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  • かつて私たちがいた世界『窓ぎわのトットちゃん』 - シロクマの屑籠

    映画『窓ぎわのトットちゃん』 オリジナル サウンドトラック NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンAmazon ある人から、「シロクマさんは『窓ぎわのトットちゃん』を見ておいたほうがいいと思う」と勧められ、疲れたまま週明けを迎えようとしている連休最終日に観に行った。映画館に来ているお客さんは大半が私より年上で、公開から約1か月にもかかわらず客席は結構埋まっていた。 私は原作を読んでいないし、この作品を作った人たちがどういう狙いで制作したのかを知らない。この作品を自分がどう受け取めたのかを確かめてみたかったので、パンフレットのたぐいを買わなかったからだ。インターネット上での評価や噂話もほとんど知らない。先週までノーマークだったからだ。 「トットちゃんはADHD」では片づけられない世界 映画が始まって間もなく、一般的な小学校に通学するトットちゃんが描かれる。私はまず、ここでスゲーと思っ

    かつて私たちがいた世界『窓ぎわのトットちゃん』 - シロクマの屑籠
    kagurakanon
    kagurakanon 2024/01/10
    トットちゃんにとってのトモエ学園とは令和の世でいえばぼっちちゃんにとっての結束バンドに相当する。ここには時代を問わず社会的な正しさとは複数的なアジールによって担保されるという寓意があるように思える。
  • 「こわいのは、コロナより世間」 - シロクマの屑籠

    私の交際範囲のなかでは、こんな言葉が流行っている。 「こわいのは、コロナより世間」 高齢者や基礎疾患を持っている人にとって、COVID-19は命にかかわる疾患だ。とはいえ私の年齢、私の子どもの年齢なら、これが命取りになる可能性はそこまで高くない。この病気よりも恐ろしい病気なんていくらでもある、という気持ちを持っている。 それより、感染したときの社会的・世間的インパクトのほうが恐ろしい。 私自身が感染したらどうなるか、想像してみる。 職場は大変な混乱に見舞われるだろう。一人のCOVID-19感染者が出たら、私の部署、私の職場はだいたい機能不全に陥る。だいたい機能不全になった職場の噂は、あちこちに伝わっていく。「あの会社でコロナが出た」「あそこの支店が閉鎖された」といったかたちで街じゅうが知ることになる。ひとつの職場の機能不全は、ほかの職場にも機能不全を波及させていく。だから、うまく言えないの

    「こわいのは、コロナより世間」 - シロクマの屑籠
    kagurakanon
    kagurakanon 2020/05/04
    かつて河合隼雄氏が日本人の心性を表した中空構造という言葉を想起する。もちろん明の部分もあるし、こうした暗の部分もある。
  • 『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』を出版します - シロクマの屑籠

    健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて 作者:熊代亨発売日: 2020/06/17メディア: 単行(ソフトカバー) 書影が間に合っていませんが、シロクマこと熊代亨の新しいの情報が出ました。数年前から構想し、書き続けてきた現代社会(とそこに適応する私たち)についてのですが、奇しくも感染症の蔓延によって書かれている内容に世界が追いつき、追い抜こうとしているようにも思います。 なので、これからの社会(とそこに適応する私たち)のともなるでしょう。 東京(日)の秩序を踏まえなければ、現代人について書けない インターネットでも書籍でも、私は現代人の社会適応についてずっと書き続けてきました。が、ここ数年は、そもそも私たちが適応している社会、私たちが適応しなければならない秩序をもっと理解しなければ、現代人のメンタルや自由をきちんと語れない、という思いを募らせてきました。 たとえば

    『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』を出版します - シロクマの屑籠
    kagurakanon
    kagurakanon 2020/04/16
    興味深いタイトル。ラカン派の享楽社会論や大澤真幸氏の不可能性の時代など様々なタームを連想します。
  • なぜ少女が湯水のように消費されるのか――男性オタク界隈における少女の消費状況について―― - シ口クマの屑籠(汎適所属)

