◇学校の理解こそ不可欠 たとえ微量でも体調が崩れる化学物質過敏症(CS)になった子どもたちが学校内の化学物資に反応して苦しむ「シックスクール」の問題が絶えない。多くは、学校側がこの深刻な病気を理解しないために起こっている。6年前にCSの3兄弟を定時制に受け入れた大阪府立北野高校を成功例として記事にしたことがあるが、その経験は生かされていない。当時の北野高校長の中垣芳隆さん(63)に内情を詳しく尋ねる機会があり、解決策を探った。 ■建材や教科書から CSは建材などから出る化学物質を大量に吸ったことを契機にかかる。今秋には、電子化診療報酬請求書(レセプト)で使われる病名リストに登録される予定だ。シックスクールは、学校のワックスや殺虫剤などの化学物質に反応し、頭痛、鼻血などの症状が出る場合を言う。子どもは学校を避けることができず、深刻だ。 私は約7年前、この問題の取材を始めた。その後、教科書から