 営業妨害・名誉毀損なので削除しないと法的手段をとる」といった内容の非公開 コメントがきていました。 急いで記事を削除、その後ブログ自体を閉鎖しましたが、グーグルの検索結果では 未だに上の方にヒットし、キャッシュで記事・コメント全文が読めます。 キャッシュを消す方法を色々検索し、こちらでも同様の質問・回答がございましたが 大変お恥ずかしいのですがよく理解できないのです。 グーグルの「自動 URL 削除システム」で削除依頼しようと思いますが <Web マスターがまず robots.txt を作成して問題のサイトに配置す
埼玉の園児死傷事故、運転者に危険運転致死罪適用されず 川口の園児ら死傷事故 「危険運転」での起訴断念 遺族ら「納得できぬ」 結論から言うと、世論は子供が犠牲になる事件はすべて重く罰して欲しいのである。危険運転致死傷罪は1999年に東名高速道路で起きた、泥酔した大型トラックが子ども2人を焼死させるなど7人を死傷させた事故が契機に立法化されたものであるが、犠牲者が子どもでなければここまで世論は盛り上がらなかったであろう。 世論が求めていたのは、飲酒などの危険運転を減らしたいというのが主眼ではなく、子どもを殺したやつを重く罰して欲しいだけなのだ。今回の検察の判断に関して、報道ステーションの古舘伊知郎は「法律はつくづく不備だ」と言っていたが、ちょっと的外れなコメントである。世論を満足させたいだけならば、刑法に幼い子どもが犠牲になった場合の重罰規定を作ればいいのである。しかし被害者の属性によって罪の
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