新型コロナ禍に加え、憂鬱の種が尽きないこのご時世に、さえた夜空を見上げるのは一興だ。6日未明、地球へ戻る「はやぶさ2」のカプセルがオーストラリア上空を火球となって飛ぶのを同時中継で見たのは至福の時だった。いっぽうの地上世界では12日、防衛省が三菱重工業と契約している次期戦闘機開発で、ロッキード社の技術支援を受けるとの報道がなされた。 かたや小惑星探査機、かたやF2戦闘機の後継機だが、両者には意外にも共通点がある。第一に、両者ともに科学・技術の結晶だという点。第二に、長期的に巨額の予算を費消する大型計画である点だ。ただ、「はやぶさ2」計画と戦闘機開発には、当然のことながら大きな違いがある。計画に着手する前、学術的見地と一般的社会的見地の双方から、計画の社会的正当性について、審査・評価を受けたかどうかだ。
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