記事:筑摩書房 original image: Fabio Nodari / stock.adobe.com 書籍情報はこちら チベット族の重層的な信仰 私が天葬について、チベット族から直接に話を伺った場所は、中国の青海省黄南チベット族自治州同仁県に属するランジャと呼ばれる村であった。州名に「黄南」とあるように、この地域は黄河の上流部の南に位置する。またこの地域はチベット語で、レプゴンと呼ばれる。天葬についてフィールドワークを行ったガザンジェも、この地域で調査を行った。 ランジャ村には、黄河支流の隆務河のほとりの高台の上に、7つの集落が点在している。2003年夏から2007年夏までの期間、演劇研究者の細井尚子、民族音楽研究者の山本宏子と3名で、短期間の調査を繰り返した。 この村の興味深い点は、信仰が重層的なところである。古層から順番に挙げると、まず山の神が、ハワ(あるいはラッワ)と現地で呼
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