英ロンドンのナショナル・ギャラリーでピカソの名画「母性」に、パレスチナ自治区ガザ地区の母子の写真を貼り付ける「ユース・デマンド」の活動家(2024年10月9日撮影)。(c)AFP PHOTO / Youth Demand / HANDOUT 【10月10日 AFP】英ロンドンのナショナル・ギャラリー(National Gallery)で9日、環境・平和団体の活動家がイスラエルに対する武器禁輸を求め、パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の名画「母性(Motherhood)」に、血まみれになったパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)の母子の写真を貼り付けた。 同ギャラリーによると、活動家2人が逮捕された。絵画に損傷はなかった。 環境や政治をテーマに活動する若者の直接行動グループ「ユース・デマンド(Youth Demand)」は声明で、ピカソ作品を保護していたガラスのカバーに写
オーストラリアで議論を呼んでいる女性専用の美術館展示が、差別禁止法に違反するという一審判決がこれを覆す判断を示した。このため、展示が間もなく再開される可能性が出てきた。 タスマニア州にある美術館「ミュージアム・オブ・オールド・アンド・ニュー・アート(MONA)」は2020年、男性の入場を禁止する「レディース・ラウンジ」を設置。男性の入館を禁止することで、歴史的なミソジニー(女性嫌悪)を浮き彫りにしようとしていた。 しかし、入場を断られた男性客の一人が、この展示は差別禁止法に違反しているとしてMONAを提訴。一審の裁判所は今年4月、美術館の主張を不当とし、男性の入場を認めるよう命じた。MONAはこれを受け、「レディース・ラウンジ」の一般公開が停止するとともに、控訴していた。
大阪府の咲洲庁舎地下駐車場に、ビニールシートをかけられて置いてあった美術作品。問題発覚後、別の府有施設に移された=大阪市住之江区で2023年7月、山田夢留撮影 大阪府が所蔵する美術作品を地下駐車場に置くなど不適切に扱った問題で、府は25日、作品の活用や保全を検討する専門家チーム(座長、山梨俊夫・前国立国際美術館長)の最終報告を公表した。作品の継続的な管理のために府に新たな体制を整備し、現在は不在となっている学芸員を配置する必要性を指摘。地下に置かれていたものをはじめ劣化した作品については修復計画をつくり、必要な予算を継続的に確保するよう求めた。 最終報告では、府が咲洲(さきしま)庁舎(大阪市住之江区)の地下駐車場に6年間にわたり置いていた105点の作品について、昨年9月に暫定移管された府有施設ではなく、今後も安定して保管できる場所の確保を要求。作品を継続的に管理していくため、2025年度に
高知県立美術館(高知市)は12日、所蔵している油彩画、ハインリヒ・カンペンドンク作「少女と白鳥」(縦69センチ、横99・3センチ)に贋作(がんさく)の疑いがあると発表した。徳島県立近代美術館からの指摘で分かった。専門家に鑑定を依頼するなどして真贋を調査し、秋ごろに結果をまとめる予定だ。 カンペンドンク(1889~1957年)はドイツ表現主義を代表する作家。「少女と白鳥」は作品総目録に名前はあるが、画像は掲載されていなかった。高知県立美術館は1996年、ドイツの画商から富豪のコレクターに譲られたという来歴を確認し、名古屋市の画商から1800万円で購入した。同美術館で15回、館外貸し出しで3回展示された。 徳島県立近代美術館が、所蔵作品の一つに「天才贋作師」として有名なヴォルフガング・ベルトラッキ氏による偽物の疑いがあるとの情報を確認し、開催予定だった所蔵作品展での展示を取りやめると12日に発
愛知県北名古屋市の名古屋芸術大学で、今年度就任した來住(きし)尚彦学長からセクハラを受けたと複数の女子学生が訴え出ている問題などを、現役の学生が「現代アート」で表現した展覧会が6月5日まで、学内のギャラリーで開かれている。 問題をあいまいにしようとする大人たちに対し、学生が果敢に声を上げ、自らが学ぶ現代アートの形で問題提起しようという行動に私も注目し、開催5日目の6月4日に動画撮影を含めて取材しようと足を運んだ。 すると、大学側から「取材としては入らないでほしい」と言われ、展覧会そのものの記事化を禁じられた。 しかし、これは取材や発信を望む学生たちの表現の自由にも関わる大きな問題だ。表現を尊重すべき「芸術大学」で何が起こっているのか、大学側の言い分を含めてありのままにお伝えしたい。 【関連記事】 ・【独占インタビュー】作曲家・宮川彬良が憤り、語る「名古屋芸術大学」のセクハラ疑惑と学長選考問
【読売新聞】 博物館などで文化財を傷める虫やカビをガスで殺す「 燻蒸 ( くんじょう ) 」を行うことが、格段に難しくなる可能性が高まっている。国立博物館など全国の博物館で最も一般的に使われているガスの販売終了が決まったためだ。現在