    今となっては違和感を表明する人もあまりいないが、深夜アニメやライトノベルといった現代のオタク向けコンテンツには、たくさんの少女が登場しては湯水の如く消費されている。『けいおん!』や『魔法少女 まどか☆マギカ』のような、男性が絶無に等しいキャラクター構成が、例外ではなくオーソドックスになったことは、当は驚きに値することではないだろうか。どうして男性オタク界隈でこんな事が起こっているのか?以下に、考えてみようと思う。 1.エロという身も蓋もないニーズ(古典的に消費される少女) アカデミックな議論では無視されがちだが、ベタで重要な要因の一つ。 極めてシンプルに、セクシャルに、「鑑賞対象としてもエロい想像を膨らませる対象としても、少年よりは美少女を見ているほうが気持ちいいから」という身も蓋もない理由。こうした古典的なニーズをよく反映しているのは同人誌の世界である。『けいおん!』のような、エロ消費

    なぜ少女が湯水のように消費されるのか――男性オタク界隈における少女の消費状況について―― - シ口クマの屑籠(汎適所属)
    kagurakanon
    kagurakanon 2019/11/22
    これはラカンの性別化の式や、ドゥルーズの生成変化からも考えてみたい論点。
  • 子ども部屋から少子化を考えてみる - シロクマの屑籠

    90万人割れ、出生率減少を加速させる「子ども部屋おじさん」:日経ビジネス電子版 日経ビジネスに、随分なタイトルの記事がアップロードされていた。内容はリンク先を読んでいただくとして、さしあたり「子ども部屋おじさん」という語彙が生まれるほどには子ども部屋というのは定着したのか、と改めて思った。 子ども部屋は最初から世のご家庭のスタンダードだったわけではない。 日の民俗 5 (5) 家の民俗文化誌 作者: 古家信平,多田井幸視,徳丸亞木出版社/メーカー: 吉川弘文館発売日: 2008/08メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る 昭和以前の農村社会の間取りをみると、そこには子ども部屋というスペースが存在しない。家屋はイエのものではあって夫婦や子どものものではなく、そのうえ座敷や客間は地域と繋がりあっていた。そのような家屋しか無かった時代には「子ども部屋おじさん」という語彙は生ま

    子ども部屋から少子化を考えてみる - シロクマの屑籠
    kagurakanon
    kagurakanon 2019/10/09
    子ども部屋ないしワンルームの普及から少子化への流れは、まさしく資本主義のディスクールは去勢を排除するの論理。もっとも配信、電子書籍、シェアリングエコノミーなどが今後また違う可能性を開くかもしれない。
  • 「金がなくても楽しい老後」は始まっている。ああでも生きていられるだろうか。 - シロクマの屑籠

    老後に金がなくても楽しく暮らすために今から準備しておくべきこと|ふろむだ@分裂勘違い君劇場|note ふろむださんが、楽しい老後についてnoteで記事を書いていて、主旨には同意するのだけど、私の思考はそこからどんどん離れていき、変な着地点にたどり着いたので書き残すことにした。 「金がなくても楽しい老後老後」は、もうここにある まず私は、ふろむださんが書いている内容は、大きくわけて二つの意味でもう実現している、と思った。 1.ひとつめは、いまどきの高齢者たち。 図書館に行くと、いつも高齢者がたくさんいて、や新聞をを読んでいる。ふろむださんが述べたような、教養ある読書をしている人も混じっているだろう。が読める老後というのは、きっと良いものに違いない。 子どもとハイキングに登るような山にも、高齢者の姿が多い。どんどん山を登り、景色を写真に撮ったりしている。山に登れて写真が撮れる老後というのは

    「金がなくても楽しい老後」は始まっている。ああでも生きていられるだろうか。 - シロクマの屑籠
    kagurakanon
    kagurakanon 2019/07/10
    「思いを書き残す」というのが一つのサントームだとすれば、現代はそう悪くない時代だと思います。
  • 「45歳以上はリストラしたい」+「高技能の若者が欲しい」=「子どもが増えない」 - シロクマの屑籠

    kabumatome.doorblog.jp 先月、富士通グループが45歳以上の社員をリストラするという話を見かけた。 大企業の45歳以上の社員といえば、それなりの人生プランにもとづいて暮らし、年齢的にも住宅ローンや子どもの学資がきつい頃だろう。古い人生プランだと言われてしまえばそれまでだが、「一家の大黒柱」として期待されている人も多かろうし、大企業だからとあてにしていた部分もあろうし、大企業だからつぶしがきかない人もいそうではある。 とはいえ、富士通が特別に邪悪なリストラをやったのかといったら、そういうわけでもない。いまどき、40~50代のリストラなんて珍しくもなんともないし、割り増し給付金が付いているだけマシといえばマシだ。 www.businessinsider.jp 「50歳過ぎた社員は新しい価値を生まない」というこの記事も、各企業のリストラを報じたもののひとつだ。優秀なベテランは

