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ブックマーク / courrier.jp (28)

  • 英紙の皮肉「大阪万博の混乱はドキュメンタリー番組の最高のネタだ」 | この時代に万博を開催する意味はあるのか

    建設費の膨張、参加予定国の撤退など混乱の大阪・関西万博について英紙「フィナンシャル・タイムズ」が皮肉めいたコラムを掲載。その手に汗握る展開は、まるでドキュメンタリードラマを観ているようだと揶揄する。 会場はいまだ「殺風景な駐車場」 メキシコとエストニアは撤退を表明したが、デンマーク、カメルーン、ジャマイカはまだ参加を希望している。 建設費のあまりの急騰ぶりに、ブラジル、アルゼンチン、ポーランドは、自国のパビリオンを簡素な「倉庫タイプ」へ変更することを検討中だと伝えられる。 欧州のある国は、日最大手の建設業者から「希望通りのパビリオンを作ることはできるが、完成は万博が閉幕してから1ヵ月後になる」と告げられたらしい。 ドキュメンタリードラマのシリーズを一気見できる時代にあって、2025年大阪・関西万博の開催準備は「完璧」な進捗を見せている。主催者側が全力で頑張れば、2シーズン分のボックスセッ

    英紙の皮肉「大阪万博の混乱はドキュメンタリー番組の最高のネタだ」 | この時代に万博を開催する意味はあるのか
    kaikaji
    kaikaji 2023/12/19
    "マインクラフトのお菓子の村の作り方や、チキンビリヤニのレシピを紹介したYouTubeの動画1本が、大阪万博の想定来場者数2800万人を軽く上回るような時代に、「グローバルリーチ(世界的展開)」を定義するのは難しい"
  • 人類は世界の悲劇から永遠に逃れられないのか? | 「リアリスト」国際政治学者ミアシャイマーに聞く

    ミアシャイマーのリアリズム論、その5つの前提 ハンチントンの最も高名な弟子であるフランシス・フクヤマが米国の著名シンクタンクのランド研究所に入ったのは1979年、ミアシャイマーがハーバード大学に行く1年前のことだった。だが、ふたりは80年代、学界のつながりを通じてお互いをよく知るようになった。米国が冷戦をどのように戦うべきかをめぐって激しい討論もした。ミアシャイマーがリアリストとしての地歩を固めたのはこの頃だった。 リアリズムの伝統は、1930年代にヨーロッパのリベラリズムが崩壊したことに応じて出現したというのが一般的な理解だろう。 だが、歴史家マシュー・スペクターの2022年刊行の著書『大西洋のリアリスト』(未邦訳)によれば、リアリズムが発展したのは1880~1890年代だったという。当時は帝国主義政策のもとにグローバル化が進み、ドイツや米国といった新興工業国が、地球という限りのある惑星

    人類は世界の悲劇から永遠に逃れられないのか? | 「リアリスト」国際政治学者ミアシャイマーに聞く
    kaikaji
    kaikaji 2023/10/13
    "どういうことかと申しますと、それは中国人のみなさんがリアリストなので、私としゃべる言葉が共通だということです。私の話に深い関心を抱いてくれますしね。そこが米国政府の人々と全然違うところです"
  • エドワード・ルトワック「中国の軍事力を強大だとするのは神話に過ぎない」 | 中国軍が抱える「深刻な問題」

    軍事史、軍事戦略研究、安全保障論を専門とし、『ルトワックの日改造論』や『中国4.0 暴発する中華帝国』などの著書で知られる戦略家のエドワード・ルトワックは、増加し続ける中国の国防費を真に受けるべきではないと語る。「その金額が示すほどには、実質的な軍事力を強化できていない」と彼が言い切る理由とは──。 米中の国防費を読み解く 中国最後の穏健派、前国務院総理の李克強が2023年の経済成長率の目標として5%を掲げ、さらなる市場の自由化を求めた翌日、習近平はこれに反応し、国防費を7.2%に引き上げると発表した。 これは習の一貫した攻撃的姿勢を示すものであり(ナンシー・ペロシの台湾訪問に対する反応として、一連の弾道ミサイルを発射したことは記憶に新しい)、中国が2049年までに世界の覇権を握るという党の公約にも通ずる。 とはいえ、この数字は現実には何を示しているのだろうか? 発表されているところでは

