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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (5)

  • 「総合こども園」で待機児童は解消できるのか

    政府は2日、少子化社会対策会議を開いて今国会に提出する子育て支援改革法案の骨子を決めた。それによれば、幼稚園と保育所を一体化する「総合こども園」を2015年度をめどに創設し、全国の幼稚園と保育所をこれに移行する予定だ。今回の法案は「待機児童を解消する」とうたっているが、これで問題は解決するのだろうか? 幼稚園と保育所がそれぞれ文部科学省と厚生労働省に管轄され、ばらばらの制度で運営されている現状については、かねてから批判が強い。特に保育所については、申し込んでも入れない待機児童が全国で5万人近くおり、潜在的には80万人の超過需要があるともいわれる。今回の法案では、これに対応するため小規模な保育室や「保育ママ」にも公費を投入し、株式会社や非営利組織(NPO)にも参入を認め、保育の定員拡大を目指すという。 しかしこども園は全面的に規制され、保護者は市町村に希望するこども園を申請する。保育料金は保

    「総合こども園」で待機児童は解消できるのか
  • 「理解」と「目途」と「目標」はどう違うのか──奇妙な日本語を使う日銀に必要なメディア戦略

    銀行は2月14日の金融政策決定会合で、「中長期的な物価安定の目途」を1%とし、「それが見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置により、強力に金融緩和を推進していく」という方針を明らかにした。この「サプライズ」で為替相場は円安に動き、17日午前には1ドル=79円台になった。 日銀は、これまで「中長期的な物価安定の理解」という表現で:「0~2%程度の範囲内にあり、委員毎の中心値は、大勢として、1%程度となっている」という見解を明らかにしてきた。今回はその「理解」が「目途」になったわけだが、いったいどう違うのか、という記者団の質問に、日銀の白川総裁は記者会見で次のように答えている: この数字は、個々の委員の数字を集めているもので、必ずしも、日銀行という組織、日銀行政策委員会としての意思、判断を表すものになっていないのではないかという批判がありました。これに対

    「理解」と「目途」と「目標」はどう違うのか──奇妙な日本語を使う日銀に必要なメディア戦略
  • 円高という黒船が「内向き」日本を変える

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔2月1日号掲載〕 日経済の奇跡を思うとき、私はいつも牛乳の入ったグラスに落っこちたネズミの話を思い出す。ネズミは溺れまいと無我夢中で泳ぐ。するとそのうち牛乳はバターになる。ネズミは助かり、バターを売って大金持ちになる。 日はそのネズミだ。日の驚異的な成功は、逆境への適応の歴史だ。日は天然資源に乏しく大した広さもないし、主要ルートから外れた辺ぴな地にある。要するに豊かになるはずがないのだ。にもかかわらず日は外圧によって強く豊かになった。黒船の来航を受けてアジアで最も豊かな国になり、第二次大戦に負けた後には世界第2位の富裕国になった。 平和になった今、日は円高という新たな黒船に直面している。財務省は毎日、日の窮状を円高のせいにする。日は輸出国だから、円高は日の競争力を低下させる。ライバルの韓国中国の通貨が安いだけになおさらだ、と。 円

    円高という黒船が「内向き」日本を変える
  • 「日本よ、がんばれ!」@香港

    香港で入った書店で、「日・再出発」というタイトルのが目に入った。カバーに使われている写真はあの「希望の松」だ。小さな「頑張ろう!日!」と日語で書かれた赤いステッカーが貼り付けられていた。手に取ると、副題に「日で暮らす香港人22人の地震後の想い」とある...ぱらぱらと開いて、ふと思った。ほかの国でもこんなが出ているのだろうか? 我々は日で震災後海外における「風評」ばかりを気にしてきたが、こんなふうに日で暮らす人々が自分の震災経験を自国の人に伝えようとしていることに我々は気づいているだろうか? 「日人はどうしてこんなに前向きになれるんだろうと、なんども考えた。災難に慣れているから? 周囲のことなんて気にしてないから? どちらかというと、わたしはこう感じている。ここが彼らの家だから、ここを離れるなんて考える必要のない問題だから。SARSの(感染地域に指定された)期間中、わたしも

    「日本よ、がんばれ!」@香港
  • 高品質の「公共」を誇る東京は必ず復活する

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔12月28日号掲載〕 言うまでもないことだが、日にとって2011年は悲惨な年だった。けれど私は、2012年がついに日にとって「目覚めの年」になると信じている。もちろん、東京にとってもだ。 ここ20年以上というもの、日からは1つとしていい話が聞こえてこなかった。日は誰にも止められずゆっくりと、永久的な衰退の道を進んでいるように見える。福島第一原子力発電所の事故は、やる気をさらにそぐことになった。ぱっと見で日に下される診断は明確だ。この国は長期的な破滅へと向かいつつある──。 その一方で、実は「最悪の中の最良」にあるようにも見える。世界中のほとんどすべての国が、今の日よりも一層ひどい状況にあるからだ。 アメリカは数々の大きな国内問題を抱え込み、外国に口出しするような余裕はない。ヨーロッパでも社会問題が噴出し、一向に改善しない雇用情勢に若者世代

    高品質の「公共」を誇る東京は必ず復活する
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