近年、認知症を含む高齢者が「加害者」となる事故が後を絶たない。本人に悪意がない場合、目の前で起こる悲劇に、近くにいる家族はどう向き合えばいいのか。 この問いにひとつの答えを示す映画『誰かの花』が1月29日に公開される。「被害者遺族」が「加害者の家族」になるかもしれない状況に陥り葛藤する様を描いた本作は、脚本と監督を手掛ける奥田裕介氏の実体験と取材に基づいているという。奥田氏に、作品に込めた思いについて聞いた。 『誰かの花』あらすじ 数年前に交通事故で兄を亡くしている主人公・孝秋(カトウシンスケ)は、薄れゆく記憶の中で徘徊する父・忠義(高橋長英)と、そんな父に振り回される母・マチ(吉行和子)のことが気がかりだった。強風吹き荒れるある日、実家の団地で事故が起こる。ベランダから落ちた植木鉢が住民に直撃し、救急車やパトカーが駆けつける騒動となったのだ。父の安否を心配して実家を訪れると、忠義は何事も
![親が突然「加害者」になる高齢化社会を、私たちはどう生きればいいのか(此花 わか)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/cfbfb27b70a6207a8fc4e5bf3ffeecb8d4bb8a23/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fa%2F9%2F1200m%2Fimg_a95b5de505e2c2116f4e6ec19e58799175657.jpg)