「増え続けるステークホルダー間の調整や技術の選択肢の多様化など考えるべきことが多く,1人のマネージャではとても回らなくなってきた」。住生コンピューターサービスの小浜耕己氏(品質保証部 品質保証グループ長)は今の開発の難しさをこう語る。 しかし,小浜氏が現場をつぶさに見ていくと,うまくいく人は何があってもうまくいくことに思い当たった。「彼らは他の人には見えぬ潜在リスクに気づく。だから早いうちに問題に対処できる。その人が気づくことを他の人が気づけるような仕組みを作れば,全体のレベルは上がるはずだ」(小浜氏)。 第1の力は問題が「見える力」。すなわち問題発掘の仕組みである。 暗黙知を可視化する 見える力は,まだ表面化していない問題を,表に引きずり出す力である。属人的なその力を仕組みに作り込んだ,小浜氏らの取り組みを三つ紹介しよう。 (1)プロジェクト計画書のひな型 “何があってもうまくいく人”の