    エドワード・ルトワック「中国の軍事力を強大だとするのは神話に過ぎない」 | 中国軍が抱える「深刻な問題」
    kaikaji
    kaikaji 2023/04/11
    "中国は国境付近にも軍を配備し多額の予算を投じていたのだがいまでは廃止" "人民解放軍の陸軍がきわめて小規模であるのと同じ理由からだ。すなわち、この地域での兵役を志願する健康な中国人男性が壊滅的に少ない"
  • AIチャットボットに自殺を勧められた男性は、なぜ自ら命を絶ったのか | 会話を通じて追い詰められていった精神状態

    AIチャットボットに殺された? ベルギーに住む30代の男性ピエール(仮名)が6週間にわたってAIチャットボットと会話をした結果、精神的に追い詰められて自ら命を絶ったと現地紙「ラ・リブレ」が報じている。 男性のが同紙に匿名で語ったところによると、彼は死の直前まで、「チャイ」というアプリのAIチャットボット「イライザ」と会話をしていた。このアプリは米テクノロジー企業チャイ・リサーチが「GPT-J」というAI言語モデルを使って開発したものだ。 幼い子供2人の父親であったピエールは、2年ほど前から気候変動問題に執着するようになり、精神的に不安定になっていたという。しかし、イライザとの会話を始めるまでは、自殺をするほど滅入っていたわけではなかったと、は語っている。

    AIチャットボットに自殺を勧められた男性は、なぜ自ら命を絶ったのか | 会話を通じて追い詰められていった精神状態
    kaikaji
    kaikaji 2023/04/06
    "ピエールの死の引き金となったのは彼が自分の命を犠牲にする代わりにイライザにAIを使って地球を救うよう求めた" "イライザはその行動を思いとどまらせるのではなく「天国で一緒になる」ために自殺をするよう促した"
  • 遺伝も性別もタブー… 進化生物学者が危惧する「左派からの科学への攻撃」 | ダーウィンもメンデルも“キャンセル”されてしまうのか

    ──ダーウィン主義の生物学者のあなたは、宗教右派と論争してきました。しかし、左派に対して警鐘を鳴らすようになったのはなぜでしょうか? もともとの私の論敵は、創造論者、反ワクチン主義者、気候変動懐疑論者です。細かく言うと、アメリカ人の半数以上が創造論者であり、そのうちの40%が聖書の字義通りの創造を信じ続けています。33%は、人間は何百万年もかけて進化したと考えていますが、その進化も神の導きだと思っています。「インテリジェント・デザイン」論(註:何らかの知性ある存在が宇宙や生物の発生に介在したとする理論)に通ずる考え方です。 進化論を信じるアメリカ人、つまり、進化は神と何も関係がないと考える人々は22%しかいません。ただ、創造論はすでに大学からは駆逐され、公教育で創造論を教えてはならないとする判決が最高裁で出ています。最高裁の保守化でどう変化するかはわかりませんが……。 いまのところ、この戦

    遺伝も性別もタブー… 進化生物学者が危惧する「左派からの科学への攻撃」 | ダーウィンもメンデルも“キャンセル”されてしまうのか
    kaikaji
    kaikaji 2023/02/09
  • ジョセフ・スティグリッツ「世界の超富裕層に所得税70%を課せば平等な社会をつくれる」 | 親から相続した資産には富裕税を

    ノーベル賞受賞経済学者のジョセフ・スティグリッツが、格差是正のために世界の超富裕層に70%の税金を課すべきだと提唱した。 スティグリッツは国際NGOオックスファムのポッドキャストで、世界で所得が最も多い層に対し、70%の特別税率を導入することは「明らかに理にかなっている」と語った。 「トップにいる人々の税率を上げれば、彼らは仕事量を少し減らすかもしれない。でもその一方で私たちは、より平等で結束力のある社会を得ることができるだろう」 現在、英国の所得税の最高税率は、年間所得15万ポンド(約2400万円)以上に対して課される45%だ。米国の場合は、年間所得53万9901ドル(約7000万円)以上に対して課される37%となっている。 スティグリッツはまた、所得の最高税率の引き上げだけでなく、世界の富裕層が何世代にもわたって蓄積してきた財産に富裕税を導入すれば、平等な社会にもっと近づくことができる

