日常化する不正請求 昨年末、世界のネット広告業界を震撼させたのが、偽のブラウザー上で、数十万にのぼる架空のWebサイトとユーザーを捏造、インターネットのビデオ広告が、多く閲覧されているように見せかけ、全米の広告主から約1億8000万ドル(約211億円)をだまし取ったという詐欺事件だった。 「メスボット」と呼ばれるこの仕掛けは、ロシアの詐欺グループが考案したといわれているが、発見した米の広告詐欺対策ベンダーは、その詳細を明らかにしていない。ここで指摘すべきは、昨年10月の運用開始から年末の発覚までの約2ヵ月半の間に、1日で最大6億円もの被害が出たことだ。 これは過去最大のネット広告詐欺被害の3倍だが、広告代理店や詐欺対策を行うベンダーもロクな対策技術を持っていないことの証明で、ネット広告が拠り所とする閲覧履歴を示すクッキーベースの仕組みが抱える弱点を巧みについているだけに、今後ともこの種の詐
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