    「45歳以上はリストラしたい」+「高技能の若者が欲しい」=「子どもが増えない」 - シロクマの屑籠
  • なし崩しの人生を恥じる必要はない - シロクマの屑籠

    www.pasonacareer.jp リンク先では「キャリアなんて後から勝手にできあがってくるものだから、やりたい仕事がわからなくてもいいじゃない」的なことを書きましたが、ここは私のブログなので、もうちょっと私自身のことを書いてみます。 リンク先でも書いたとおり、私の精神科医としてのキャリアは精神薬理学からスタートしました。薬の効果や代謝機序を片っ端から覚えて、仕事のなかでそれらを確認するのはやり甲斐のあることで、患者さんの治療成績にも直結していたこともあって真剣にやっていました。 当時の私がぼんやり思い描いていた精神科医としてのキャリアは、たぶん、そういうオーソドックスなものだったと思います。 しかし、紆余曲折を経るうちに私は精神分析や社会心理学に惹かれるようになり、と同時に、書籍を書くチャンスが巡ってきました。私と同じぐらいの年齢で、私のようなスタイルでブログをやっている精神科医が他

    なし崩しの人生を恥じる必要はない - シロクマの屑籠
    kagurakanon
    kagurakanon 2018/06/22
    人並みに生きてささやかな幸せを手にできればそれでいいという「大きな物語」がもはや夢物語になりつつある今、必要なのは個々人が自らの生に「小さな物語」を見出していけるスキルなのかもしれません。
  • 借金玉『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』の巻末解説を担当しました - シロクマの屑籠

    発達障害の僕が「える人」に変わった すごい仕事術 作者: 借金玉出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2018/05/25メディア: 単行この商品を含むブログを見る もう書店に並んでいるみたいですが、借金玉さんの著書『発達障害の僕が「える人」に変わったすごい仕事術』が出版されました。その巻末解説を私が担当いたしました。 このは、発達障害当事者である借金玉さんが書いたで、ADHDをメインとする治療歴が反映された一冊だと思います。しかし一読者として読むと、ADHD発達障害といった括りにおさまりきらない、もっと広範囲の社会適応のエッセンスを語ったであり、借金玉さんという一人の当事者の世界観が反映されたでもあります。 この、ブログに紹介したくなる面白いアイデアがたくさん書かれていて、紹介されている道具や方法のいくつかは原稿の段階で私も採用しました。私はパブリックにADHD

    借金玉『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』の巻末解説を担当しました - シロクマの屑籠
    kagurakanon
    kagurakanon 2018/05/26
    「スペクトラム=連続体」という概念からしても、発達障害というのは誰にとっても自分とは関係のない「よその誰かが困っている問題」という事では無い、という事です。
  • 自主性の乏しさが罪になってしまう社会 - シロクマの屑籠

    blog.tinect.jp リンク先を読み、自主性が乏しいけれども仕事が優れている人っているよね、と思った。 出しゃばらず、言われた仕事はきっちりこなし、上司やパートナーの采配次第では抜群の仕事をやってのける人材が、自主性を求められる状況に直面し、困惑して、メンタルヘルスを損ねて来院する……というパターンは精神科では珍しくないものだった。 今では死語になりかかっている感があるけれども、「メランコリ―親和型うつ病」などと呼ばれていた類型の患者さんのなかには、そういうタイプが少なくなかったように思う。フリーハンドを与えられるまではものすごく重用されて、人も報われた感触を得ていたけれども、フリーハンドを与えられた瞬間にマゴマゴしてしまい働けなくなってしまうタイプ。そういう患者さんは2000年頃に比べて減ってしまった。ひょっとして、自主性が乏しいけれどもしっかり働く働き手は淘汰されてしまったの

