学長の権限強化という言葉は昔からあった。最近はさらに強く語られるようになった。 私は2年前まで、4年間学部長をしていた。それがこの4月から、なぜかまた学部長になったのである。2年の間を置いて全学の会議に出ると、その間の変化を感じることがある。学長の権限が強化されたことを目の当たりにする。 しかし、「これは悪い冗談であろうか」とも思う。 確かに学長権限は強化されたのだけれど、この学長権限の強化は同時に、大学の権限縮小と同義であることを目の当たりにするからである。 以前に比べると、学長の裁量でできることは形式上は上がったのだろう。が、学長の選択の範囲は上位権力に強く制限されている。だから、学長がやりたいことをやっているとは映らない。求められたことをやらされているだけであるとしか見えない。学長権限の強化は教授会権限の縮小を意味するが、教授会の背景無く動く学長に上位権力に抵抗する地盤は何もないので
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