前章「P2Pと分散ハッシュテーブル〜その1」では 分散ハッシュテーブルの概要と分散ハッシュテーブルの一つであるCANについて説明しま した。この章では分散ハッシュテーブルの中でも最もポピュラーなChordについて 説明をします。 CANはN次元トーラスでハッシュ空間を形成しましたが、Chordでは円状のハッシュ空間、すわなり1次元空間がハッシュ空間全体となります。Chordではスキップリストという概念を使う事によって、非常に高速にオブジェクトの検索をすることができます。例えば、ノード数Nに対して、CANでは次元数dに対しO(N1/d)かかりますが、ChordではO(log N)となります。では早速Chordの概要について説明しましょう。 Chordではハッシュ空間を2160使い、ハッシュ関数としてSHA-1を想定しています。ここではハッシュ空間を説明しやすくするため、16=24にしましょう