「どうです。立派でしょう」。水槽から取り出されたエビはハサミを広げると50センチもある大物。すごい迫力だ。 東南アジア原産のオニテナガエビ。山梨県甲斐市の株式会社「陸作」が、市内の玉川温泉横の養殖場で温泉水を利用して育てている。その数10万匹以上。社長の今村秀樹さん(53)は「卵から半年で出荷できるほど成長が早く、何より味が良い。海なし県でも大量生産できるよう試行錯誤してきた」と話す。 「一番うまい食べ方は塩焼き」とのこと。水槽からすくった1匹に塩をまぶし、網の上であぶると、青みがかった体がみるみる真っ赤に変色した。 加熱しても、身は甘くてくせがない。そして、濃厚でクリーミーなミソのうまみが強烈。美味なのに知られていないのは、日本での養殖が困難なエビだから。今村さんは3年前に独自に養殖装置を開発し、特許を取った。 今村さんは甲府市出身。子どもの頃から生き物が大好きで、昆虫採集や釣りに熱中し
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