ピナコテーク・デア・モデルネ美術館=2021年5月、ドイツ・ミュンヘン/Hannes Magerstaedt/Getty Images (CNN) 自分の作品を有名な美術館に飾るという夢をほんの一瞬実現したドイツ人の男がいた。 しかし、この野心ある芸術家の離れ業はかえって雇い主と、さらには警察との大問題を引き起こし、チャンスへの期待はわずか数時間で消え失せた。 独タブロイド紙「南ドイツ新聞」や独ミュンヘン警察によると、51歳の展示技術者で自称「フリーランス芸術家」は2月26日、ミュンヘンにあるピナコテーク・デア・モデルネ美術館に自分の絵画をこっそり持ち込み、展示室の壁に飾った。同美術館の展示物に新たに加わったこの作品を発見した警備員は、すぐにその絵画を撤去し、男は解雇された。 男は美術館に勤務していたため通常の開館時間外でも敷地内を出入りでき、自分の絵画を展示していることに気付く者はいなか
メキシコなどで活動した女性芸術家レオノーラ・キャリントンが描いた評価額5億円の絵画が、愛知県に住む個人から愛知県美術館に寄贈され、4月26日から公開されることになりました。 愛知県美術館に寄贈されたのは「シュルレアリスム」の芸術家として活動したレオノーラ・キャリントンが1946年ごろに制作した油彩画「ウルでの狩り」です。 古代メソポタミアの都市国家「ウル」を舞台にやりを持った生き物たちが巨大な角を持つ鹿を狩る様子が表現されていて、美術館によりますとこれまでは海外に住む個人が所有していたため公開されてこなかった作品だということです。 去年秋に愛知県内に住む個人から「絵画を購入して寄贈したい」と申し出があり、美術館が希望した数点の中から、この作品を購入し寄贈してもらったということです。 評価額は5億円で、愛知県美術館の所蔵品としては4番目に高額な作品だということです。 愛知県美術館は「女性作家
建築家・山本理顕(りけん)。 建築に携わり、建築を学んだことがあれば、その名を知らない人は少ないだろう。 設計を手掛けた「横須賀美術館」や「埼玉県立大学」といった代表作はもちろん、建築家の地位向上や設計者選定の制度確立などのためには訴訟も辞さないほど徹底的に闘うことで知られる。 山本理顕の代表作の一つである埼玉県立大学(©山本理顕設計工場) そんな山本が名古屋で学校法人を相手に2年余りに渡る裁判を争い、未払いだった設計料約5400万円を取り戻す裁判で昨年10月に勝訴。事実上解任させられた学長職の地位を巡る裁判では昨年末に和解に至り、再び学長に復帰できる見通しとなった。 「大学教育の危機と、建築家の役割や職能性を考えたときに、問題提起せざるを得なかった」という山本は、裁判を通じて何を訴えようとしたのか。その顛末をまとめた。(文中敬称略) 名古屋の学校法人が新キャンパスの設計と学長就任を依頼
舟越桂さんの「ラムセスにまつわる記憶」=神戸市中央区の兵庫県立美術館で2015年6月27日、梅田麻衣子撮影 詩情の漂う人物像で知られる、現代日本を代表する木彫作家、舟越桂(ふなこし・かつら)さんが29日、肺がんのため死去した。72歳。 クスノキを使った半身像に彩色を施し、さらに大理石の目をはめ込むという独自のスタイルを確立。歴史ある木彫の世界で、新しい地平を切り開いた。 盛岡市生まれ。高校時代はラグビーに熱中したが、彫刻家の道に進むことを決意。東京造形大卒業後、東京芸大大学院に進学し、1977年に修了した。 大学院在学中に北海道のトラピスト修道院から依頼を受け、初めてクスノキを素材に聖母子像を制作。以降、本格的に木彫の道を歩むようになる。
次期学長によるセクハラ疑惑を巡り調査委員会を設置した名古屋芸術大学=愛知県北名古屋市で2020年10月30日午後2時22分、川瀬慎一朗撮影 名古屋芸術大の次期学長に4月1日付で就任予定の同大非常勤講師、来住尚彦氏(63)が、複数の女子学生からセクハラ被害を訴えられているとして、調査委員会を設置していた同大は28日、「ハラスメントはなかった」とする調査結果をホームページ(HP)上に公表した。 同大によると、2月に複数の女子学生からのセクハラ被害の訴えがあり、同大は外部の弁護士2人を含む調査委員会を設置。来住氏や当事者の学生、職員にヒアリングしてきた。 同大は調査結果を28日に受け取り、当初は30日にHP上で公表するとしていた。しかし、セクハラ疑惑が一部で報じられたことから、急きょ前倒しで公表することにした。
(CNN) 米マサチューセッツ州で第2次世界大戦に従軍した男性の遺品の中から日本の美術品が発見され、米連邦捜査局(FBI)が沖縄に返還した。 FBIによると、美術品は退役軍人だった父親の遺品を整理していた遺族が屋根裏で発見し、「極めて貴重なアジアの美術品」と判断してFBIに連絡した。FBIによると、この男性が太平洋戦争に従軍したことはなかった。 「巻物や陶器、古代の地図があった。古くて貴重なものに見えた」。FBIボストン支部の美術品犯罪調整官で、FBI美術品犯罪捜査班のジェフリー・J・ケリー特別捜査官はそうコメントしている。 「そこでちょっとした調査を行い、巻物は20年ほど前、FBIの国家盗難美術品ファイルに登録されていたものと断定した」 発見された美術品は、18~19世紀に描かれた6巻の巻物や、19世紀に手書きで制作された美しい沖縄の地図、皿や鉢、急須などの陶器や陶磁器など。 首都ワシン
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