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ブックマーク / www.amazon.co.jp (3)

  • 次のAmazonレビューを確認してください: 現実世界と対話する経済学: 所有権、人的資本、市場化改革から読み解く中国経済

    書は、中国人の制度派経済学者が現状を分析しつつ、市場改革論を展開した論を集めた論文集だ。市場改革論というと西側諸国に見られる新自由主義を連想しがちだが、それとは異なる。そもそも、考察対象が社会主義経済だからだ。そして、「漸進主義的」といわれた中国の改革が、所有権の改革を伴いながら行われていった様子が具体的に描かれている。これまで、漸進主義的改革と言われる中身がはっきりしなかったのが、明確になる。 改革はまず、農村・農業から起こった。人民公社方式を止め、農業経営請負制に変更し、納税後の余剰物は農家の所得とした。農地も、農家の使用権が認められ、さらに譲渡可能にもなった。これにより農家のインセンティブは高まり生産性は向上した。ここでは所有権の再定義という制度改革と経営請負制という経営改革が同時に行われている。 商工業の発達は、これとは少し異なった方式で行われた。まず、従業員を雇うことが合法とな

    kaikaji
    kaikaji 2024/05/26
    周其仁氏の『現実世界と対話する経済学』のAmazonレビュー。これもありがたい。
  • 次のAmazonレビューを確認してください: 所有とは何か-ヒト・社会・資本主義の根源 (中公選書 138)

    講談社学術文庫からフランスの社会主義者、アナーキズムの父と呼ばれるプルードンの『所有とは何か』の新訳が出版されたと聞いたので検索したところ、同名の書『所有とは何か』を発見し、購入した。書は6章構成で、それぞれ異なる筆者が担当している。 Ⅰ.所有を肯定するのか否定するのか 書の「あとがき」に、「所有は、私たちの人生の実存的な部分と深くかかわっている(p.344)」とか、「所有するということは、ひとが生きるということそのものなのだ(p.345)」とあるので、書は所有を肯定しているように見える。その一方、2章「手放すことで自己を打ち立てる」は、禅の「放下:(すべてを投げ捨ててしまえ)ほどの意味」のように所有することを否定しているように思える。いったい書の編集方針はどちらなのだろう。 1章「所有と規範―戦後沖縄の社会変動と所有権の再編」 沖縄は戦中・戦後の苦難の歴史がある。その中で守って

    kaikaji
    kaikaji 2024/05/25
    『所有とは何か』の本格的なレビュー。ありがたい。
  • 次のAmazonレビューを確認してください: 国家に抗するデモクラシー:マルクスとマキァヴェリアン・モーメント (叢書・ウニベルシタス 1108)

    マルクスの思想に「マキァヴェリアン・モーメント」と呼びうる性質が備わっていることは(p.54)、著者も認めるように、驚きである(p.55)。終章で現在、「われわれはマキァヴェリアン・モーメントに直面している(p.245)」とする。 1.マキァヴェリアン・モーメント 著者もマキァヴェリアン・モーメントについては、ポーコック『マキァヴェリアン・モーメント』(名古屋大学出版会)を引用している(p.62)。 ポーコックは、近代政治哲学が法治的自由主義のモデルに支配されていたのを、それとは別のモデルがあることを暴露した。政治的で、人文主義的で、共和主義的なパラダイムである。それはフィレンツェの人文主義に始まり、マキャヴェッリとハリントン(イングランドの古典的共和主義思想家)を経由してアメリカ革命にまで波及したという。 アバンスールはマキァヴェリアン・モーメントの三つの要素を指摘する。政治的な事柄に捧

    kaikaji
    kaikaji 2021/02/27
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