障害者を集めてビニールハウスの貸農園などで働いてもらい、その障害者をある企業が雇用した形にして、その企業から多額の代金を得るビジネスが全国に広がっている。障害者は企業と雇用契約を結び、賃金も企業から得ているが、実態としては雇用請負業者の管理の下で働いている。 企業で働く障害者は年々増えており、就労を軸にした障害者施策の成果と言われてきたが、その陰で制度のすき間を利用した巧妙なビジネスがはびこっている。何のための障害者雇用なのか、理念が揺らいでいる。 産廃処理場の跡地で 千葉県内の山間部にあるビニールハウスを訪れたのは8年前のことだ。もとは産業廃棄物処理場だったという場所に大きなビニールハウスが何棟も建ち並んでいる。中をのぞいたが、作業をしている障害者はあまりいなかった。指導員とおぼしき高齢の男性が所在なげに椅子に座っていた。案内してくれた地元の福祉関係者によると、雇用請負業者が近くの農家を
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