露口 洋介(つゆぐち ようすけ):帝京大学経済学部 教授 略歴 1980年東京大学法学部卒業、日本銀行入行。在中国大使館経済部書記官、日本銀行香港事務所次長、日本銀行初代北京事務所長などを経て、2011年日本銀行退職。信金中央金庫、日本大学を経て2018年4月より現職。著書に『中国経済のマクロ分析』(共著)、『東アジア地域協力の共同設計』(共著)、『中国資本市場の現状と課題』(共著)、『中国対外経済政策のリアリティー』(共著)など。 中国で猛威を振るう新型コロナウイルスが経済に与える影響に対処するため、中国人民銀行は矢継ぎ早に金融政策面の対応を発動し、情宣に努めている。これらの措置について概観してみたい。 金融政策面の措置 2月1日に、人民銀行、財政部、銀行保険監督管理委員会、証券監督管理委員会、国家外貨管理局は連名で「新型コロナウイルス感染肺炎の防止と制御に対する金融面の支持をさらに強化