    自主性の乏しさが罪になってしまう社会 - シロクマの屑籠
  • 手の届きにくい“消費の対象”としての子ども・子育て - シロクマの屑籠

    以下は、全国の大半に当てはまる気がするけれども、出生率教育費・意識の高さ・待機児童問題などを考えるに、東京とその周辺に最も当てはまると思うので、そういう前提で書き残しておく。 東京の子育てはハードルが高すぎる 今日、とりわけ東京では、子どもはショーケースの向こう側の存在にみえる。 比喩ではなく、宝飾品のたぐいや、高級ワインや、スポーツカーに近づいていると思う。 少なくとも昭和時代の中頃に比べれば、子どもはショーケースの向こう側の存在に例えやすくなった。 この、洗練された消費社会では、一面において、子ども・子育ても消費の対象だ。消費の対象が“モノ”より“コト”などと言われている今日では、とりわけそうだろう。90年代には、マイホームに暮らす核家族というイメージが消費の対象になったが、10年代においても、幸福な親子の姿は消費の対象たり得る。テレビや動画のCMに出て来る家族像は、イメージであり、

    手の届きにくい“消費の対象”としての子ども・子育て - シロクマの屑籠
  • 「できる事」をどんどん捨てないと生きていけない - シロクマの屑籠

    三十代から四十代にうつる間に、私は、できることがものすごく増えた。 今まで蓄積してきた知識の量が増え、それと関連書籍をリンクさせながら読書するようになったことで、一冊の書籍から汲み取れる情報量が飛躍的に増えた。十年前の私と現在の私では、読書の方法と効率がまったく違う。 読書だけでなく、ゲームを遊ぶ時のプレイ集約性も、オフ会に参加する時のノウハウもますます高まった。自分で言うのもなんだが、この十年間で、私は驚くほど成長したと思う。体力や集中力の衰えを埋め合わせて余りあるものを、私は獲得してきた。 ただ、できることが増えたけれども、体力や集中力が減った結果として、「できるけれども諦めなければならないこと」が増えた。 あのゲームもこのゲームも面白そうだからやりたい。 でも、体力や集中力が続かない。もちろん時間も足りない。 今なら、あのスポーツもこの芸事も、若い頃よりよほど効果的に始められるだろう

    「できる事」をどんどん捨てないと生きていけない - シロクマの屑籠
  • あなたは「正しい親」をイメージできますか - シロクマの屑籠

    あなたは「正しい親の姿」をイメージできるだろうか。 「正しくない親」「毒親」をイメージすることは容易い。 子どもを一人で置き去りにする親は正しくない。 子どもに体罰する親も正しくない。 子どもの教育に無頓着な親も正しくない。 不規則な生活や偏った事に無頓着な親も正しくない。 どこかの親にこうした兆候を見てとった時、その親を「正しくない親」「毒親」と指摘するのは簡単である。もっと正しい親になりなさい。間違いを改めて親として適切に行動しなさい。お前はそれでも親なのか! しかし、そうやって「正しくない親」を糾弾した後、「じゃあ、正しい親ってどんな親ですか?」と突き詰めていくと、正しさの権化のような、これもこれで人間離れした親のイメージが連想されることになる。 正しい親は子どもを一人で置き去りにしない。 正しい親は体罰をしない。 正しい親は教育熱心である。 正しい親は、子どもの生活リズムや事に

    あなたは「正しい親」をイメージできますか - シロクマの屑籠
    kagurakanon
    kagurakanon 2017/02/16
    ラカン派的な説明でも母親の現前-不在が象徴界=超自我の構成要素と言われるので何事も「ほどほど」が肝要でしょう。
  • トラウマは本当に「ある」?/目的論・原因論どちらを重視?/承認欲求を否定したらどうなる? - シロクマの屑籠

    先日、ある方から3つの質問をいただいた。これについて、自分なりに整理してみたかったので、ブログ上で清書をしてみます。 お題は、以下の3です。 1.「トラウマ」の有無について複数の精神科医に訊いて回ったが、回答がまちまちだった。結局、トラウマは「ある」のか「ない」のか。 2.トラウマの有無はともかく、現場では「原因論」と「目的論」どちらの考え方を重視するのか。 3.「承認欲求を否定せよ」というフレーズがあるが、当に否定したらどうなるか。 【1.トラウマは「ある」のか「ない」のか】 どちらかといえば、私は「ない」派かもしれません。 私は、フロイト直系の精神分析でいう(古典的な意味の)トラウマについて、あまり考えません。 ちょっと古めの精神医学事典によれば、 心的外傷 psychic trauma 個人に、自我が対応できないほど強い刺激的あるいは打撃的な体験が与えられることをいう。 (中略)

