風の強い午後、息子と散歩していて、野原に寄った。川沿いの、サッカーや野球の試合もできるのだけど、他にはなんにもないただの野原。小学生の女の子たちがコーチにサッカーの基本を教わっていた。母親たちが日傘をさして世間話をしながらそれを見ていた。タンポポやニワゼキショウやカラスノエンドウやマーガレットが、ヒュウヒュウ鳴る風に揺れていた。コンフリが咲いているのを見つけた。子供の頃、夕食の前に母に言われて時々その葉っぱを摘んだ。母はそれを天ぷらにした。薄紫の花をそっと取る。花にはほんの少し甘い蜜があるのを私は知っている。母に教わった。少し噛んでチュ、と吸ってみた。優しく薄甘い蜜が舌先に触れた。「吸ってごらん?」息子は嫌がった。コワイと言った。そんなん言わんで吸ってみなさい、と言うと息子は目をつむって恐る恐る口をつけ、「あまい」と言ってなんだか納得のいかない顔をした。 野原でシロツメグサを編んだ。編み方