    ジョセフ・スティグリッツ「世界の超富裕層に所得税70%を課せば平等な社会をつくれる」 | 親から相続した資産には富裕税を
    kaikaji
    kaikaji 2023/02/02
  • アイ・ウェイウェイ「西洋における人権の概念も、偽善的なところがある」 | 国を超えた普遍的価値が必要だ

    現代を代表する美術家の一人である艾未未(アイ・ウェイウェイ)。「権力に屈しないアーティスト」として知られる彼は1957年、中国の有名な詩人の艾青(アイ・チン)の息子として北京に生まれた。 父は収容所送りとなり、後に自身も中国当局から軟禁されるなど怒涛の人生を歩んできた彼が、仏誌「ル・ポワン」のインタビューに答えている。中国と西側諸国の溝が深まるなか、世界が指針とすべき「普遍的価値」とは何なのか? 中国も「普遍的価値」を尊重すべきだ アイ・ウェイウェイの革命的な作品の数々は、その芸術性や政治性で世界的に認められており、中国の反体制派としても名高い。ゴッホに影響を受けたと語り、自らを「ポスト印象派」だとする。彼にとっての絵とは、共産主義の現実という「惨事が常態化した状況」から逃れるための手段だった。 父親のアイ・チンは毛沢東に近い人物であり、中国で最も評価されていた詩人だった。しかし1957年

    アイ・ウェイウェイ「西洋における人権の概念も、偽善的なところがある」 | 国を超えた普遍的価値が必要だ
    kaikaji
    kaikaji 2022/10/05
  • 世界トップの経済学者たちが、いまなぜ「人文学」を薦めるのか | 経済活動の背後にはつねに「物語」がある

    で「人文学の危機」が叫ばれる昨今、世界中でも似たような状況が広がっている。そんななか、各国中央銀行総裁やノーベル賞経済学者らが、「物語」の重要性を主張し始めた。良きストーリーテラーであり、良き物語の理解者であることが、経済においてなぜ重要なのだろうか? 就職のための専攻選び アメリカの大学で、生徒の“大移動”が進行中だ。リーマン・ショックが起きた2008年の秋以来、多くの学生たちが英文学や人文学のクラスを受講するのをやめ、特にコンピューター科学やエンジニアリングといったSTEM教育(Science,Technology,Engineering and Mathematics、つまり科学・技術・工学・数学教育分野)のクラスに参加するようになってきたのだ。 米国立教育統計センターがまとめたデータによると、リーマン・ショックによる大恐慌以来、英文科専攻の学生数は25.5%減少している。これ

    世界トップの経済学者たちが、いまなぜ「人文学」を薦めるのか | 経済活動の背後にはつねに「物語」がある
    kaikaji
    kaikaji 2022/09/09
    "リーマン・ショックによる大恐慌以来英文科専攻の学生数は25.5%減少" "これは当センターの調査史上最も大きな下落幅を記録した専攻となり過去10年間で大学の入学者数が急増していることを考慮すると非常に驚くべき"
  • アメリカ人がいちばん後悔している「大学の専攻」はやっぱり“あの分野”だった | 5人に2人が自分の選択を後悔

    アメリカの大学(2年制大学を含む)を卒業したおよそ5人に2人が、自分の専攻を後悔していることがわかった。 アメリカが金融危機後の大不況から抜け出せていなかった2011年、当時のオバマ大統領は一般教書演説でSTEM教育(STEMは科学・技術・工学・数学の頭文字をとったもの)の重要性を訴えた。以来、アメリカでは芸術・人文科学系学部の卒業生が激減している。 2021年の連邦準備制度理事会による調査では、自分の専攻を後悔している人は人文科学系で最も多く、その割合は卒業生の48%だった。一方、そうした人が最も少なかったのが工学専攻で、後悔していると答えたのは24%に留まった。 このデータが取られ始めた2016年以降、数字にそれほど大きな変化は起きていない。だが、後悔している人が比較的少なかった教育学では、パンデミック後の2021年になって、後悔していると答えた人の割合が平均以上にまで増加した。反対に