    トラウマは本当に「ある」?/目的論・原因論どちらを重視?/承認欲求を否定したらどうなる? - シロクマの屑籠
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    kagurakanon 2017/02/10
    現在の「目的」に至る「原因」は論理的には必ずあるけれど、それは必ずしも「本人が原因だと思っているもの」とは一致しなかったり。フロイトも誘惑理論は早々に放棄して遮蔽想起とか言ってるし。
  • アニメやゲームがポピュラーになった社会に、イエスと言う - シロクマの屑籠

    アニメやゲームが“市民権”を獲得して数年か十数年が経った。 “市民権”と言うとお怒りになる人もいるかもしれない。年配の人からはまだまだ嫌悪されているし、“市民権”などと言う割には政治的な問題意識が遅れている、と批判する人もいるだろう。しかし、そういった指摘ができる程度にはアニメやゲームは世間に広まった。特に三十代より下の世代において、アニメやゲームが90年代のような嫌悪の視線を向けられることは少なくなっている。 なにより、アニメ的表現、ゲーム的表現が驚くほど世の中に溢れるようになった。 地方自治体のキャラクターがアニメ風になったのは、いったい何年前だったろうか。陳腐を地で行くキャラクターが地方自治体の玄関口を飾っている程度には、アニメ風のキャラクターは生息域を拡げた。ゲーム的な表現もそうで、Eテレの『天才テレビくん』はもとより、クイズ番組やバラエティ番組にもロールプレイングゲーム的・シミュ

    アニメやゲームがポピュラーになった社会に、イエスと言う - シロクマの屑籠
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    kagurakanon 2016/10/24
    「象徴的なもの」が凋落していく中、かつてセカイ系などと揶揄された「想像的なもの」がSNSの普及とか震災とかそういう諸々を経て、いま回帰してきた印象は多分にある。「君の名は。」はひとつの到達点でしょう。
  • 「よく発達した発達障害」の話 - シロクマの屑籠

    ここ十年ぐらいで「発達障害」という言葉はすっかり普及し、そのせいもあってか、外来で「自分が発達障害かどうか調べて欲しい」という相談を受けることも増えた。 精神医療のフォーマルな窓口で発達障害と診断される人の大多数は、社会で生きていくことに困難を感じているか、周囲との摩擦を感じている。そりゃそうだろう、なんらかの事情がない限り、人はわざわざ病院を受診したりはしない。 社会に溶け込んでいる「発達障害と診断され得る」人々 発達障害という名称が世間に広まると同時に、精神科医が発達障害と診断する頻度もだいぶ増えた。過去に他の病名をつけられていた人に正しい病名をつけられるようになったわけだから、これは「進歩」と言って良いのだろう。 そうやって、ちょっと前なら異なる病名をつけられていたであろう人々を発達障害と診断する状況になって、気づいたことがある。それは、「病院で発達障害と診断する基準に当てはまるよう

    「よく発達した発達障害」の話 - シロクマの屑籠
  • では、君が失敗したら思いっきり笑ってさしあげようぞ。 - シロクマの屑籠

    www.ishidanohanashi.com 「決まりきったレールには乗りたくない」 「“普通”のサラリーマンにはなりたくない」 いやいや! 若々しい、潤いに満ちた表現ですね! 最近の若い人には少なくなりましたが、90年代の、まだバブルの残り香が残っていた頃には、あなたのような事を言ってわけのわからない人生選択をする人がたくさんいたんですよ。「私が私であるために」「他の連中とは違った自分であるために」みたいな気分が、社会全体にフワーンと漂っていたのでした。 でも、歳月が流れて、みんな生活に余裕がなくなって、“普通”のサラリーマンがつまらない職種から理想の職種になっちゃって、「決まりきったレールには乗りたくない」なんて言う人は少なくなってしまいました。 それはさておき。 あなたのブログ記事を通読して、「これは当に自分で選択した人生なんだろうか?」と首を傾げました。 ブログの文中、あなたは

