<since 1918> 出版は天下の公器 一国文化の水準と全貌を示す刊行を 鈴木一行現社長の父は創業者・鈴木一平の三男で4代目社長の荘夫。だが、後を継ぐよう言われたことはなく、大学卒業後は現味の素AGFで営業や企画開発を担当。その後、コンピューターのソフトウエア会社に転職し、シンガポールで営業を担当していた。そのシンガポールに父が来て、後を継がないかと言ったのは1992年のこと。1年考えて、入社した。総務部を経て社長に就任したのは2000年だった。 90年代の中ごろ、出版業界ではIT化の進展により、ある変化が起きていた。辞典類の電子化や他社へのコンテンツ提供だ。しかし、複数出版社の相乗りというあり方に対する業界の抵抗は大きかった。そんな中、流れに先行できたのは、一行社長の前職が寄与したようだ。「総務をしながら営業も担当しました。当時、社内ではITのことを理解している者は少なかったので……