    アメリカ人がいちばん後悔している「大学の専攻」はやっぱり“あの分野”だった | 5人に2人が自分の選択を後悔
    kaikaji
    kaikaji 2022/09/09
    "コーディングは当たり前にできるけれども、私たちが求める微妙な問いについてはあまり考えないコンピュータサイエンス専攻の学生" "やるべきことをやるのに必要なコーディングだけを学ぶ人文科学系の学生"
  • 大量流出した個人情報で判明「中国の人口はある時点から急減している」 | 人口学者が詳しく解説

    中国は人口統計の数値を捏造していると指摘されており、異議を唱える者は取り締まりの対象となってきた。そのため同国が「公式」としている人口に関しては、さまざまな議論がある。 そんななか、中国の公安当局が管理する10億人分の個人情報が流出した可能性があると7月に報じられた。氏名や住所、犯罪歴、病歴記録までが含まれており、史上最大規模の情報流出とされている。 著名な人口学者である易富賢によれば、この事件によって漏洩した情報が中国の「数値捏造」を裏付けているという。 人口減少を頑なに認めない 中国政府公認の人口統計数値が意図的にかさ増しされていることなど、誰もが知っていることだ。にもかかわらず、当局はこれらのデータに疑義を呈する者たちを次々と弾圧している。 たとえば拙著『大國空巣』は、2007年の出版直後に発禁となった。同書が中国の一人っ子政策への懸念を表明し、人口の減少が始まるのが、中国当局と国連

    大量流出した個人情報で判明「中国の人口はある時点から急減している」 | 人口学者が詳しく解説
    kaikaji
    kaikaji 2022/09/08
    "急速な高齢化によって中国経済は鈍化し、財源は減少し、政府の借金は増え、今年の各省政府は公務員の給料とインフラ投資をカットしている。中国の戦略的拡大路線をさせていた人口基盤は明らかに過去のものとなった"
  • 中国の若者たちが「結婚したくない」と考える“本音”を聞いてみた | 婚姻件数は過去最低を更新

    なぜ結婚したがらないのか。近年、中国では婚姻件数の急減に歯止めがかからない状況が続いており、政府も頭を悩ませている。 シンガポールの華文メディア「联合早报」によると、2021年の婚姻件数は763万6000件で、1986年に中国民政部が統計データを公開して以降、最低記録を更新した。この数字は婚姻件数が最も多かった2013年と比較して、約43%の減少になるという。 ピークを迎えた2013年以降、一貫して減少傾向が続いており、2019年には1000万件の大台を下回ったばかりだった。少子化への直接的な影響も大きく、中国国内では政府や専門家が現状の把握と対策に乗り出している。 そんななか、中国メディア「澎湃新闻」は、「婚姻登記数が過去最低を記録。どうして若者たちはますます結婚したがらないのか?」と題した記事を発表。 同記事は婚姻件数が右肩下がりを続ける主な理由として次の3点をあげた。 1点目は、「結

    中国の若者たちが「結婚したくない」と考える“本音”を聞いてみた | 婚姻件数は過去最低を更新
    kaikaji
    kaikaji 2022/07/14
  • バーバラ・ウォルターが警告「アメリカは21世紀版の内戦に向かっている」 | 内戦に陥りやすい2つの要素とは

    カリフォルニア大学サンディエゴ校の政治学教授バーバラ・ウォルターは、1月に上梓した『内戦はこうやって始まる』でアメリカが内戦に向かっていると警鐘を鳴らし、国内外で反響を呼んだ。世界各国の内戦を長年研究してきた彼女がそう断言する根拠と、アメリカ人さえ気づいていない危険な兆候を聞いた。 ──世界中の内戦と、それを引き起こす条件について研究されていますが、著書ではアメリカがそうした条件に危険なほど近づいていると、背筋が凍るような主張をしています。詳しく聞かせていただけますか。 内戦については多くのことがわかっています。どのように始まり、どのくらい続くのか、なぜ解決が難しいのか、どのように終わらせるのかといったことです。 1946年以降、200を超える大規模な武力紛争が発生しているため、そこから多くのことが見えてきたわけです。とりわけこの30年間、私も含めた専門家らは多くのデータを収集して分析し、

