記事:春秋社 「神の都」ラサにはチベット人のみならず多種多様な人々が各地からやってくる 書籍情報はこちら 本書はツェリン・ヤンキーによってチベット語で著され、2016年に中国チベット自治区の区都ラサで刊行された長編小説『花と夢』の全訳である。 人気女性作家のツェリン・ヤンキーが都会に出稼ぎに来て娼婦となった4人の女性を主人公に据えて描いた本作品は胸を打つ悲劇の物語として評判を呼んだ。多くの媒体でも紹介され、刊行翌年には重版もしている。長期間にわたり厳しいロックダウンが行われたコロナ禍のチベットでは、インターネットにアップロードされた小説の朗読に耳を傾ける人が多かったそうだが、『花と夢』の朗読は最も人気のあるコンテンツの一つとなり、女性や若者を中心とした多くの人びとが熱心に聴き入ったという。構想から7年間かけて書き上げたこの物語は、かくして会心のヒットとなった。 現代のラサを舞台とするこの作