日本で「人文学の危機」が叫ばれる昨今、世界中でも似たような状況が広がっている。そんななか、各国中央銀行総裁やノーベル賞経済学者らが、「物語」の重要性を主張し始めた。良きストーリーテラーであり、良き物語の理解者であることが、経済においてなぜ重要なのだろうか? 就職のための専攻選び アメリカの大学で、生徒の“大移動”が進行中だ。リーマン・ショックが起きた2008年の秋以来、多くの学生たちが英文学や人文学のクラスを受講するのをやめ、特にコンピューター科学やエンジニアリングといったSTEM教育(Science,Technology,Engineering and Mathematics、つまり科学・技術・工学・数学の教育分野)のクラスに参加するようになってきたのだ。 米国立教育統計センターがまとめたデータによると、リーマン・ショックによる大恐慌以来、英文科専攻の学生数は25.5%減少している。これ
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