    バーバラ・ウォルターが警告「アメリカは21世紀版の内戦に向かっている」 | 内戦に陥りやすい2つの要素とは
    kaikaji
    kaikaji 2022/07/07
    ”共産主義か否か、リベラル派か保守派かといったイデオロギーではなく、民族や宗教、人種などに基づいて政治集団化するようになっていると、内戦に陥りやすい。その典型的な例が、旧ユーゴスラビアで起きたこと”
  • ノーベル経済学者エリック・マスキンの後悔「西側は1990年代にロシアを受け入れるべきだった」 | ウクライナ戦争は、私たちの歴史的な失敗だ

    ハーバード大学の教授でノーベル賞受賞者のエリック・マスキンは以前、紙「バングアルディア」のインタビューのなかで、今になって読み返すと、予言めいた言葉を口にしていた。経済学者は「未来予測」などしないほうがいいとも言われるが、そうではないようだ。 NATOが不要になる日 ──2014年にロシアがクリミア半島に侵攻すると、あなたはこう言いました──「プーチンの狙いはわかりません。もし狙いがあればという話ですが。彼は大きな存在として国民の前に立ち、大国ロシアの威厳を取り戻したいようです……」。 この見方は現在も通用すると思います。プーチンはまず、ソ連崩壊後のロシア人の劣等感を利用してキャリアを積み、そのあとは、1990年代末の経済的な混乱のおかげで政権を握りました。西側はあのとき、大きなチャンスを逃したと私は思っています。ソ連が崩壊しても私たちはロシアを敵視し続け、NATO(北大西洋条約機構)を

    ノーベル経済学者エリック・マスキンの後悔「西側は1990年代にロシアを受け入れるべきだった」 | ウクライナ戦争は、私たちの歴史的な失敗だ
    kaikaji
    kaikaji 2022/06/22
    "これと同じことがロシアとの関係でも起こり得たのに、そうはならなかった。その代わりに私たちは、ロシアと西側を差別化しようとするプーチンのような人物が政権を握るのを許してしまったのです"
  • エマニュエル・トッド「西洋から家父長制が消えたのではない。最初からなかったのだ」 | 女性の解放による「社会経済的コスト」とは

    「男性支配の度合い」は地理的・歴史的に多様 ──西洋では家父長制は消えたということですか。 消えたのではなくて、最初からなかったのです。そもそも家父長制とは何でしょうか。私はどちらかといえば、普遍的な男系支配の制度という言葉を使いたいですね。これは集団のマネジメントにおいて、男性の地位が少しだけ上になるということです。 とはいえ、男性支配の度合いは地理的にも歴史的にも大きく異なります。それぞれ非常に異なる制度なので、それを家父長制という一つの用語ですべて言い表そうとするのは無理な話なのです。 そこで私は専門家の助けを借りながら、人類学者ジョージ・マードックの『エスノグラフィック・アトラス』の新しい利用法を考案し、独自の地図を作って、この男性支配の多様性を読者に示すことにしました。 このテーマは強烈なイデオロギー色でもって語られがちです。だからデータを見られるようにするのが肝腎です。私たちが

    エマニュエル・トッド「西洋から家父長制が消えたのではない。最初からなかったのだ」 | 女性の解放による「社会経済的コスト」とは
    kaikaji
    kaikaji 2022/02/20
    "西側では女性の解放が加速したのに対し東側では典型的な男性の役割が社会に残ったのです。西側の人々は東側の人々の労働に完全に依存している状態なのですが、東側の人々の文化的態度を遅れていると言って蔑視して"
  • ブライアン・イーノ「NFTのせいで、アーティストまで資本主義のチンケなクソ野郎になってしまう」 | 彼が懸念する「オートマティシズム」とは