    では、君が失敗したら思いっきり笑ってさしあげようぞ。 - シロクマの屑籠
    kagurakanon
    kagurakanon 2016/09/19
    もし普通に失敗したとしても、また普通にリトライして、普通に幸せに生きていける、そういう社会であってほしいとは思います。
  • 社会学者による「新型うつ」批判について、私が考えること(前編) - シロクマの屑籠

    (※このブログ記事は前編/後編からなります。後編はこちらです。) 「新型うつ」は若者のわがままか? / 井出草平 / 社会学 | SYNODOS -シノドス- 『SYNODOS』というウェブメディアがある。 「アカデミックジャーナリズム」を名乗り、実際、信頼性の高い筆者と記事を擁している。このSYNODOSに、社会学者の井出草平さんが「新型うつ」批判する記事を投稿していたのを、先日見つけて読んだ。きちんと知りたい人はリンク先を読んでいただくとして、私なりに要点を箇条書きにしてみると、 ・「新型うつ」は2007年頃から精神科医の香山リカさんがメディア上で使いはじめ、正式な病名ではないにもかかわらず広まっていった。 ・うつ病の一般的言説では、従来型のうつ病は生真面目な人がなりやすいもの、「新型うつ」はわがままで不真面目な人がなりやすいもの、と語られやすい。 ・だが、「新型うつ」でみられる特徴、

    社会学者による「新型うつ」批判について、私が考えること(前編) - シロクマの屑籠
    kagurakanon
    kagurakanon 2016/08/24
    あれは結構、イデオロギー的な病名(?)というイメージ。精神分析的にはメランコリーというより、一種のヒステリーに近いのかも?
  • シン・ゴジラを、「子どもに見て欲しい」と思った。 - シロクマの屑籠

    週末、シン・ゴジラをやっと見てきた。 「百聞は一見にしかず」とは言うけれども、当に素晴らしい作品だった。何度も繰り返される会議も、自衛隊や米軍の勇戦も、ビルが崩れ街が燃えるさまも、すごく楽しめた。 私は特撮映画をそんなに見ていないけれども、ゴジラに新幹線や在来線がぶつかる描写をはじめ、良い具合にデフォルメが効きまくっていて、ものすごく気持ち良かった。「怪獣が暴れるということ」「大型建造物が壊れるということ」がこんなに心地良かったなんて! 大量破壊シーンや戦闘シーンだけでも、映画のチケット代の元がとれたように感じた。 それ以上に嬉しかったのは、たくさんの登場人物がことごとく主人公に見えたことだ。物語の目立つところは政治家や科学者や自衛隊員達によって占められていたし、彼らの演技に目を奪われた。でも、お茶を入れるおばさん、ゴミを回収するおじさん、工業プラントを動かしている従業員、避難する人々、

    シン・ゴジラを、「子どもに見て欲しい」と思った。 - シロクマの屑籠
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    kagurakanon 2016/08/08
    この映画、「ひと」を「生身の個人」という水準で把握するか、「日本という法人の機関」という水準で把握するかで大分印象は異なるんだろうなあ、と思った。
  • 今からプロブロガーなんて目指したら不自由になりませんか? - シロクマの屑籠

    www.airdays.net 自由を手に入れるためにプロブロガーを目指す、ですって? またまたご冗談を、プロブロガーが自由だなんて、一体どこでどういう風にインターネットを眺めていたらそういう発想が出てくるんでしょうか? ここ最近、プロブロガーなる、よくわからない肩書きを名乗っているインターネットアカウントを見かけますが、彼らは、当に自由なんでしょうかね? “プロ”ブロガーと言うからには、ブログを職とし、それで生計を立てて生きていくわけですよね。つまり金銭収入のための労働手段としてブログの執筆(や周辺活動)に勤めるのがプロブロガーということになります。 プロに自由なんてあるんですかぁ? リンク先の大学生さんは、 僕自身文章を書いたり、こうやって世に発信する事は嫌いではなく、もしもそれだけで生計を立てられるのであれば、これ程自由な生活は無いなと考えるようになりました。 と書いておられます

    今からプロブロガーなんて目指したら不自由になりませんか? - シロクマの屑籠
    kagurakanon
    kagurakanon 2016/07/07
    リンク先のエントリはもちろん炎上拡散狙いなんだろうけど。けど「副業としてのブロガー」というカテゴリが成立すれば、ブラック企業みたいなものは淘汰されて行く流れになるんじゃないかと。