香港の事態は異なる局面に この記事の画像(7枚) 香港のデモが続いている。200万人とも言われたデモが報道された時には、香港の限られた自由を守ろうとする戦いに多くの共感が寄せられた。香港では司直の政治的中立性が疑われており、もはや市民と公的機関の間に信頼関係が成り立っていない。当初の争点であった犯罪人引渡し法案が香港の自由にとって死活的と判断され、だからこそ、ここまで運動が盛り上がった。ただ、既に事態は異なる局面に突入したと判断すべきだろう。 ひとつには、香港警察が弾圧の度合いを高めており、拘束した若者に不要な暴力を振るい、デモ隊に銃口を向ける事態に至っているからだ。信頼関係という意味で言えば、これは僅かながら存在していたデモ隊側の公権力に対する信頼が吹き飛ぶ事態である。当然、デモは過激化する。直近では、街灯を打ち壊し、地下鉄の施設や中国政府寄りと見られた企業に対する器物損壊などの行為が相