    現代を代表するアーティストの一人であるブライアン・イーノ。彼はいま、暗号資産関連の技術が単に“金儲けのソリューション”になっている点を厳しく批判する。2021年に暗号技術の専門メディア「クリプト・シラバス」を立ち上げたIT評論家エフゲニー・モロゾフが、イーノが懸念することを尋ねた──。 かつて「世紀の放尿」をやってのけた男 ブライアン・イーノは、アンビエント・ミュージックという音楽ジャンルを作りだしただけでなく、この40年間で数々の名盤にプロデューサーとして関わってきた。サウンドやビデオ、デジタルアートを使った作品制作にも取り組み、代表作の一つである「7700万絵画」などは、そこからおびただしい量の楽曲が生成される点から言ってもNFTの対極に位置するといえる。 イーノはかつてマルセル・デュシャンの有名なあの小便器(註:「泉」という名のアート作品)に小便をしてみたという逸話の持ち主でもある。

    ブライアン・イーノ「NFTのせいで、アーティストまで資本主義のチンケなクソ野郎になってしまう」 | 彼が懸念する「オートマティシズム」とは
    kaikaji
    kaikaji 2022/02/14
    "世界では温暖化が進行していますが、この新しいテクノロジーは「プルーフ・オブ・ワーク」といって改竄をできないようにする作業のために膨大な量のエネルギーを使っているのです。これは正気の沙汰ではありません"
  • コロナ禍で日本を離れた元在日ドイツ人の告白「日本の人種差別に耐えられなかった」 | 日本から離れゆく人材

    パンデミックによって日に入ろうとする外国人の入国が厳しく制限され、危機感を強める経済界からも批判が高まっている。そんな状況を受け、東京で成功しつつあったのに日を離れることを決意したドイツ人の声を独誌が伝える。 うまくいっていた東京での仕事 独誌「シュピーゲル」の記者が、世界28ヵ国に住むドイツ人の声を、『メコン川で昼を』(未邦訳)という著書にまとめた。 そのなかには、日に9年ほど住んだドイツ人男性の声も掲載されている。 大学時代にアジア研究をしていたある30代前半のドイツ人男性は、学部在籍中に日に留学をする機会を得て、その後も日ドイツ系組織で働いた。 その後、知り合った「日のクラブシーンのプロモーターや日のアーティストたちと協力し、電子音楽の祭典を東京で開催した」そうだ。同イベントは日では初開催だったが、世界各地で開催されているもので、その後東京でも定期的に開催されるよ

    コロナ禍で日本を離れた元在日ドイツ人の告白「日本の人種差別に耐えられなかった」 | 日本から離れゆく人材
    kaikaji
    kaikaji 2022/02/02
    ”「ビザ、滞在許可証、労働許可証を持っていたにもかかわらず」9ヵ月間も日本に戻れなかった” "法的地位を持っていても外国人の基本的権利が危機時に否定される国では長期的な未来を想像することができなかった”
  • ピーター・ターチン「社会が不安定化するのは、高学歴者が増え過ぎたから」 | 権力を取れないエリートが反乱を起こす

    近年、世界中でポピュリスト政治家が台頭し、社会の不安定化が目立つ。進化人類学者のピーター・ターチンは、その不安定さの原因は社会に高学歴者が増え過ぎたことにあるという。英誌「エコノミスト」が、ターチンの理論について解説する。 高学歴者が増えすぎると社会は不安定化する? 11年前、ピーター・ターチンというコネチカット大学の研究者が英科学誌「ネイチャー」において、驚くべき予言をしていた。「アメリカと西ヨーロッパにおいて、今後の10年は不安定化の時代となる可能性が高い」 ターチンがその一因として着目したのが、「大学院の学位を持つ若者が過剰生産されていること」だった。 その後、予想が的中したかのように、ヨーロッパではポピュリズムが台頭し、2016年には国民投票でイギリスがEU離脱を選択するという予想外の展開が起き、アメリカではドナルド・トランプ大統領が誕生した。そしてフランスの「黄色いベスト運動」か

