【北京=矢板明夫】中国広西チワン族自治区南寧市の青秀区人民法院(地裁)で、人権派弁護士の呉良述氏が、警察官から暴行を受けたとされる事件が発生し、大きな波紋を広げている。中国では人権派弁護士への締め付けが強まっており、中国全土の約1千人の弁護士は8日までに、連名で事件の「徹底捜査」などを求める声明を発表した。 呉氏の支援者によると、暴行事件は3日に裁判所の中で起きた。呉氏は同地裁で自らが担当する刑事事件の手続きについて、裁判官らと交渉していた際、裁判官から「やりとりを録音している」と疑われ、携帯電話の提出を求められた。呉氏が「提出する法的根拠がない」と拒否したため、裁判官の指示を受けた複数の警察が呉氏を押し倒し、ズボンのポケットから強引に携帯電話を奪った。その際、呉氏は腕などに軽傷を負ったという。 呉氏は裁判所から出た後、服とズボンが激しく破れた姿の写真をインターネットに公表し、大きな反響を