鏡のように仕上げる金型。赤いマルで囲んだ部分は傷のある箇所だが、肉眼ではまったくわからないほどのレベルだ 町工場で育った筆者が、日本のモノづくりを支える職人の気質や育成の難しさについて述べた前回。今回は、当時の現場で直面した「技術流出」について綴っていきたい。 職人の業界には、分業制を取るところがある。父の工場でも、各職人に技術や知識を分散させていた。洗練された技術を惜しみなく発揮できるというのも1つだが、その最大の理由は、技術の流出を阻止するところにある。 分業は、仕事上の不平等が発生しやすく、職人同士で不満がつのったり、担当者の欠勤がラインを止めてしまったりするなど、様々な問題を伴うことも多い。 だがこの制度をひとたび止めれば、たちまちに技術は外に漏れていく。 父の工場でも、開業間もないころは各々にすべての工程を任せていたのだが、案の定、安易な独立や不当な引き抜きなどによって、情報や技
![日本が誇る零細工場の技術は、面白いほど簡単に盗まれ流出してしまう « ハーバー・ビジネス・オンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/c0452e5ec8580a9311f6558fe73b7c20cf1b8339/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fhbol.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2017%2F04%2Fc45c1b8d0a38fdda3ffffa978fd6293f.jpg)