    ピーター・ターチン「社会が不安定化するのは、高学歴者が増え過ぎたから」 | 権力を取れないエリートが反乱を起こす
    kaikaji
    kaikaji 2021/08/01
    ”政治の不安定化を回避する一つの方法は、エリートになりたがる人の数を減らすことだろう” ”大卒なのに大卒向きではない仕事に就く若者が増えており、過半数とは言わなくとも、それがかなりの数になりつつある”
  • トマ・ピケティ「欧米の左派政党は庶民ではなく、もはや高学歴者のための政党となった」 | 左派政党から庶民が離れたのは、左派政党の責任だ

    左派政党を支持するのは庶民から高学歴者になった フランスで刊行された『政治の亀裂と社会の不平等』(未邦訳)は、非常に重要な研究をまとめたものだ。50人ほどの国際的な研究チームが、有権者の投票行動が、所得、資産、学歴、民族的出自、宗教に応じて、どう変化するのかを調査したのだ。調査の対象期間は1948~2020年と非常に長く、調査対象の民主主義国も50程度と非常に規模が大きい。このテーマに関してこれほど体系的、包括的に行われた調査は過去にない。 かつて西側諸国では、有権者は所属する社会階級に応じて投票先を決めていたが、いまではその構造は消失し、その過程で、左派政党は高学歴者に支持される政党へと変貌を遂げた。このような左派政党を支持する人々のことを、経済学者トマ・ピケティは「バラモン左翼」と呼ぶ。調査の共同監修者の一人でもあるピケティが、左派政党の変質とその帰結について語った。 ──庶民階級

    トマ・ピケティ「欧米の左派政党は庶民ではなく、もはや高学歴者のための政党となった」 | 左派政党から庶民が離れたのは、左派政党の責任だ
    kaikaji
    kaikaji 2021/05/01
    "バラモン左翼に見離されたと感じた有権者が多かったことがその一因でした。西側諸国全体で庶民階級の投票率が急落しました。投票をやめなかった庶民階級の間では移民の問題米国では人種問題をめぐって分裂が起き"
  • ナチスの思想家を尊敬する中国の「御用学者」たち─習近平の「独裁」を全力応援 | 香港の「国家安全法」施行でも暗躍

    北京航空航天大学法学院の准教授、田飛龍(37)。香港国家安全維持法を支持する体制派で中国政府の「御用学者」のひとり Photo: Giulia Marchi / The New York Times

    ナチスの思想家を尊敬する中国の「御用学者」たち─習近平の「独裁」を全力応援 | 香港の「国家安全法」施行でも暗躍
    kaikaji
    kaikaji 2020/09/06
    日本語タイトルは煽りがかなりひどいのでは。原文は ‘Clean Up This Mess’: The Chinese Thinkers Behind Xi’s Hard Line。ナチス云々は「カール・シュミットの影響を受けた」ということ。あと「帳千帆」は「張千帆」の誤り。
  • 格安「トマト缶」の中身は、灼熱の農場で子供たちが収穫していた!

    私たちが便利にべている「トマト缶」の中身はどこから来るのだろうか? フランス人ジャーナリスト、ジャン=バティスト・マレが、著書『トマト缶の黒い真実』で書いた、「中国最大のトマト加工会社」の現場報告をお伝えする。 労働者たちを乗せたバスは、新疆ウイグル自治区の北部、ウス市近郊を出発した。 目的地は、首府のウルムチから隣国カザフスタンへ続く道沿いのとある町だ。バスはひと気のない町を通りすぎながら、アスファルトで舗装された道路を進んでいく。そして数kmほど行ったところで曲がりくねったでこぼこ道に入ると、あたりは見渡すかぎりの畑になった。 土埃を上げながら畑のなかを進み、トウモロコシが並んで植えてある脇に停車する。その向こうには35畝(むー)、およそ2.3ヘクタールのトマト畑が広がっていた。サッカー場3つ分くらいだろうか。遮るものがいっさいない、だだっ広い畑だった。周辺にはすでに何台ものワゴン車

    格安「トマト缶」の中身は、灼熱の農場で子供たちが収穫していた!
    kaikaji
    kaikaji 2020/07/29
    "こんなふうに畑で子供を働かせるなんて、本当はよくないことだとわかってるさ。われわれ漢民族にとっては反道徳的だ。でも、仕方がないんだ。四川省の貧しい人間にほかの選択肢はない"